円形脱毛症

2024.05.30 円形脱毛症

【円形脱⽑症に悩み始めたら】治療法やしてはいけないことを解説

【円形脱⽑症に悩み始めたら】治療法やしてはいけないことを解説

 

「部分的に髪が薄くなってきた気がする」「朝起きたときの抜け毛がひどい」などのお悩みはありませんか。

部分的な脱毛、または脱毛が多発している場合は、円形脱毛症の可能性があります。

円形脱毛症は「十円ハゲ」ともいわれ、人目につきやすいことから、深く悩んでいる方も少なくないでしょう。

今回は、円形脱毛症の初期症状や、円形脱毛症になったときにしてはいけないこと、進行が止まらない理由、治療法や副作用などをご説明します。

 

円形脱毛症とは

ヒトの体には、細菌やウイルスなどから体を守る免疫機能が備わっています。

なんらかの原因により、誤って自分の体を攻撃してしまうことを自己免疫疾患と呼び、円形脱毛症は毛を作っている毛包のまわりに炎症を起こし、毛包の組織を破壊しようとする自己免疫反応によって発症します。

円形脱毛症は頭部の一部に円形状の脱毛が起きる場合もありますが、多発する場合や、頭部以外の眉毛、まつ毛、手足の毛などに生じることもあります。

重度の場合、頭部全体、または全身の毛が抜けることもあります。

  • 単発型(単発性通常型)…頭部の一部に円形状の脱毛があらわれる
  • 多発型(多発性通常型)…頭部に脱毛症状が多発する
  • 全頭型…頭部全体に脱毛症状があらわれる
  • 汎発型…全身に脱毛症状があらわれる
  • 蛇行型…頭髪の生え際が帯状に脱毛していく

 

初めて円形脱毛症になったとき

円形脱毛症になった場合、主に以下のような症状があらわれます。

  • 脱毛部位が少しずつ拡大している
  • 起床したときに、枕に抜け毛がつくようになる
  • 抜け毛の毛根部が細くなり、尖っている
  • 脱毛部位の周辺の髪の毛を引っ張ると簡単に抜ける
  • 脱毛部がヒリヒリしたりかゆみがある

初めて円形脱毛症になったときは不安になり、自分で改善したいと思う方もいるかもしれません。

しかし、円形脱毛症の多くは医療機関での治療によって改善する傾向があります。

上記の症状に当てはまる場合には、早めにクリニックへ相談するとよいでしょう。

 

円形脱毛症の進行が止まらない理由

円形脱毛症の進行が止まらないのは、円形脱毛症の原因が解消されていないことが考えられます。

円形脱毛症の原因として、過度なストレス、遺伝的要因、ホルモンバランスの乱れ、アトピー性皮膚炎など、さまざまなことがあげられます。

 

過度なストレス

円形脱毛症はストレスが関係しているという説がありましたが、これまでの研究によって円形脱毛症とストレスに有意な関係は認められないことが知られています。

しかし過度なストレスで自律神経のバランスが乱れ、髪の毛の成長に影響を及ぼす可能性があります。

円形脱毛症の症状が長引く、重症化するなどのリスクは否定できないでしょう。

 

遺伝的要因

親からの遺伝的要因により、円形脱毛症の発症や重症化のリスクが高まります。

また一卵性双生児が二人とも円形脱毛症を発症する確率は55%になるなどの報告もあります。

 

アトピー性皮膚炎の合併

アトピー性皮膚炎の患者さまの40%が円形脱毛症を発症すると言われています。

具体的にどのようなメカニズムで発症するかは分かっていませんが、アトピー素因をもった方に多く発症する傾向があります。

 

ホルモンバランスの乱れ

ストレスや疲労、妊娠・出産、体の冷えや加齢など、さまざまなことが影響してホルモンバランスの乱れが起きるといわれています。

ホルモンバランスが乱れると髪の成長にも影響を及ぼすと考えられます。

 

内臓疾患の関連

円形脱毛症の進行が止まらず、身体的・精神的に不調が続いている場合には、内臓に病気を発症している可能性があります。

たとえば、肝硬変などの肝機能障害を発症していると、髪の毛の成長に影響を及ぼし、肝臓がんなどを発症するおそれがあります。

糖尿病や胃腸炎、腎不全などがあげられます。

 

円形脱毛症でやってはいけないこと

基本的に、円形脱毛症でしてはいけないことはありません。

しかし日常生活の中で以下のような点に気を付けることにより、円形脱毛症の症状を改善できる可能性があります。

 

髪を洗わない・洗いすぎ

円形脱毛症の方は、髪への刺激を極力避けるために洗髪をしない、または清潔にするために必要以上に洗髪をすることがあります。

しかし、シャンプーをしないことにより頭皮に汚れが溜まり、毛穴づまりにつながる可能性があります。

また頻繁にシャンプーを繰り返すことで本来は必要となる皮脂が洗い流され、頭皮の乾燥を招くと考えられます。

頭皮を健やかに保つため、基本的に1日1回の洗髪で頭皮の汚れを洗い流すようにしましょう。

 

頭皮を叩くマッサージ

頭皮マッサージは血行促進につながりますが、頭皮を強く叩くマッサージでは頭皮や髪の毛の成長に関与している毛母細胞などを傷つけるおそれがあります。

円形脱毛症の方の場合、頭皮が敏感になっているため、やさしく円を描くように腹の指でマッサージするとよいでしょう。

 

脂質の多い食事

食事は、心身の健康に関与していることが知られています。

成人の場合、脂質の1日の目安量は40~60gですが、現代人は脂質を摂りすぎる傾向があり、特に動物性脂質の多い食事は肥満や脂質異常症など生活習慣病の原因となります。

