トラネキサム酸局所注射とは
トラネキサム酸局所注射は肝斑や色素沈着に効果がある治療です。
メラニン産生を抑え、抗炎症効果のあるトラネキサム酸を肌に直接注射することで濃度を高く届けることができ効果をより高く発揮することができます。
トラネキサム酸局所注射の効果
トラネキサム酸局所注射は、なかなか治らない肝斑に特におすすめです。
トラネキサム酸やビタミンCの飲み薬や、ハイドロキノン・トレチノインが肝斑の基本治療になりますが、薄くはなったもののもう少し薄くしたい場合にプラスアルファの治療として局所注射をおすすめしています。
トラネキサム酸局所注射は海外でも効果の高い治療として認められ、効果を証明した研究も多く報告されています(1,2)。
しっかり治療したい方は、2~4週間ごとに4~6回の治療をおすすめしています。
トラネキサム酸が効く仕組み
肝斑や色素沈着は、紫外線やこすれる刺激によって肌に炎症が起こり、メラニンが作られて茶色くなります。
トラネキサム酸は、プラスミンを抑えることができります。
プラスミンは、メラニンを作る指令でもあり、また炎症を起こす指令でもあるため、プラスミンを抑えることで肝斑や色素沈着がよくなります。
またプラスミンは血管を増やす指令でもあるので、トラネキサム酸局所注射で肌の赤みも抑えることができます。
当院の症例
症例 【30歳代女性】頬の肝斑
頬の肝斑に対して、他院でピコトーニングを10回以上行うも改善なく当院を受診されました。ホルモン薬を内服中でトラネキサム酸が飲めず、リバースピールとトラネキサム酸注射で肝斑が薄くなりました。
費用 | リバースピール両頬 1回22,000円(税込)、トラネキサム酸局所注射 1回33,000円(税込) 本症例では、総額55,000円(税込) |
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副作用・リスク | 赤み・皮むけなど |
トラネキサム酸局所注射の料金(税込み)
トラネキサム酸局所注射 両頬 (極細針使用) | 33,000円 |
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まとめ
なかなか改善しない肝斑や色素沈着にトラネキサム酸局所注射がおすすめです。
その他になかなか治りにくい肝斑にリバースピールやケアシスSによる美白導入などいろいろな治療の選択肢がありますので、肝斑や色素沈着にお悩みの方は是非当院にご相談ください。
参考文献
(1) Lueangarun S, et al. Intradermal Tranexamic Acid Injection for the Treatment of Melasma: A Pilot Study with 48-week Follow-up. J Clin Aesthet Dermatol. 2020;13:36-39.
(2) Pazyar N, et al. Intradermal Injection of 100mg Tranexamic Acid Versus Topical 4% Hydroquinone for the Treatment of Melasma: A Randomized, Controlled Trial. J Clin Aesthet Dermatol. 2023;16:35-40.