鼻のイボ(線維性丘疹)とは

鼻のイボが気になり受診される方も多いですが、特に多いのが線維性丘疹(せんいせいきゅうしん、英語でFibrous papule of the nose)です。ニキビができた後が盛り上がったまま残ってしまった、なかなかニキビが治らないといらっしゃる方で、実はこのイボであったことも多いです。線維性丘疹は肌色や褐色、白色、赤色など様々な色のことが多く、1~5mmくらいの大きさで盛り上がった少し硬いイボになります。表面は滑らかでごつごつしていません。見た目から診断名は線維性丘疹になりますが、病理検査的な分類は血管線維腫(けっかんせんいしゅ)になります。顕微鏡でみると、血管と線維(コラーゲン)が増えたできものなので血管線維腫と分類されます。
良性であり、悪性化はありませんが、自然に消えることはあまりないため、治療を希望される方も多いできものになります。
鼻のイボができる原因
原因ははっきりわかってはいません。ニキビや摩擦などの刺激、紫外線、遺伝的なものが原因と考えられています。
線維性丘疹と似ている症状について
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)
ニキビ跡や傷跡が盛り上がって治ったもので、肌色をしています。鼻周りにもよくみられます。気になる方はステロイド注射で治療します。
色素性母斑(ホクロ)
盛り上がるホクロは黒色だけでなく、肌色のこともあります。ダーモススコピーで見分けることができます。ホクロについてはこちらでも解説しています。 大きさに応じてサージトロンやメスで切除します。
脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)
皮脂腺が増えてできたイボで、白色から黄色です。よくみると中央が少し凹んでいることが多いイボです。脂腺増殖症についてはこちらでも解説しています。こちらもサージトロンで除去することが多くなります。
稗粒腫(はいりゅうしゅ・ひりゅうしゅ)
角質の塊が入った白いできものです。細い針で穴を開け、比較的簡単に除去することができます。稗粒腫についてはこちらでも解説しています。
鼻のイボの治療法
線維性丘疹は、1~3mmのことが多く、サージトロンでの除去がおすすめです。他にはメスによる切除も可能です。液体窒素治療はあまり効果がないためおすすめではありません。
サージトロンでの除去後は、2週間ほど茶色のテープを貼り皮膚を再生させます。術後赤みが出ますが、3か月ほどで消えていきます。
サージトロンによるイボ除去はほくろ除去と同様なのでこちらもご参照ください。
当院の症例
【30歳代男性】鼻の線維腫丘疹(血管線維腫)
鼻の線維腫丘疹をサージトロンにて除去しました。
施術後6か月後できれいに除去できています。
【施術】サージトロンによるイボ治療
【費用】1つ (3mm未満)10,780円 (税込)本施術では総額10,780円(税込)
※症状によっては保険適用で除去できる場合があり、保険適用の場合約7,000円〜14,000円 (3割負担)となります。
【副作用・リスク】内出血・腫れ・再発など

よくある質問
除去後に跡は残りますか?
1~3mmと比較的小さいイボになるので、サージトロンで除去する場合、跡は残りにくいです。赤みは3か月ほどでることもありますので早く消えるように術後紫外線ケアをおすすめしています。
他のイボとの違いはなんですか?
線維性丘疹はドーム状に盛り上がったイボで、表面が滑らかです。色味も均一で、他のホクロやイボと見分けることができます。
放っておいてもいいですか?
良性なので問題ありません。ただ自然に消えることはなかなかなく、除去を希望される方も多いイボです。
まとめ
鼻のイボが気になり受診される方も多いです。線維性丘疹のこともあれば、ホクロや脂腺増殖症、稗粒腫などのこともあります。当院では皮膚科専門医が正しい診断をし、適切な治療をおすすめします。イボが気になる、などありましたらお気軽にご相談ください。