脂腺増殖症とは
脂腺増殖症とは、頬やおでこ、鼻にみられる白色~黄色のできものになります。数mmの大きさのこともあれば、5mm以上に大きくなることもあります。よくみると中心部分がへこんでいることがあります。1つだけみられることもあれば、顔にたくさんみられることもあります。患者さんはホクロやニキビ跡だと勘違いしていることも多いできものになります。
脂腺増殖症の特徴
脂腺増殖症は皮脂腺が肌に増えてできた良性のできものになります。ですので、皮脂腺が多い頬やおでこ、鼻に多くみられます。またオイリー肌の方によくみられます。中年以上の成人特に男性に多いのですが、男女問わず20歳代の若い方もできます。
脂腺増殖症は拡大鏡(ダーモスコピー)で観察すると特徴的な血管(crown vessels)がみえ、また皮脂腺が透けて見えて診断できます。
病理検査を行うと肥大した脂腺が毛穴周囲を取り囲むように、ぶどうの房状に増殖しているのがわかります。
脂腺増殖症の原因
脂腺増殖症の原因ははっきりわかっていないものの、紫外線や男性ホルモンなどの皮脂腺への刺激によって皮脂腺が増えできるものと考えられています。また加齢も原因となります。シクロスポリンという免疫抑制剤の飲み薬でもできることがわかっています。
脂腺増殖症と似ているもの
色素性母斑(ホクロ)
ホクロの顔にできるタイプでミーシャ(Miescher)型と言われるホクロは、白~黄色であり脂腺増殖症に似ていることがあります。ホクロでは毛が生えていることもあり、ダーモスコピーで見分けることができます。
脂漏性角化症(老人性イボ)
表面ががさがさしているイボになります。紫外線によってできるのでシミとともにたくさん顔に見られることがあります。
稗粒腫
白い小さいできもので、目の周りにできやすいできものです。細い針を使って比較的簡単に除去することができます。
粉瘤
皮膚に皮脂や角質の入った袋ができてしまうできものです。小さい粉瘤はイボのように見えることがあります。
汗管腫
目の周りにできやすいできもので、目の下に多発することがあります。
脂腺増殖症の治療
脂腺増殖症は基本的に自然に消えませんので治療が必要です。治療方法としては、①手術、②サージトロン・レーザー治療、③イソトレチノイン内服などがあります。液体窒素で治療することもできますが、少し小さくなるだけで除去はできないので当院ではあまりおすすめしておりません。
①手術
5mmより大きい場合に手術で切って縫合することで脂腺増殖症を除去する方法です。脂腺増殖症は、根っこが深いできものになりますので、5mm以上の大きい場合はしっかりと除去しないと再発してしまいます。
②サージトロン治療
5mm未満の大きさの脂腺増殖症はこちらで治療することが多くなります。局所麻酔後に、サージトロンや手術用のハサミ、ピンセットを使い、脂腺増殖症の部分を除去します。術後は、テープ保護が2週間ほど必要です。
当院では、熱ダメージを最小限に抑え傷が目立たなくなるように、サージトロンと手術用ピンセットを使用した特殊な除去の仕方をしております。
サージトロン治療についてはこちらもご参照ください。
③イソトレチノイン内服
ニキビの治療でも使われるイソトレチノインの飲み薬ですが、皮脂腺を小さくする効果が高いため、脂腺増殖症を小さくしたり、なくしたりすることができます。脂腺増殖症が多発し、ニキビも気になる方におすすめです。
イソトレチノインについてはこちらもご参照ください。
当院の症例
【40歳代女性】右頬の脂腺増殖症
右頬の脂腺増殖症をサージトロンにて除去しました。
施術後1ヶ月後で少し赤みが残るのみで除去できています。
施術 | サージトロンによるイボ治療 |
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費用 |
1つ (3mm以上) 10,780円(税込) 本施術では2つ・総額21,560円(税込) |
副作用・リスク | 内出血・腫れ・再発など |
費用 税込です
脂腺増殖症除去(健康保険適用) | 3割負担 約7,000円〜14,000円 | |
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いぼ除去(自費の場合) | 3mm未満 | 2つで 10,780円 |
3mm以上 | 10,780円 |
まとめ
脂腺増殖症は、他のイボやホクロにも似ているため皮膚科で診てもらい診断してもらうことが大切です。良性のできものですが、徐々に大きくなってしまうこともあります。当院でしっかり診断を行い治療していきますので、顔のイボが気になる方は是非ご相談にいらしてください。