異所性蒙古斑

異所性蒙古斑とは

異所性蒙古斑

異所性蒙古斑とは、「異所性(通常と違う所)」にみられる蒙古斑のことです。通常の蒙古斑は生まれたお子さんのお尻にみられるグレーから青色の色素斑のことです。英語でMongolian spotといい黄色人種のほぼ100%にみられます。生後2年くらいで最も目立ちその後時間と共に消えていきます。10歳までにほとんどがきえていきますが、4%の方で成人まで残ると言われています。
蒙古斑はお尻以外にも腰によく見られ、お尻や腰に見られる蒙古斑は通常の蒙古斑と呼ばれます。

一方で、お尻や腰以外に同様の青色の色素斑がみられた場合は異所性蒙古斑といわれます。手足に多く見られ、顔や体にもみられます。
蒙古斑、異所性蒙古斑共に時間の経過とともに薄くなっていきますが濃いものは目立たなくなるほどには薄くならなかったり、中にはしつこく色味が残ったりする蒙古斑もあります。通常の蒙古斑に比べて異所性蒙古斑は消失するのが遅く、大人になっても残ってしまうものも多いです。特に、「多発」、「濃い」、「10cm以上」、「境界がくっきり」してみるものは色が薄くなりにくいことがわかっています。
そういった消えにくい異所性蒙古斑に対してはレーザー照射を行うことで薄くなるのを後押ししたり、成人になってしつこく残っている異所性蒙古斑に対してQスイッチレーザーで蒙古斑を薄くしたりすることが保険適用で可能です。

異所性蒙古斑の原因

異所性蒙古斑の原因

異所性蒙古斑は皮膚のやや深いところ(真皮)にメラノサイトというメラニンを作る細胞がいます。深いところにメラニンがあるために青みがかった色にみえます。

異所性蒙古斑の治療

お子さんに見られる薄い蒙古斑は時間と共に薄くなっていくので時間を待ちます。お子さんの濃い蒙古斑や、成人しても残っている異所性蒙古斑については薄くなりにくいのでレーザー治療を考えます。
レーザー治療はポイントがいくつかあります。まずお子さんの年齢が低いほうが、皮膚が薄いためレーザーの治療効果が高くなります。また小学校に入るとプールやクラブなど野外活動が増え、日焼けしやすくなり、日焼けした皮膚にはレーザーのトラブルが増えてしまうためレーザーを避けることが必要となってしまいます。ですので、日焼け対策ができ、皮膚が薄く、蒙古斑の色味が濃い時期、幼児期にレーザー治療を行うことが効果を高めるポイントとなります。また異所性蒙古斑は他のあざやシミに比べ、レーザーによる色素沈着が起こりやすいためレーザー後も紫外線対策をしっかり行い、色素沈着に注意して治療を行っていきます。

当院の治療方法

メラニンをピンポイントで破壊するQスイッチレーザーによる治療を行います。皮膚の深いところに増えているメラニン色素をもったメラノサイトという細胞を除去するのが目的です。
保険診療にて3ヶ月以上の間隔をあけて複数回のレーザー照射を行います。
色素沈着の具合や薄くなる速度をみて、半年間隔をあけることもあります。
シミ取りレーザーの時では、シミはかさぶたとともに2週間ほどで取れます。異所性蒙古斑では、レーザー治療を行った後、ゆっくり壊されたメラニン・メラノサイトがマクロファージという肌のお掃除部隊によってお掃除され薄くなっていきます。

お子さんの場合

蒙古斑は時間と共に薄くなっていくので、濃さや場所を考え、成長によっても薄くならない蒙古斑にレーザー治療を行います。レーザー治療を数回行い、少しずつ薄くしていきます。レーザー治療だけで完全に薄くするというよりも、成長に従い薄くなる分を考えながらレーザーをうまく利用し消していきます。

蒙古斑の時間経過
成人の場合

しつこく残っている異所性蒙古斑の場合はある程度しっかりした回数で目標の薄さまで照射を行います。
日焼けや色素沈着している場合は、皮膚の浅いところ(表皮)にもメラニン色素があるため、レーザーが反応してしまいやけどを起こしてしまうことがあります。ですので、レーザー照射前後には日焼けをしないように十分注意が必要です。
また、照射でダメージを受けた表皮のメラニン色素が戻るまでに次の照射を行うと色素脱失となってしまいます。その予兆が見られた場合は照射間隔を3ヶ月より長く取り、表皮のメラニン色素の回復期間を設けることで副作用が出ないようにしています。

診察をご希望の方

レーザーで異所性蒙古斑の治療をご希望の場合は一度診察を行ってから、レーザー治療の説明を行い施術していきます。表面麻酔によって痛みを和らげることも可能ですのでご安心ください。

当院の症例

症例1 【0歳5ヶ月女児】右下腿の異所性蒙古斑

右下腿の異所性蒙古斑

生まれつき右足に青あざがありレーザー治療をご希望されました。Qスイッチルビーレーザーを3ヶ月ごと2回照射し異所性蒙古斑が薄くなっています。

費用 Qスイッチルビーレーザーによる右下腿の異所性蒙古斑 約6,000円(保険適用3割負担)
(本症例では、総額約12,000円)
副作用・リスク 痛み・赤み・水疱形成など

症例2 【1歳女児】右上腕の異所性蒙古斑

右上腕の異所性蒙古斑

生まれつき右腕に青あざがありレーザー治療をご希望されました。Qスイッチルビーレーザーを3ヶ月ごと2回照射し異所性蒙古斑が薄くなっています。あとは成長に従って薄くなるのを待つ方針です。

費用 Qスイッチルビーレーザーによる右上腕の異所性蒙古斑 約7,000円(保険適用3割負担)
(本症例では、総額約14,000円)
副作用・リスク 痛み・赤み・水疱形成など

レーザー治療後のケア

レーザー治療後は肌が色素沈着しやすい状態となります。色素沈着の茶色はレーザーに反応してしまうために、色素沈着しているとレーザーができなかったり副作用が出やすくなります。当院では、レーザー治療後にエアウォールUVの使用をおすすめしています。とても薄い日焼け対策シートで、日焼け止めクリームのような効果のムラがでません。その上からファンデーションを塗ることも可能ですので是非活用ください。

レーザー治療の費用について

照射面積で料金が変わります(保険診療で3割負担の場合)
都内の場合、中学生までは公費負担により無償でレーザー治療を受けられます。

4cm²以下 約6,000円
4~16cm² 約7,100円
16~64cm² 約8,700円
64cm²以上 約12,000円

アクセスガイドAccess

  • 〒110-0005
    東京都台東区上野3丁目27-1 十仁タワー 7階
    • 電車をご利用の方
    • JR「御徒町駅」南口徒歩10秒
    • 東京メトロ銀座線「上野広小路駅」A1出口徒歩1分
    • 都営大江戸線「上野御徒町駅」A1出口徒歩1分
    • 東京メトロ日比谷線「仲御徒町駅」A6出口徒歩1分
    • 東京メトロ千代田線「湯島駅」出口6徒歩6分
    • 京成本線「京成上野駅」東京メトロ線連絡通路を通り
      A1出口徒歩1分
    • お車をご利用の方
    • 専用駐車場はございませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。

© 上野御徒町ファラド皮膚科