ヘルペス(単純疱疹)とは
「ヘルペス」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。唇のまわりにできる「口唇ヘルペス」が多いのですが、陰部できる「性器ヘルペス」もあります。また顔の他の場所や体などにもでることもあり、どこにでもできます。手の指にもヘルペスが出る方が多く、歯科医の方や歯科助手の方に多いとされています。アトピー性皮膚炎の方で皮膚の荒れた部分にヘルペスが広がるカポジ水痘様発疹症という症状も起こしてしまうことがあります。
ヘルペス、別名単純疱疹は、単純ヘルペスウイルスというウイルスが原因となって、患部が腫れて小さな水ぶくれが多数できる病気です。口唇の周りではほとんどの大人が神経の中に単純ヘルペスウイルスをもっています。口唇ヘルペスは症状が出ている人の水ぶくれ、唾液、涙液などに接触することで感染しますが、一度感染すると、生涯にわたって神経に潜んでいます。それが、体調不良、疲れ、ストレス、紫外線などで体が疲れてしまうと神経を伝って皮膚に出てきて再発をします。ただ、ヘルペスウイルスが体の中にいても症状が出る人と出ない人がいますし、毎月再発する人もいれば、ほとんど再発しない人もいます。
ヘルペスの治療
バルトレックスやファムビルという抗ウイルス薬で治療を行います。この飲み薬はウイルスの増殖を抑え、5日間飲むことで治療をします。水ぶくれが乾いてかさぶたになって治ります。市販でも塗り薬が買えますが、効果の高い飲み薬の治療をお勧めしています。飲み薬の治療でも神経の中に潜むヘルペスウイルスは体の中から追い出すことはできないので、潜んでいるヘルペスウイルスはまた再発します。ピリピリする、チクチクするといった神経の違和感や、かゆみを感じたら早めに皮膚科を受診しましょう。症状が出始めてから飲み薬の治療を開始するまでが早ければ早いほど治りが早くなります。
ファムビルには、PIT(Patient Initiated Therapy)療法という治療があります。何度も再発しているヘルペスの方には、ヘルペスの初期症状が出次第、ご自身の判断で内服を開始する治療もありますので当院にご相談ください。
性器ヘルペスで1年に6回以上再発するの場合には、再発抑制療法と言ってバラシクロビルを毎日1錠飲んで再発しないようにする方法が保険適応で行えます。ヘルペスの再発が頻繁でお困りの方はご相談ください。