アトピー

2023.01.30 アトピー

大人になってからアトピーになる人増加中|大人アトピーの原因や特徴、治療方法をご紹介

アトピー性皮膚炎は幼少期に発症し、年齢が上がるにつれて改善する傾向があります。

しかし、一部は大人になっても症状が続く場合や、大人になってからアトピー性皮膚炎を発症するケースもあり、治すことが難しいと考えられています。

今回は、大人のアトピー性皮膚炎の原因や特徴、治療法などをご説明します。

 

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚疾患です。

アトピー性皮膚炎の人の肌はバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱く、肌が乾燥しやすい状態にあります。


バリア機能が低下した皮膚は、細菌やウイルスなどの刺激を受けやすくなっています。

湿疹は、赤みがある、引っかくと液体が出てくる、肌がごわごわして硬くなるなどの特徴があります。


また広範囲に左右対称に発症することが多く、年齢によって湿疹が出る部位が異なります。

一般的には子どもの頃に発症し、成長するにしたがって改善していくと考えられています。

 

大人になってからなるアトピー性皮膚炎の特徴

大人も子どももかゆみを伴う湿疹が現れますが、大人の場合は顔、首、背中、胸などの上半身に湿疹が出る傾向があります。

また生活習慣やストレス、妊娠、出産などの環境的な変化などにより、大人になってからアトピー性皮膚炎になる人もいます。


大人になると通院を続けることが難しくなることや、ライフスタイルの変化などにより、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、なかなか改善しないこともあります。

 

大人のアトピーの原因

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能低下とアトピー素因が関係しています。

皮膚は外側から表皮・真皮・皮下組織からなり、表皮が外部からの刺激や細菌、ウイルスなどの侵入を防ぐ役割を担うバリア機能を果たしています。

バリア機能低下は細菌やウイルスなどのアレルゲンが侵入しやすくなると考えられています。


大人の場合のアレルゲンとして、ダニやペットの抜け毛などのハウスダスト、花粉などがあげられます。

またかゆみが悪化する原因には、空気の乾燥・温度、香料、飲酒、ストレス、衣類による摩擦などがあります。

特に都内では湿度が年々下がっており、乾燥が強くなっています。

さまざまな要因が複雑に関わっているため、一つの要因を取り除いても改善しないことが多いです。


また内因性アトピー性皮膚炎という、金属アレルギーが関係しているアトピー性皮膚炎もみられます。

内因性アトピー性皮膚炎は成人の女性に多く、70~80%の患者さんが女性です。

ニッケル、コバルト、クロムに対してアレルギーをもっていることが多いタイプになります。

 

大人のアトピー性皮膚炎の対策

アトピー性皮膚炎の治療は、薬物療法が中心です。

薬物療法を行いながら、日常生活では保湿や環境を整えることが重要です。


アトピー性皮膚炎は花粉やハウスダスト、金属や香料などが原因となることがあります。

また、衣類による摩擦、唾液や汗などで悪化することもあります。


医師と相談の上で、アレルゲンを避けるようにし、刺激の少ない衣類を選ぶ、唾液や汗はすぐに拭きとるとよいでしょう。

日常生活の中でできる対策として、主に以下のようなことがあげられます。

  • 皮膚の清潔を保つため、こまめに着替える
  • 保湿を十分に行い、肌の乾燥を防ぐ
  • 掃除をこまめに行う
  • 栄養バランスのよい食事をとり、十分な睡眠時間を確保する
  • 直接肌に触れる下着類は、肌にやさしい素材を選ぶ
  • 花粉の時期は、できるだけ窓を開けずに空気清浄機などを活用する
  • 乾燥の季節は部屋の加湿を行う

 

大人アトピーの治療法

アトピー性皮膚炎による薬物療法は、塗り薬が中心です。

アレルギー反応による炎症が改善することにより、バリア機能の低下を防ぎ、かゆみも和らぐとされています。

 

保湿剤

皮膚のバリア機能が低下しないように、保湿剤で肌にうるおいを与えます。

軟膏、ローション、クリーム、泡タイプの4種類があります。

医療機関では症状や部位に応じて、ヒルドイドやワセリンなど適切な保湿剤を処方します。

 

塗り薬

基本的には、ステロイド薬による治療をします。

ステロイド薬は湿疹の重症度によって使い分けます。

また決められた期間に決められた量を使用することによって湿疹が改善し、弱いステロイド薬に変更することも可能です。


お薬を塗っても効果が実感できない、という場合にうまくぬり薬が塗れていないことがあります。

当院ではステロイドの塗り方指導も行っていますので、ご希望の方はご相談ください。


ステロイド薬以外にも、炎症を抑える成分が配合された薬を使用することがあります。

プロトピック、コレクチム、モイゼルト軟膏です。

一般的にはステロイド薬よりも優しい効果ですが、長期間ステロイド薬を使用することによる副作用がないことが特徴です。

 

紫外線療法

塗り薬による改善が見られない場合には、紫外線療法を行うことがあります。

紫外線療法とは、さまざまな皮膚疾患の治療法の一種です。


特殊な波長の光を皮膚に当てることで、細胞増殖や免疫疾患を抑制する効果があるとされています。

基本的には、治療用の紫外線を当てることによる皮膚がんのリスクは上がらないことが知られています。


アトピー性皮膚炎のほか、円形脱毛症や乾癬、白斑などの皮膚疾患に有効と考えられており、保険適応で治療が可能です。

当院では全身型紫外線治療装置と局所型紫外線装置(エキシマライト)を完備しております。

塗り薬で改善しない湿疹は当院にご相談ください。

 

飲み薬

アトピー性皮膚炎の症状が強い場合は、飲み薬を使用することがあります。

花粉症の治療でも使用される抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬によって、アトピー性皮膚炎によるかゆみを抑えます。

また炎症を起こしているサイトカインを抑制する内服薬もあります。

 

注射

塗り薬や飲み薬などを服用しても効果が得られない場合、注射薬を検討することがあります。

アトピー性皮膚炎によるかゆみを改善すると考えられています。

 

料金

基本的に、アトピー性皮膚炎の治療は保険適用です。

一部、治療内容によっては自由診療になることがあります。

 

大人のアトピー性皮膚炎の治療はファラド皮膚科へ

アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返し、治すことが難しい疾患のひとつです。

大人になってからのアトピー性皮膚炎を改善したい方は、当院へお気軽にご相談ください。


院長は東大病院でアトピー性皮膚炎専門外来を行っていた経験があり、塗り薬の塗り方指導や、治りにくい湿疹に対する紫外線治療などアトピー性皮膚炎の治療に力を入れております。

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