血管腫(赤あざ)

血管腫(赤あざ)とは

血管腫は「血管が増えてできたできもの」です。血管が増えるだけでなく、血管が広がって赤く見えるものも含まれています。一般的には赤く見えるため「赤あざ」と呼ばれています。血管腫の中には、単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)、さくらんぼ血管腫、くも状血管腫などがあります。どれも良性のものになります。

単純性血管腫

単純性血管腫は、皮膚の浅いところで細い血管が増えたものです。生まれつきあり、境界がくっきりしています。年をとると色が濃くなり、少し盛り上がることがあります。特殊なものとしては、生まれつき顔の真ん中付近に淡いぼわっとした赤みとしてでることがあり、これらはサーモンパッチといいます。新生児の20~30%くらいにみられ、2歳くらいまでに消えるお子さんがほとんどです。消えない場合はVビームによる治療も行うことがあります。また首の後ろに生まれつきあるタイプは、Unna母斑(うんなぼはん)といい消えにくい特徴をもちます。

乳児血管腫

乳児血管腫は、以前はその見た目からいちご状血管腫と言われていました。生後3~4週くらい赤みがでて、それが徐々に拡大して3~6ヶ月で赤い盛り上がりとなります。新生児の1%くらいにみられるとされます。徐々に盛り上がった後は、小さくなっていきます(退縮期)。盛り上がりや小さくなる程度は個人差が大きく、それを見極めて治療をしていくことが大切です。

さくらんぼ血管腫

さくらんぼ血管腫は、別名老人性血管腫になります。「老人性」とつきますが20歳台からできる赤いほくろのようなものです。体などに少しずつでき、加齢により更に増えていきます。

くも状血管腫

くも状血管腫は、中心部にぽつっとした赤い盛り上がりがあり、周りに放射状に細い血管が広がっているものです。クモが長い足を広げたようにみえるのでこの名前がついています。

治療法について

Vレーザー

血管腫は血管が増え、広がっているので血管が治療のターゲットとなります。レーザーの機器はたくさん世の中にありますが、血管をターゲットにした機器は少なく、Vビームが最も適したレーザー機器になります。Vビームは595nmという波長のレーザーで、皮膚の奥に届き、また血管の赤み、つまり赤血球に反応するレーザーになります。レーザーの光が赤血球に吸収され、血管を焼いてなくすことができます。単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)、毛細血管拡張症は保険適用でVビーム治療が受けられます。保険適用で3ヶ月に1度照射ができ、5回程度治療することが一般的です。1回の照射で完治はできませんが、繰り返しレーザー治療を行なって血管の赤みを目立たないようにしていきます。1回あたりの治療費が保険適用で3割負担の場合、6,500円から32,000円程度で治療範囲により費用が異なります。都内の場合、中学生までは公費負担により無償でレーザー治療を受けられます。

単純性血管腫は、成長によって消えることがなく徐々に厚みもでてくるため、早めの時期からのレーザー治療がおすすめです。特にお子さんのうちに治療すると、皮膚が薄いためレーザーが届きやすく治療効果が高くなります。当院では生後1ヶ月未満のお子さんも治療を開始することがあります。大人の単純性血管腫についても保険適用でレーザー治療ができますのでお気軽にご相談ください。

乳児血管腫の治療は、盛り上がりや大きくなるスピードによって変わりますが、Vビームによるレーザー治療とヘマンジオルシロップ(プロプラノロール)の飲み薬がメインになります。昔はwait and seeといい治療をしないこともありましたが、傷跡が残ってしまうので現在では傷跡ができるだけ残らないように治療する場合が多くなります。Vビームは厚みが少ない時に特に効果があります。赤みを早く減らす効果も高いため、Vビームで早めの時期から治療を開始することも多いです。顔など跡を残したくない場所や傷ができやすい場所に乳児血管腫がある時は総合病院や大学病院に紹介しヘマンジオルシロップの治療をすることもあります。注意点を守れば比較的安全に飲めるお薬になります。

さくらんぼ血管腫やくも状血管腫についてもVビームレーザーを1~2回行うと消えることが多いので当院にご相談下さい。

当院の症例

症例1 【0歳女児】右大腿の乳児血管腫(いちご状血管腫)

右大腿の乳児血管腫

生後1ヶ月の頃から右大腿の乳児血管腫に対してVビーム照射を4回行いました。赤みも消え目立たなくなっています。

施術 Vビームレーザー治療
費用 約6,500円~32,000円(税込)
保険診療3割負担の場合(照射面積で変わります)
本施術では総額約6,500円(税込)
副作用・リスク 腫れ・内出血など

症例2 【0歳男児】左足の乳児血管腫(いちご状血管腫)

左足の乳児血管腫

生後2ヶ月の頃から左足の乳児血管腫に対してVビーム照射を2回行いました。赤みも消え目立たなくなっています。

施術 Vビームレーザー治療
費用 約6,500円~32,000円(税込)
保険診療3割負担の場合(照射面積で変わります)
本施術では総額約6,500円(税込)
副作用・リスク 腫れ・内出血など

症例3 【8歳男児】鼻の毛細血管拡張症(くも状血管腫)

右大腿の乳児血管腫

鼻の毛細血管拡張に対してVビーム照射を行いました。筋状の血管が目立たなくなっています。

施術 Vビームレーザー治療
費用 約6,500円~32,000円(税込)
保険診療3割負担の場合(照射面積で変わります)
本施術では総額約6,500円(税込)
副作用・リスク 腫れ・内出血など

症例4 【30歳代男性】お腹のさくらんぼ血管腫

お腹のさくらんぼ血管腫

お腹のさくらんぼ血管腫に対してVビーム治療を行いました。施術後1ヶ月後で少し色素沈着がでていますが、血管腫がなくなっています。

施術 Vビームレーザー治療
費用 1つ 4,400円(税込)
本施術では2つ・総額8,800円(税込)
副作用・リスク 腫れ・内出血など

小さいお子様のレーザー治療

単純性血管腫や乳児血管腫などの赤アザで治療を迷われている方も多いと思います。血管腫は、異所性蒙古斑や太田母斑などの青アザと同様、年齢が低いほどレーザーの効果が高いため早い時期からのレーザー治療をおすすめしています。年齢が低いほどレーザー効果が高いのには理由があり、肌が薄いため深くまでレーザーが届くこと、成長すると肌がのびて血管腫が大きくなってしまうため早い時期の方が狭い範囲ですむこと、幼稚園や保育園が始まると日焼けしやすくなるために日焼け対策がしやすい乳児期の方が副作用が出にくいこと、3歳以上になってしまうと場合によってはレーザー治療に全身麻酔が必要になってしまうことが挙げられます。

当院では生後1ヶ月前のお子さんから近隣小児科よりご紹介を頂きレーザー治療を開始しております。お子さんのことでご不安なことも多いとも思いますが、お気軽にご相談ください。

まとめ

赤あざ治療のご相談は上野御徒町ファラド皮膚科へ

私は東大病院皮膚科にてレーザーの専門外来を担当しており、多数の赤あざ・血管腫の治療歴があります。そのような経験からレーザー医学会のレーザー専門医も取得しております。Vビームレーザーは設定も難しいレーザーですが、当院では患者様に合った設定でレーザー治療を行っております。是非、赤あざや血管腫でお悩みの方は当院でご相談ください。

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