おむつかぶれ

お子さんのおむつかぶれ

赤ちゃんの肌はとてもデリケートですので、注意していてもおむつかぶれになってしまうことがあります。お尻が赤くなった、お尻がただれてしまったなどおむつかぶれになってしまった時はお早めにご相談ください。

おむつかぶれとは

おむつかぶれはおむつ皮膚炎ともいいます。おむつの中の皮膚は常に高温多湿で、じめじめしています。また、おしっこやうんち、汗がついてしまい、おむつ替えの際の拭き取る刺激や、おむつで擦れる刺激も絶えず加わってしまうため、かぶれ(接触皮膚炎といいます)が起こってしまいます。また菌がついてしまうこともあります。
おむつを着る平均2年6ヶ月の間に、おむつかぶれを一度はたいていのお子さんが経験しているというデータもあります。

おむつかぶれの原因

おむつの中は高温多湿の環境になってしまい、皮膚が軟らかくなり(浸軟といいます)、また皮膚のバリア機能も落ちてしまいます。おむつそのものの摩擦、おしりを拭くときの擦る刺激、おしっこのアンモニアや便の中の酵素などが刺激になってしまいかぶれ(刺激性接触皮膚炎)になってしまいます。うんちが軟らかいと皮膚もふやけやすく、未消化のうんちの中は皮膚の刺激となる酵素が多く、うんちの回数も多くなるのでおむつかぶれをおこしやすくなります。

おむつかぶれの症状

お尻といったおむつが直接触れて擦れる場所や、うんちの刺激を頻繁に受ける肛門の周りに症状が出やすくなります。最初は、赤みがでて、ぷつぷつしてきて、時にびらん・潰瘍といって皮膚がむけ、ただれてしまいます。
下痢便や軟便では、肛門の周りから赤みがでて、びらんや潰瘍にまですぐなってしまうことがあります。特に便に水分が多いと、おむつが吸収するよりも早く、周りの皮膚にどんどん広がってしまうことがあります。
ゴムのギャザーがついた紙おむつでは、太ももや腰のギャザー部分に赤みや赤いポツポツがたくさんできてしまうこともあります。また暑い時期に、蒸れやすいパンツタイプのおむつを長時間していると、おむつの中が蒸れてあせもがたくさんできてしまうこともあります。

おむつかぶれで注意するカンジダ感染症

おむつかぶれがただ湿疹になってしまうだけでなく、カンジダ菌というじめじめしたところが好きな菌が増えてしまうことがあります。専門用語では、乳児寄生菌性紅斑という難しそうな名前がついています。股のくびれやひだなどが赤くなり、周りに赤みや赤いぷつぷつが増え、膿をもつこともあります。またオブラートのような薄皮ができることがあります。こちらは薄皮などをとり顕微鏡の検査をすることでカンジダ菌がみられ診断できます。おむつかぶれの皮膚炎と同時にこのカンジダ菌の治療も行っていくことが必要です

おむつかぶれの予防と治療方法

大切なことは、おむつをこまめに確認して濡れていたらすぐに取り替えることです。できれば、うんちやおしっこをしていないときも新しいおむつに交換して長時間じめじめした状態にせず、お尻をサラサラの状態にすることが理想です。
またおむつの素材やサイズも確認して、違う製品に買い替えることでおむつかぶれがよくなることもあります。特にお尻やふともものギャザー部はこすれて刺激になっていることもあり、おむつのサイズに注意しましょう。
お尻をふく時も、擦らずに優しくふき取ることが必要です。ふき取る刺激が皮膚にダメージを与えてしまうため、できればぬるま湯でシャワーやボトル、霧吹きなどを使い、優しく流せるとなお理想的です。おむつかぶれになってしまい、うんちやおしっこをしっかり落とそうとごしごししてしまう親御さんも多いので、ごしごしせず優しくふき取るか流すよう注意しましょう。うんちなどの汚れは、お風呂の時によく泡立てた低刺激のソープを使い洗いましょう。オリーブオイルに浸した軟らかいガーゼでの拭き取りもおすすめです。
洗い流したあとは、すぐにはおむつを着けず、少し時間をおいて乾かします。肌が乾いてサラサラになった後は、ワセリン、プロペトなどの保湿のお薬を塗っておきましょう。またじめじめが強い場合、お尻の保護のために亜鉛華軟膏を処方することもあります。亜鉛華軟膏は保護力が強い分、少しべとべとしているので無理にふき取る必要はありません。オリーブオイルに浸したガーゼでふき取ると拭き取りやすくなります。保湿や亜鉛華軟膏によって、お尻とおむつの擦れる刺激を減らし、またうんちやおしっこからお尻を守ることができます。おむつ替えの度に優しく、亜鉛華軟膏や保湿をしてあげると理想的です。こすらないように優しく塗りましょう。

ポイントは

  • こまめにおむつを交換しましょう。
  • こすらず優しく洗いましょう。できればぬるま湯で流せると理想的です。
  • 洗った後は少し乾かしましょう。
  • ワセリン・プロペトなどの保湿剤や亜鉛華軟膏などの保護のお薬を優しく塗りましょう。

赤みが強い時やただれてしまった時は、炎症を取るお薬を処方します。弱いステロイドと亜鉛華軟膏を混ぜたお薬を短期間使用し皮膚の赤み・炎症をおさえます。お薬を使っている時も先程のポイントがとても大切になりますので続けましょう。
カンジダ菌がついてしまった時は、カンジダを倒す皮膚に刺激の少ないお薬(抗真菌薬)を処方します。

まとめ

おむつかぶれはどのお子さんも経験することと思います。なかなか治らず当院を受診されるお子さんもいます。お薬だけでなく、ご自宅での処置方法もとても治療に大切ですのでおむつかぶれがご心配の方は当院にお気軽にご相談ください。また保育園に行かれているお子さんで平日のケアが必要な場合には適切な指示書をお渡ししますのでご相談ください。

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