ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)とは

ADMはAcquired Dermal Melanocytosisの略語であり、日本語では後天性真皮メラノサイトーシスといいます。おでこや鼻にもみられますが、頬に見られることが最も多く、両頬上部に褐色~グレーや青色の細かいシミのような斑点が集まってみられます。一見シミのようにみえますが、シミではなく太田母斑や異所性蒙古斑などに近い「あざ」の一種になります。「あざ」ですので保険適用でレーザー治療を受けることができます。以前は太田母斑の亜型として考えられていましたが、現在は異なる別の疾患として考えられています。

ADMは、アジア人女性に多く日本人にも多く見られます。10代後半~30歳代で出てくることが多く、日光のシミには効果のある光治療(IPL)が効かないことが特徴で、光治療(IPL)が効かないことでADMと判明することもよくあります。

ADMの症状

ADMの症状

ADMの症状は、図のような顔の6箇所に症状が見られることが多いです。6箇所は、おでこ、こめかみ、頬、目の下、鼻根、小鼻になります。頬に出ている方が圧倒的に多く、次に小鼻に見られる方が多くなります。両側左右対称なことがほとんどですが、まれに片側しか症状がでていない方もいらっしゃいます。多くの方は両頬に比較的均一な斑点が複数みられることでADMの診断になります。

頬やこめかみ、小鼻は比較的均一な斑点がぽつぽつみられ、おでこや目の下内側、鼻根では均一で面状の色素斑が見られることが特徴です。

ADMの特徴

ADMの特徴

日光のシミである日光黒子(老人性色素斑)では、シミの原因メラニンが表皮という皮膚の浅いところにあります。ですので、1回のレーザー治療でシミがほぼなくなり、また光治療で薄くすることができます。一方、ADMではメラニンをたくさん含んだメラノサイトが真皮という皮膚の深いところで増えているため、肌の深いところにメラニンがあります。ADMが、グレー~青色といった特徴的な色になるのはこのようにメラニンが深いところにあるからです。また深いところにメラニンがあるため、レーザーの治療も1回では難しく、3~4回ほどはレーザー治療を行うことが必要となります。

他のシミとの違い

ADMは、日光のシミ(日光黒子・老人性色素斑)、そばかす(雀卵斑)、肝斑と見分けることが必要です。シミ全体についてはこちらのページもご参照ください。

日光のシミ(日光黒子・老人性色素斑)

よく見られるシミのことです。頬など日光の当たりやすい部位に見られる茶色いシミで、大きいものから小さいものまで点在しています。時間が経つと盛り上がっていきイボになっていきます。ADMは、日光のシミよりもややグレー~青みがかっており色調が異なります。またADMでは頬に比較的均一な小さい斑点が集まって見られるのが特徴です。ADMが20歳くらいからみられ、日光のシミよりも若い頃からみられることも見分けるポイントとなります。日光のシミがADMに混ざって見られることもありますので、しっかりとシミ一つ一つを見極めることが大切になります。日光のシミと思われて、光治療(IPL)を数回してもシミが薄くならずADMとわかることもあります。

そばかす(雀卵斑)

そばかすは幼少期からあり、両頬から鼻根にかけてみられます。家族に同じような症状が見られることも多いです。そばかすは細かい薄茶色のシミがたくさん見られますが、ADMでは均一な斑状のグレー~青色の斑点がみられ見分けることができます。ADMは20歳くらいからみられますが、そばかすは幼少期から出てくることも見分けるポイントとなります。

肝斑

肝斑は両頬にぼんやりでるシミのことです。紫外線や肌をこする慢性刺激、女性ホルモンなどでできるシミになります。特に紫外線やこする刺激が加わりやすい頬骨上によくみられます。春先から夏にかけての紫外線が強くなる時期に濃くなるなど、1年でも変動があります。ADMでは頬に均一な斑点が見られますので、肝斑とは見分けやすくなります。肝斑についてはこちらもご参照ください。

