イソトレチノインとは??
イソトレチノインはビタミンA誘導体であり、
海外では重症のニキビの患者様によく使われるお薬になります。
保険適用の様々なお薬を使ってもなかなか治らないニキビの方には
とてもいい治療の選択肢になります。
特にお薬が届きにくいしこりニキビ(嚢胞性ざ瘡)にも効果があります。
商品名としてはアキュテイン、ロアキュタン、イソトロインなどがあります。
イソトレチノインはどうやってニキビに効く??
ニキビは、男性ホルモンなどによって皮脂分泌が増え、毛穴詰まりが起き、 アクネ菌が増えやすい環境になりニキビができてしまいます。 イソトレチノインは皮脂の分泌を強力に抑える効果や、 毛穴まわりの角質詰まりを抑える効果があり、ニキビにとても有効です。
イソトレチノインはどのくらいの期間内服する??
イソトレチノインの最大の特徴は、飲んで数ヶ月してニキビがよくなった場合、
飲むのをやめてもニキビができにくい状態が続く場合が多いことです。
肌質そのものを改善させる効果が期待できます。
内服期間と内服量が多いほど飲み終えた後の効果持続期間が伸びますので、
最低4ヶ月は飲むことをおすすめしています。効果とその後の肌質改善含め、
6ヶ月内服する方が多くなります。
欧米人のデータですと、トータル内服量が120-150mg/kgにいくと
内服終了後もニキビが再発しにくいとされています。
1日20 mgから始め、治療効果をみながら40 mg増量することもあります。
場合によっては一日おきに飲む飲み方もあります。
イソトレチノインの効果はいつから出る??
イソトレチノインは、1ヶ月後に皮脂が減ってきたことを実感できます。 1ヶ月後に効果を実感される方もいますが、 2~3ヶ月内服しニキビがよくなってくることも多くなります。
イソトレチノインを飲み終わった後はどうなる??
イソトレチノインを、4~8ヶ月内服した後はニキビができにくくなります。 元々、ニキビがとてもできやすい方は、 その後も維持療法としてぬり薬のニキビ治療をおすすめしています。 ベピオ、ディフェリン、エピデュオなど保険適応のお薬が基本となります。 まれにニキビが再度悪化し、 数ヶ月追加でイソトレチノインを飲まれる患者さんもいます。
イソトレチノインの副作用は??
基本的には飲み方と注意点を守っていただければ
それほど心配することはありません。
海外では、専用のプログラムが組まれ、守ることが決められています。
また海外ではかなり昔から多くの方に使われてきたお薬ですので
注意点や安全性も確立しています。
ポイントとしては、妊娠を希望される若い女性の場合は注意が必要です。
イソトレチノインをはじめビタミンAを含んだ系統の薬では
妊娠がおすすめされません。
内服した場合、内服中はもちろん、内服終了から女性では1ヶ月、
男性では内服中は避妊を徹底する必要があります。
他の副作用としては、乾燥症状があります。
特に唇の乾燥が強く出る方が多いのでワセリンなどで頻繁に保湿をしてください。
唇の乾燥症状が出る方は、
イソトレチノインの効果も実感しやすいという研究結果もあります。
また乾燥症状は手足にもでることがあります。
肝機能異常や中性脂肪の上昇もみられることがまれにありますので、
当院では定期的な採血を行い安全に飲めるように配慮しています。
ごくまれなものでは、関節痛、頭痛、脱毛、
うつ病(現在は関係ないとのデータも)、
炎症性腸疾患(現在は関係ないとのデータも)などがあります。
避妊さえ気をつければ大きな副作用は通常出現しませんので、
重症のニキビでお悩みの方は是非当院にご相談ください。
イソトレチノインの値段は??
海外では保険適用となり病院で処方されるお薬ですが、 日本では保険適用外のお薬になります。 当院でも自費診療となり1日1錠の20 mg/日で 30日分を16,500円(税込み)で販売しています。
イソトレチノインの効果が出にくい人はいる??
飲み始めの時に微小面ぽう(目に見えないくらい小さなニキビの赤ちゃん)が多い、 男性ホルモンが多い、重症ニキビなどが言われています。 遺伝子的に効きやすい・効きにくい、また吸収しすい・吸収しにくいなども 効果を決めていますが、薬の効きや吸収がいいかは 口唇の乾燥・皮むけ度合いで確認できます。
まとめ
当院ではイソトレチノインの処方を行っています。
ニキビで悩んでおり、ぬり薬でなかなかよくならない患者様には
とてもよい選択肢になると思います。
大きいニキビができてしまうと、ニキビの跡も残りやすいため、
ニキビを作らない治療を強化することが大切と考えております。
なかなか治らないニキビでお困りの方は是非ご相談ください。