紫外線治療(ナローバンドUVBとエキシマライト)

紫外線治療について

全身紫外線装置
エキシマライト

昔から日光浴をすると肌のかゆみや赤みなど皮膚の様々な症状が良くなることがわかっていました。紫外線というといいイメージがないかもしれませんが、治療で使う紫外線治療は、多くの紫外線から副作用の少なく、皮膚の症状をよくすることができる紫外線をとってきて当てることのできる治療になります。 具体的には、紫外線の中でも特定の波長 (311±2nmのナローバンドUVB、308nmのエキシマライト)を当て、皮膚の炎症、かゆみを抑えることができます。
当院では、なかなか治らない皮膚の症状も治療できるよう、 全身型と局所型の紫外線装置を導入しております。 全身型は、全身型ナローバンドUVB装置、局所型はエキシマライト装置になります。
紫外線のメリットは、皮膚の赤み・かゆみを早くおさえる、 ぬり薬でよくならない症状もよくすることができる、 治療効果が持続し再発が少なくなる、ぬり薬を少なくし副作用も少なくすることです。
しっかり効果を出すために、 治療の最初は週1~2回程度治療を行うことをおすすめしています。 症状が改善してきたところで、1週間ごと、2週間ごと、1か月ごとと少しずつ間隔をあけていきます。10~20回ほどで効果を実感することが多く、 まずは10回を目安にしっかり治療していきましょう。
紫外線の当て方としては、少ない紫外線量からあてて、 皮膚の反応や状態をみて少しずつ照射量を増やしていきます。 最初から強い紫外線を当ててしまうと、 皮膚が日焼けのようにひりひりし赤みがでてしまうため、徐々に皮膚を紫外線に慣らしていき紫外線量を上げていきます。 治療当日・翌日に赤みやひりひりが強かった方は、紫外線量の調節を行っていきます。
ぬり薬や飲み薬の治療も並行していくと効果がみられやすいため、 併用をおすすめしています。

紫外線治療が効く仕組み

紫外線がなぜ皮膚の炎症やかゆみに効くかはいろいろな研究結果があります。

  • 制御性T細胞(regulatory T cell, Treg, Tレグ)という 免疫反応のブレーキ役が紫外線治療で増え、 炎症にブレーキをかけてくれる
  • 皮膚の炎症を起こしているT細胞が減る(アポトーシスという細胞死など)
  • 皮膚の免疫に関係しているランゲルハンス細胞、真皮樹状細胞の働きを抑える
  • 炎症を起こすサイトカイン(IL-6など)というタンパク質が減り、 炎症を抑えるサイトカイン(IL-10など)が増える

などがわかっています。

保険適用の症状

ナローバンドUVB治療やエキシマライト治療は、乾癬や類乾癬、掌蹠膿疱症、菌状息肉症、慢性苔癬状粃糠疹、尋常性白斑、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症に保険適用で治療することができます。
また他にも手湿疹、痒疹、扁平苔癬、環状肉芽種など様々な症状にも効果があります。

紫外線治療の費用

ナローバンドUVB治療やエキシマライト治療は、皮膚科光線療法の中波紫外線療法になります。1回の治療費は3割負担の方で1020円の自己負担となります。

紫外線治療が向いていない方

  • 光線過敏がある方(膠原病、色素性乾皮症、ポルフィリン症など)
  • 皮膚がんやその既往がある方(皮膚リンパ腫を除く)
  • 光線過敏を起こす(紫外線で赤くなりやすくなる)お薬を飲んでいる方
  • 免疫抑制剤を内服されている方

紫外線治療のリスクや副作用

  • 一般的な副作用として多いのは、日焼けのような反応で照射した部位が赤くなる、ヒリヒリする、ほてる、かゆみが出る、水ぶくれができるなどがあります。このような副作用がでないように少しずつ照射量を上げて照射していきます。
  • 回数を多く行うと、長期的にはシミやシワなどの光老化が進むことが考えられています。
  • 昔よく使われたUVAやブロードバンドUVBによる治療では照射を多く行うと発がん性のリスクがありました。
    当院で使用しているナローバンドUVBやエキシマライトによる治療は発がん性のリスクは低いと考えられています。

当院での治療の流れ

  1. 診察を行い紫外線治療が適しているか、患者様の希望にそえるか相談・診察します。
  2. 病変の部位や状態、大きさによってナローバンドUVBによる全身照射か、 エキシマライトによる部分照射かを決定します。
  3. 紫外線治療装置のある処置室へご案内して治療を開始します。 治療中は紫外線から目を保護するため専用のサングラスをご用意しています。
  4. 1回の治療時間は範囲や症状によって異なりますが、ナローバンドUVBは5分程度、エキシマライトは1箇所につき数秒です。 照射が終わりましたら待合室でお会計をお待ちいただきます。

よくある質問

紫外線治療は毎日できますか?

例えばアトピー性皮膚炎の方は、入院した上で毎日紫外線治療を行うこともあります。毎日紫外線治療することは可能ですが、保険適用の場合は制限がありますので診察でご相談ください。

顔を当てたくないのですが顔以外だけ当てることは可能ですか?

顔以外を当てることも可能です。全身型ナローバンドUVBで行う場合は紫外線をカットできるタオルなどで顔を覆います。ご自宅からタオルを持参される方もいらっしゃいます。

頻繁に通わないといけないのでしょうか?

治療のはじめは週1~2回程度行うことがおすすめですが、2週間ごとの治療など無理なく治療していく形でも効果はあります。

まとめ

紫外線治療は、塗り薬でなかなか治らなかったアトピー性皮膚炎や乾癬、手湿疹など様々な症状におすすめできる治療です。上野や御徒町で紫外線治療をお探しの方は当院にお気軽にご相談ください。

【参考文献】

  • アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024 日皮会誌:134(11),2741-2843,2024
  • 尋常性白斑診療ガイドライン第 2 版 2025 日皮会誌:135(3),485-525,2025
  • 乾癬の光線療法ガイドライン 日皮会誌:126(7),1239-1262,2016
  • Vieyra-Garcia PA, Wolf P. Pharmacol Ther. 2021;222:107784.

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