肥満になると頭皮の皮脂の増加、多量の発汗などによる頭皮環境の悪化などが考えられます。

またホルモンバランスの乱れを引き起こし、円形脱毛症を悪化させる可能性がある一方で、極端に脂質が不足するとホルモンバランスが乱れやすくなるといわれています。


円形脱毛症の予防や改善のためにも、適度な脂質の摂取、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルを中心に、バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

 

ストレスをためる

円形脱毛症とストレスは関係がないともいう研究結果もありますが、前項の通り、自律神経のバランスが崩れ、髪の毛の成長に影響を及ぼす可能性は否定できません。

自分に合ったストレス発散法を見つけて、過度なストレスを溜めないようにしましょう。

 

円形脱毛症の主な治療方法

当院では、以下のような治療をご提案しています。

 

ステロイド薬の使用(塗り薬、注射、飲み薬 等)

 

ステロイド外用薬

皮膚の炎症を抑える治療です。

自宅で継続して行う治療で、頭皮に塗布するローションタイプのステロイド薬を処方することが多いです。

 

ステロイド局所注射

炎症が起きている部分にステロイド薬を注射する治療です。

月に1回ほどの注射をしていただきます。

 

ステロイド内服薬・点滴 ※当院では、対応しておりません。

脱毛の範囲が広く、脱毛が進んでいる方には内服薬や点滴の治療をする場合があります。

ステロイドの点滴は通常3日間連続で行うことが多いため、総合病院や大学病院に入院して行っていただきます。

 

液体窒素療法

スプレー式の液体窒素で冷却することで、頭皮の免疫状態を調節し発毛を促す治療です。

 

局所免疫療法 ※当院では、対応しておりません。

皮膚にあえてかぶれを引き起こし、免疫機能を調整し、発毛を促す治療です。

週に1回程度通院していただきます。

円形脱毛症のガイドラインでは、多発型・全頭型・汎発型に第一選択肢として推奨されています。

かぶれが強く出てしまうことがあるため、アトピー性皮膚炎の方には注意が必要です。

 

オルミエント(バリシチニブ)※当院では、対応しておりません。

円形脱毛症の炎症を起こすサイトカインと呼ばれるたんぱく質を抑制し、発毛を促す薬剤です。

アトピー性皮膚炎で保険適用となっている薬でしたが、円形脱毛症にも保険適用となりました。

感染症にかかりやすくなるなどのリスクがあるため、当院では治療を行っておらず総合病院や大学病院で治療していただくことが多いです。

 

紫外線治療

308nmの波長の紫外線を当て、円形脱毛症の炎症を抑制し、発毛を促す治療です。

治療前に紫外線の照射による感受性を調べてから治療を開始します。

週に1~2回程度通院していただきます。

 

紫外線療法では、正常な頭皮、皮膚への過剰な照射を防ぎ、照射したい部分へピンポイントで照射が可能です。

紫外線療法のメリットとして、皮膚のかゆみや赤みを早く抑える、外用薬では改善できなかった症状にも効果が期待できる、再発が少ないなどがあげられます。

はじめのうちは週に1~2回程度、症状が改善してきたら1週間に1回、2週間に1回など、間隔をあけて治療を続けていきます。

 

外用薬や内服薬も併用することがあります。

2020年4月から保険適用となっています。

当院では広範囲に一度に当てることができる全身型紫外線装置と、ピンポイントで紫外線治療ができる局所型エキシマライト装置があり、症状に応じて使い分けています。

 

 

ミノキシジル外用療法

男性型脱毛症(AGA)女性型脱毛症でもよく使われるお薬ですが、頭皮の血流を良くして発毛を促します。

自費治療となります。

 

副作用とリスク

治療の効果や経過には個人差があります。

気になる症状があらわれた場合には、すみやかに医師へ相談しましょう。

  • ステロイド外用薬…ニキビ、皮膚のかぶれ、皮膚萎縮、血管拡張 など
  • ステロイド局所注射…注射時の痛み など
  • ステロイド内服薬・点滴…糖尿病、肥満、骨粗しょう症、免疫抑制 など
  • 紫外線治療…照射時の肌の赤み、ほてり、ヒリヒリ感 など
  • 液体窒素治療…痛み、水ぶくれ、色素脱失など
  • 局所免疫療法…皮膚のかぶれ、色素脱失、腫れ など
  • ミノキシジル外用療法…皮膚のかぶれ、かゆみなど

 

料金

 

以下の円形脱毛症の治療は、保険適用となっています。

【初診料】 約900円
【再診料】 約200円
【処方料】 約200円

 

ステロイド薬の使用(塗り薬、注射、飲み薬 等)

紫外線治療 約1,100円

 

以下のミノキシジル外用療法は、自由診療(自費)となります。

ミノキシジル配合外用液 男性用5% 60ml/5,500円
ミノキシジル配合外用液 女性用1% 60ml/4,400円

※料金は税込みです。

 

円形脱毛症でお悩みの方は上野御徒町ファラド皮膚科へ

円形脱毛症は「十円ハゲ」ともいわれ、髪のお悩みの中でも深刻にとらえている方が少なくない疾患です。

生活習慣の乱れやホルモンバランスの乱れ、遺伝的要因などさまざまなことが関与していると考えられますが、単発型に分類される円形脱毛症は1年のうちで約80%が快方に向かうといわれています。

当院では大学病院や総合病院で一般皮膚科、小児皮膚科、皮膚外科手術、アレルギー領域の診療を行ってきた「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」である医師が丁寧に診療いたします。

円形脱毛症ガイドラインで推奨されているエキシマライト治療、液体窒素治療、ステロイド局注療法なども行うことが可能です。

気になる症状がみられる場合には、当院へお気軽にご相談ください。

 

【上野御徒町ファラド皮膚科院長|上條 広章 監修】

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