ニキビ跡

2026.02.02 ニキビ跡

ハイドロキノンの効果と正しい使い方|肝斑・シミ・ニキビ跡に効く?赤くなる理由まで皮膚科専門医が徹底解説

ハイドロキノンの使い方

「ハイドロキノンって本当に効果あるの?」
「塗り方を間違えると赤くなるって本当?」
「トレチノインと一緒に使うといいの?」

ハイドロキノンは、肝斑・シミ・ニキビ跡(色素沈着)治療の代表的な美白外用薬です。一方で刺激が出やすい薬でもあり、正しい使い方と注意点の理解がとても重要です。

この記事では皮膚科専門医が

  • ハイドロキノンの効果
  • 正しい塗り方・使い方
  • どのくらいで効果が出るのか
  • 赤くなる理由と対処法
  • トレチノインとの併用療法
  • 日焼け対策や保湿のポイント
  • 市販品との違い

まで、わかりやすく解説します。

ハイドロキノンとは?【シミ・肝斑治療の基本成分】

ハイドロキノン(Hydroquinone)は、肝斑・シミ・ニキビ跡の色素沈着に使われる美白外用薬です。世界中で長年使用されており、有効性が確立している成分です。

シミや肝斑が茶色く見えるのは、皮膚の中でメラニンが増えているためです。
ハイドロキノンは、メラニンを作る過程で重要なチロシナーゼという酵素を抑制することで、メラニン合成をブロックします。

つまり
 「シミや肝斑が茶色く見えることを防ぐ薬」
という役割を持っています。

ハイドロキノンは肝斑やシミに効果がある?

シミ(老人性色素斑)と肝斑

はい、効果が期待できます。

肝斑患者に4%ハイドロキノンクリームを12週間使用した研究では、約89.5%の方に有効以上の改善が認められたと報告されています(PMID: 9646135)。

特に効果が期待できるのは

  • 肝斑
  • 老人性色素斑(いわゆるシミ)
  • 炎症後色素沈着

など、メラニンが増えているタイプの色むらです。

ハイドロキノンはニキビ跡にも効果ある?

ハイドロキノンはニキビ跡の色素沈着(茶色い跡)には効果が期待できます。

ただし注意点があります。

ニキビ跡の種類ハイドロキノンの効果
茶色いニキビ跡(色素沈着)◎ 効果が期待できる
赤いニキビ跡(炎症後紅斑)✖ ほぼ効果なし
へこんだニキビ跡(クレーター)✖ 効果なし

赤みやへこみには、Vビームやポテンツァ、ブレッシングなど別の治療が必要になります。

ハイドロキノンはどのくらいで効果が出る?

効果が出るまでの期間には個人差がありますが、一般的には4~8週間ほどで少しずつ色が薄くなることが多いです(PMID: 23461059, PMID: 18616780)。ハイドロキノンは新たなメラニン合成を抑えるお薬であり、今あるメラニンが肌のターンオーバーで排出され肌のトーンが明るくなったことが実感できます。

肝斑や深い色素沈着では3か月以上かかる場合もあります。
ハイドロキノンは即効性の薬ではなく、メラニン生成を抑えながらゆっくり改善していく治療です。

ハイドロキノンは何ヶ月まで使える?休薬は必要?

長期間連続で使用すると、ごくまれに外因性オクロノーシスという色素沈着が起こることがあります。

そのため4%といった濃度のハイドロキノンでは一般的には

3〜5か月使用 → 1〜2か月休薬

というサイクルでの使用が推奨されます。

当院ではナノ化された1.9%ハイドロキノンを処方しており、安全性が高いため3ヶ月ごとに経過をみながら長期使用することが可能です。
このように安全に使うためには、医師の診察を受けながら継続することが大切です。

ハイドロキノンの正しい塗り方・使い方

女性が顔に薬を塗ろうとしている様子

ハイドロキノンの使い方は治療効果を左右する重要なポイントです。

基本の塗り方

  1. 洗顔
  2. 化粧水
  3. ハイドロキノンをシミ・肝斑部分に少量だけ塗布
  4. 乳液・保湿剤

日本では1日1回・夜のみ使用が一般的です。
海外では朝晩2回使用することもありますが、朝使う場合は必ず日焼け対策が必須です。

気になる部分へのポイント使いが基本ですが、顔広範囲に使用することもできます。

ハイドロキノン使用中は日焼けNG?紫外線対策は必須

ハイドロキノン使用中に日焼けすると色素沈着が悪化することがあります。

夜のみ使用している場合でも、日中の紫外線対策は必須です。

  • SPF30以上の日焼け止め
  • 帽子や日傘
  • 長時間の屋外活動を避ける

これらを徹底することが、治療効果を高めるポイントです。

ハイドロキノン使用中の保湿ケア

ハイドロキノン使用中は肌が乾燥しやすくなります。
乾燥は赤みやヒリつきの原因になるため、セラミドといった低刺激の保湿をしっかり行うことが治療継続のコツです。

刺激を感じる場合は、ワセリンなどシンプルな保湿剤に切り替えるのも有効です。

ハイドロキノンとトレチノインの併用療法

ハイドロキノンとよく併用されるのがトレチノイン(ビタミンA誘導体)です。

それぞれの役割

成分作用
ハイドロキノンメラニンを作らせない
トレチノインメラニンを外へ排出する・ターンオーバー促進

この2つを併用するハイドロキノントレチノイン療法は、

  • 肝斑
  • シミ
  • ニキビ跡の色素沈着

に対して非常に効果的な治療法です。

併用時の塗り方

  1. 洗顔
  2. 化粧水
  3. ハイドロキノン+トレチノイン(混合または順に塗布)
  4. 保湿

トレチノインは刺激が出やすいため、医師の指示のもとでの使用が重要です。

ハイドロキノンで赤くなる?副作用と対処法

ハイドロキノンでよくある副作用は

  • 赤み
  • かゆみ
  • ヒリヒリ感
  • かぶれ(接触皮膚炎)

濃度が高いほど刺激は出やすくなります。
赤みが強い場合は一度中止し、保湿で肌を整えてから再開することが大切です。

「赤くなった=効いている」ではありません。
我慢して塗り続けると悪化することがあります。

ハイドロキノンと併用NGの成分は?

