マラセチア毛包炎

マラセチア毛包炎とは

マラセチア毛包炎は、背中や胸などにできるニキビのような赤いポツポツです。ニキビに似ていますが少し違います。

肌にはマラセチアというカビ(真菌)が住んでいて、汗や気温の上昇によって毛穴で増えてしまいニキビのような赤いポツポツを作ってしまいます。

汗が原因になるため、特に夏に多い特徴があり、また若い方に多い傾向があります。

マラセチア毛包炎の原因

マラセチア菌(Malassezia. globosaM. restricta)という肌の常在菌が、普段は悪さしませんが、汗や高温で増えてしまい赤いポツポツであるマラセチア毛包炎になります。

アトピー性皮膚炎の方がステロイド薬による湿疹の治療をしてマラセチア毛包炎になってしまうこともあります。

マラセチア菌は、体に癜風という茶色い斑点のような症状を起こすこともあります。

マラセチア毛包炎の症状

普通のニキビ(尋常性ざ瘡)とは違い、胸や背中など体幹部に多くみられます。5mmまでの赤いポツポツで、少しかゆみがあることがあります。

ニキビとは違い、ポツポツの大きさがそろっており、1つ1つが独立してみえますのでモノトーンな印象を受けます。

ニキビ(尋常性ざ瘡)では、赤ニキビや白ニキビなどいろいろなニキビが混ざりますので見分けるポイントになります。

マラセチア毛包炎の診断

比較的同じ大きさの赤いポツポツが汗の多い背中や胸の中心にみられることで診断することができます。

また赤いポツポツの中身をピンセットで軽くつまんで顕微鏡でみることでマラセチア菌の胞子を確認することができ診断することができます(2)。

マラセチア毛包炎の治療

マラセチア毛包炎は、抗真菌薬の塗り薬や飲み薬で治療します。塗り薬では、ニゾラールクリームやローションを使用します。

飲み薬では、イトリゾール(イトラコナゾール)を使用します。症状が強い場合は飲み薬で治療することも多いですが、肝障害などの副作用に注意しながら治療していきます。

治療期間としては4週間ほど必要な場合が多くなります。

マラセチア毛包炎の予防方法

通気性のいい洋服を選ぶ

汗を多くかくことで菌が増えてしまうため、通気性がよく汗をかきにくい服装をこころがけましょう。汗で洋服がぬれてしまった場合は早めに着替えることや乾かすことが大切です。

汗をこまめにふきとる

汗をかいてしまったらこまめにふきとりましょう。なるべく早くシャワーで洗い流すことも大切です。

抗カビ成分のボディソープを使用する

マラセチア菌に効果のあるミコナゾール硝酸塩配合のボディソープであるコラージュフルフルリキッドソープがおすすめです。
抗カビ成分の濃度はそれほど高くないためにマラセチア毛包炎の治療というより予防として使いましょう。

マラセチアが引き起こす癜風の予防にも有効です。ボディソープはしっかりと泡立ててから、泡で肌を滑らせるようにして洗いましょう。

まとめ

マラセチア毛包炎は夏に多い症状になります。市販のお薬もなかなか効かずに、色素沈着を残してしまうこともありますので、悪化しているときは早めに当院までご相談ください。

参考
(1)Harada K, Saito M, Sugita T, Tsuboi R. Malassezia species and their associated skin diseases. J Dermatol. 2015;42:250-7.
(2)日本皮膚科学会雑誌:132(9),2133-2138,2022

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