ADMの方は肝斑も見られやすい

ADMは肝斑と見分けることが大切ですが、ADMは肝斑を合併しやすい特徴があるため注意が必要です。肝斑は肌をこする刺激で出やすいのですが、ADMもアトピー性皮膚炎や乾燥肌の方など肌に炎症が起こりやすく肌をこすりやすい方に出やすいという共通点があります。ADMに肝斑を合併している時は、肌がレーザーで色素沈着しやすい状態にあります。ですので、肌の状態によってはADM治療の際に、ハイドロキノンやトレチノインの塗り薬やトラネキサム酸の飲み薬・塗り薬をレーザー治療に併用する必要があります。

手足に出るADMについて

ADMは基本的には顔のみですが、まれに手足にも同時に色素斑が見られることがあります。ADM-FE (ADM of the face and extremities)と言います。手足の色素斑をADMの症状として捉えていいかはまだ議論の余地がありますが、同時に見られた場合はADMに関連していると考えられます。顔のADMに加えて、手の甲や腕に茶色の色素斑がみられることが多いです。レーザーが効くこともありますが、顔に比べて効きが悪い印象です。

ADMの治療

ADMの治療

ADMはレーザー治療が保険適用で、レーザーによる治療を行います。当院では、レーザーの中でADMに対し最も効果が高いとされるQスイッチルビーレーザーで治療を行っております(文献:山下理恵、他 日本レーザー医学会雑誌 31(1):36-41, 2010)。エムラクリームによる表面麻酔を行い、レーザー照射を行っていきます。レーザー後は1週間ほどテープ保護をおすすめしています。茶色いテープをおすすめしていますのでそれほど目立ちませんが、テープが1週間できるときにレーザーの治療をおすすめしています。レーザー治療の保険適用は3ヶ月ごとになりますので基本的にレーザー治療は3ヶ月ごと行います。強く色素沈着している場合や肌の状態によって、レーザーの治療間隔を6ヶ月に伸ばすこともあります。

ADMは肝斑を合併しやすく、またADMはレーザーによる色素沈着もしやすいため、ハイドロキノンやトレチノイン、トラネキサム酸の塗り薬やビタミンC・トラネキサム酸の飲み薬の併用もおすすめしています。ハイドロキノンやトレチノインについてはこちらもご参照ください。

ADMの薄くなり方

ADMの薄くなり方

ADMは、メラニンが真皮という肌の深いところにあります。そのため、1回のレーザーですべてのメラニンを破壊することができず、治療に3~4回ほど回数が必要です。ADMにレーザーを行うと、メラニンが破壊され、肌のお掃除部隊であるマクロファージという細胞が集まってきて壊れたメラニンを回収しADMが薄くなっていきます。マクロファージのお掃除はゆっくり行われますので、レーザー治療をした後3ヶ月ほどかけてお掃除が行われADMは薄くなっていきます。レーザーを回数多く行って薄くするのではなく、お掃除の加減を見ながら治療を進めていくことが大切です。

また牛乳を薄めてもなかなか透明にならないのと同様に、ADMも最初の1~2回では薄くなった実感がないこともあります。メラニンは減っているもののまだまだ残っているメラニンが多く、肌表面からみると薄くなっていないように見えてしまうからです。
このようにADMではレーザー治療を行い、その後ゆっくり薄くなっていくことが特徴になります。

当院の症例

症例 【30歳代女性】両頬のADM

両頬のADMにQスイッチルビーレーザーを3ヶ月ごと2回照射しました。2回照射後の4ヶ月後の経過の写真です。ADMが薄くなり目立たなくなっています。

【費用】Qスイッチルビーレーザーによる両頬のADM治療 約7,000円(保険適用3割負担)(本症例では、総額約14,000円)
【副作用・リスク】痛み・赤み・水疱形成など

症例 【30歳代女性】両頬のADM

まとめ

ADMは「しみ」ではなく「あざ」に分類されるため、保険適用でレーザー治療が可能です。他のシミとの見極めが大切で、またレーザー治療も工夫が必要になります。ADMかもしれないと思ったらお気軽にご相談ください。

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