ベピオとの併用はNG

過酸化ベンゾイル(ベピオなど)との併用は注意が必要です。

過酸化ベンゾイルがハイドロキノンを酸化させ、刺激物質に変化させる可能性があり、肌トラブルの原因になります。

ニキビ治療薬を使用中の方は必ず医師に相談してください。

塗ってはいけない場所は?

ハイドロキノンは
目のきわ・まぶた・唇・粘膜部分 には原則として使用できません。

これらの部位は皮膚が非常に薄く、刺激や炎症が起こりやすいため、自己判断での使用は避けましょう。

ただし、刺激の少ない低濃度のハイドロキノンであれば、症状や部位に応じて医師の指導のもと使用できる場合もあります。
使用可否については必ず医師にご相談ください。

市販のハイドロキノンと皮膚科処方の違い

市販品は低濃度が中心ですが、医療機関では肌状態に合わせて濃度や併用薬を調整できます。
肝斑や濃いシミは、医師管理下での治療がより安全で効果的です。

妊娠中・授乳中は使える?

ハイドロキノンは外用薬ですが、一定量が体内に吸収されることが報告されています。そのため、

妊娠中・授乳中の使用は推奨されていません。

安全性が完全に確立していないため、避けるのが原則です。

ハイドロキノンは定期受診しながら使用を

医師が診察をする様子

まれですが、長期使用により外因性オクロノーシスという色素沈着が報告されています。
日本では非常にまれですが、安全に使うためにも3か月ごとの経過チェックがおすすめです。

当院のハイドロキノン治療について

当院では、ナノ化ハイドロキノンとトレチノインを組み合わせた治療を行っています。

  • 肝斑
  • シミ
  • ニキビ跡の色素沈着
  • くすみ・小じわ

などを総合的に改善する肌再生プログラムをご提案しています。
刺激を抑えながら効果を引き出す処方設計で、医師の管理のもと安全に治療を進めていきます。

当院のハイドロキノン治療症例

ハイドロキノン症例 【40歳代女性】両頬の肝斑、老人性色素斑

症例 【40歳代女性】両頬の肝斑、老人性色素斑

両頬のシミがお悩みで当院を受診された患者さんです。肝斑と老人性色素斑があり、まずは肝斑からハイドロキノン・トレチノインの塗り薬を始めました。3ヶ月で肌のキメがよくなるのと同時に両頬の肝斑がかなり薄くなっています。

費用    ナノトレチノイン 15g 14,300円
ナノハイドロキノン15g 5,280円
本施術では総額 19,580円
副作用・リスク赤み、かさつき、かぶれなど

※料金はすべて税込み

まとめ

ハイドロキノンは

  • 肝斑
  • シミ
  • ニキビ跡の色素沈着

に効果的な美白外用薬です。

しかし、塗り方・使い方を間違えると赤くなることもある薬でもあります。
トレチノインとの併用で高い効果が期待できる一方、自己判断での使用はトラブルの原因になることもあります。

気になるシミや肝斑がある方は、ぜひ一度皮膚科専門医にご相談ください。

シミについてはこちらのシミの詳細ページをご参照ください。

【参考文献】

Fabian IM, Sinnathamby ES, Flanagan CJ, Lindberg A, Tynes B, Kelkar RA, Varrassi G, Ahmadzadeh S, Shekoohi S, Kaye AD. Topical Hydroquinone for Hyperpigmentation: A Narrative Review. Cureus. 2023 Nov 15;15(11):e48840. PMID: 38106810. 

Amer M, Metwalli M. Topical hydroquinone in the treatment of some hyperpigmentary disorders. Int J Dermatol. 1998 Jun;37(6):449-50.PMID: 9646135.

Bozzo P, Chua-Gocheco A, Einarson A. Safety of skin care products during pregnancy. Can Fam Physician. 2011 Jun;57(6):665-7. PMID: 21673209.

Grimes P, Watson J. Treating epidermal melasma with a 4% hydroquinone skin care system plus tretinoin cream 0.025%. Cutis. 2013 Jan;91(1):47-54. PMID: 23461059.

Chan R, Park KC, Lee MH, Lee ES, Chang SE, Leow YH, Tay YK, Legarda-Montinola F, Tsai RY, Tsai TH, Shek S, Kerrouche N, Thomas G, Verallo-Rowell V. A randomized controlled trial of the efficacy and safety of a fixed triple combination (fluocinolone acetonide 0.01%, hydroquinone 4%, tretinoin 0.05%) compared with hydroquinone 4% cream in Asian patients with moderate to severe melasma. Br J Dermatol. 2008 Sep;159(3):697-703. PMID: 18616780.


この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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