金属アレルギー

金属アレルギーについて

ピアスにかぶれた、ネックレスにかぶれたなど金属にかぶれる方は多くいらっしゃいます。 金属アレルギーは2つに分けられ、いわゆるかぶれ(接触性皮膚炎)を起こす金属接触アレルギーと、食べものや歯科金属に含まれる金属を、口の粘膜や消化管から吸収し湿疹など様々な発疹を起こす全身型金属アレルギーがあります。

かぶれ(接触皮膚炎)についてはこちらのページも参照ください。

金属接触アレルギー いわゆる金属かぶれ

身の回りには、ピアスやネックレスなどのアクセサリー、コイン、時計、生活用具、工具、器械など金属を含むものが多く存在します。これら金属が肌に接触するとかぶれの湿疹が起きてしまうことがあります。
金属アレルギーの検査であるパッチテストの陽性率をみると、日本では
1位 ニッケル
2位 コバルト
3位 金
4位 水銀
5位 クロム
の順でアレルギーの方が多くなります。

ニッケルアレルギー

ニッケルは非常に多くのものに使われています。腕時計、バックル、イヤリング、ピアス、ネックレス、乾電池、コイン、ビューラー、ハサミなど多数のもの使われており、その分肌に触れることも多く、かぶれてしまう方が多くなります。暑い季節に長時間接触することや、湿疹や肌荒れした皮膚に金属が触れることはアレルギーになってしまうため避けましょう。

コバルトアレルギー

コバルトはニッケルメッキされたものにはほとんど含まれており、また青色顔料(コバルトブルー)や緑色顔料(コバルトグリーン)など顔料にもよく使われています。近年、ヨーロッパで革製品から高頻度にコバルトが検出されて、コバルトの感作原となっていると考えられています。

クロムアレルギー

クロムは、合金やクロムメッキ製品、革製品など広く使用されています。また強感作性といってかぶれやすい物質になります。また色の濃い衣服の染料としても使われており、下着かぶれの原因がクロムであることがあります。

金アレルギー

金は貴金属で、耐食性が高く安定しており、難溶性でイオン化しにくい金属です。しかし、ピアスの流行によって、金アレルギーが増えました。金と皮膚が直接長時間接触することで、金が溶け出し、アレルギーになってしまいます(感作といいます)。ピアス、イヤリング、ネックレスや歯科金属に使われます。

全身型金属アレルギー

金属アレルギーの一部の患者さんでは、食べ物や歯科金属に含まれる微量な金属を、口の粘膜や消化管から体内に吸収し様々な発疹がでることがあります。金属のパッチテストで陰性でも、金属を内服して皮膚症状が悪くなるかみる内服テストが陽性になることもあります。
ニッケル、クロム、コバルトはチョコレート、ココア、豆類、香辛料、貝類、レバー、胚芽などに多く含まれます。歯科金属は、パラジウム、金、水銀、錫などを含み、歯列矯正用にはニッケル、クロム、コバルトが含まれます。これら金属は、粘膜や消化管から吸収され、汗、尿、便に排泄されます。金属に全身型アレルギーのある方では、その金属が体に吸収されることで、汗疱状湿疹、慢性多形痒疹、掌蹠膿疱症、扁平苔癬、Pseudo-atopic dermatitis
といった皮膚炎が起こります。特に汗疱状湿疹は最も頻度が高いものです。汗疱状湿疹は水ぶくれをもったかゆみのある湿疹が手のひらや足のうらにでます。手のひら、足のうらは汗を出す汗管が最も密に分布し、汗の中の金属濃度がもっと高い部位であるため症状がでやすいと考えられています。

金属アレルギーの診断

金属アレルギーの検査は基本的にはパッチテストで行います。全身型金属アレルギーを疑った場合は、金属内服テストを行う場合もあります。

パッチテストについてはこちらのページもご参照ください。

パッチテストは、背中や腕にパッチテストパネルを貼り、48時間後(day2)にはがし、はがした日とその24時間後(day 3)、120時間後(day 7)に判定します。判定は基準があり、International Dermatitis Research Group(ICDRG)基準というものを使います。Day 7までの判定が必要で、まれにday 7に陰性であっても1ヶ月後に陽性になることもあります。

それまで小臼歯にしか保険適用が認められていなかったCAD/CAM冠が、金属アレルギーの診断書があれば大臼歯にも保険適用となり、硬質レジンジャケットとともに保険で使用できるようになりました。それにともなって金属パッチテスト目的に紹介頂く患者さんも増えております。

金属アレルギーの治療

金属によるかぶれ症状が出た場合は、原因を特定して避けます。かぶれの場所にはステロイドのぬり薬を使用します。かぶれは一時的な強い炎症ですので、しっかり炎症を取れるお薬を場所や症状の強さに合わせて処方致します。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬というかゆみ止めの飲み薬を使用することもあります。
汗疱状湿疹など全身型金属アレルギーの患者さんには、食品中や歯科金属からの金属の摂取を制限することもあります。ニッケル、クロム、コバルトはほとんどの食品に含まれていますが、チョコレート、ココア、豆類、香辛料、貝類、レバーなどに多く含まれるため制限します。またステンレス調理器具やニッケルメッキの調理器具からニッケルが溶け出すことがあり注意が必要です。歯科金属については、金属除去について歯科医の先生と相談させていただくこともあります。

まとめ

金属かぶれで多いのは、ニッケル、コバルト、クロムです。かぶれが心配な方は当院にお気軽にご相談ください。

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