かぶれ(接触皮膚炎)

かぶれ(接触皮膚炎)とは

かぶれ(接触皮膚炎)

「かぶれ」はよく聞く言葉かもしれません。「湿疹」とか「かぶれ」はややこしいのですが、金属や湿布など特定の刺激で湿疹がでることを「かぶれ」といいます。
何らかの物質が皮膚に接触し、それが刺激やアレルギー反応となってかゆみがでて、かぶれの症状がでてしまいます。接触した部分の皮膚に赤み(紅斑 こうはん)が現れ、ひどいときには、腫れ上がったり、水ぶくれ(水疱 すいほう)が出現したりします。

かぶれのタイプ

かぶれは刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、光接触皮膚炎それから全身性接触皮膚炎の4タイプにわけられます。

①刺激性接触皮膚炎

皮膚はバリア機能が強いため、普段はなかなかバリアがやぶられることがありません。しかし、よく手を洗うなど日常の刺激で皮膚のバリアが壊れていると刺激物質が皮膚の中に侵入し炎症を起こしてしまいます。

②アレルギー性接触皮膚炎

刺激性接触皮膚炎と違い、少しのアレルゲン(アレルギーを起こすもの)で皮膚にアレルギーが起こってしまいかぶれが起こります。感作相(かんさそう)と惹起相(しょうきそう)にわけられており、アレルゲンとなるかぶれ物質に触れることでアレルギーになってしまい、再度その物質に触れた時にアレルギーがでてかぶれ症状がでてしまいます。

③光接触皮膚炎

光(基本的には紫外線が主)とアレルゲン物質が一緒に反応し、かぶれ症状がでます。かぶれを起こす物質だけではかぶれ症状を起こさないのですが、紫外線(UVA)にさらに当たるとかぶれがでてしまいます。

④全身性接触皮膚炎・接触皮膚炎症候群

なんども繰り返しかぶれを繰り返すことで、かぶれ物質に接触した部分を超えて全身にかぶれ症状がでてしまうことをいいます。かぶれ物質が皮膚から吸収され、血液にのって全身にまわり、かぶれの症状を出してしまうと考えられています。

かぶれの原因になるもの

身のまわりにあるほとんどの物質が原因となりえます。たとえば、化粧品や香水、ヘアケア用品、指輪やイヤリング、腕時計、ネックレスなどの金属装身具、衣類、家庭用化学薬品、洗剤、医薬品、そのほか植物、動物などです。全国調査では、かぶれの原因として化粧品・薬用化粧品が 54%,医薬品が 25%,装身具・装飾品 9%などと報告されています。最も多い化粧品では染毛剤,シャンプー,化粧下地,化粧水が多く報告されています。医薬品では、市販薬、目薬、ステロイド薬などが原因製品として報告されています。

例えば、髪染めによるかぶれはパラフェニレンジアミン(PPD)またはそれに似た物質で起こってしまいます。このPPDにはほぼ一般人の0.1~1%がアレルギーを獲得していると言われています(感作されている、と言います)。ですので決して珍しくはありません。

かぶれの診断と検査

パッチテスト

まずはかぶれかどうかの診断と原因が何かの診察を行います。場所によって紫外線が関係していそうな場合は、光接触皮膚炎も疑います。
パッチテストが原因物質をみつけるために重要な検査になります。
パッチテストについてはアレルギーテストのパッチテストについてもご一読ください。

治療

原因となる物質を突き止めて、その物質との接触を避けることが一番大切です。原因物質との接触がなくならないとお薬を塗ってもなかなか治りません。治療としては、ステロイドのぬり薬でかぶれの炎症をとっていきます。髪染めのかぶれや漆かぶれなどかぶれ症状がとても強い場合は、飲み薬を併用することもあります。

まとめ

なかなか治らない手湿疹など、薬を使っても治りにくい湿疹にはかぶれが潜んでいることがあります。また湿疹の治療に使うステロイド自体にかぶれてしまうことがあり、かぶれはまずは疑っていろいろな原因を考えながら診断と治療を行っています。
かぶれが心配な方や治りにくい湿疹がある方は当院に是非ご相談ください。

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