2022.11.24 ニキビ
ニキビ跡をきれいに消す方法|種類別のアプローチを解説
「肌の凸凹や色素沈着が気になる」「ニキビ跡がなかなか消えない」と悩んでいる方は少なくありません。
今回は、ニキビ跡の種類やセルフケア、皮膚科における治療法などをご説明します。
ニキビ跡の種類
ニキビ跡とは、ニキビが治った後にできる赤みや色素沈着、クレーター、ケロイドなどのことを指します。
ニキビができるとまわりの組織がダメージを受け、セルフケアや治療をせずに悪化した場合、ニキビ跡になることがあります。
ニキビ跡は強い炎症が起きているニキビから引き起こされることが多いといわれ、主に以下の4種類があります。
赤み(炎症後紅斑)
ニキビが治った後に、肌に赤みが残っている状態で、炎症後紅斑と呼ばれています。
肌の内側で炎症が起きている場合や、炎症によってまわりの組織にダメージが生じている場合などにみられることがあります。
健康な肌であれば、半年程度で目立たなくなります。
半年程度で目立たなくなることが多いですが、何年経っても消えないこともあります。
色素沈着(炎症後色素沈着)
ニキビができた部分が茶色っぽくなり、シミのように見えている状態です。
ニキビの化膿や炎症が起きると、肌のバリア機能が過剰にはたらき、メラニンが大量につくられます。
炎症が長引いた場合、大量につくられたメラニンが肌に残ることで色素沈着を引き起こすことがあります。
クレーター、凹み(萎縮性瘢痕)
ニキビの炎症が長引き、結果として肌表面に凸凹ができている状態のことで、萎縮性瘢痕と呼ばれます。
ニキビが悪化してどんどん炎症が広がり、肌の深いところにダメージを与えてしまいます。
真皮のダメージがうまく治らなかった部分に凹みがみられ、クレーターの状態となります。
一度、クレーターができてしまうと治療しないと、もとの肌の状態に戻すことは難しくなります。
しこり、ケロイド、肥厚性瘢痕
しこりやケロイド、肥厚性瘢痕は皮膚の再生異常によって起こる、固くなった皮膚を指します。
ニキビの炎症後、真皮を修復する線維芽細胞がコラーゲンを過剰に作ることが原因といわれています。
特にケロイドは皮膚が赤く盛り上がった状態で、フェイスラインにできやすい特徴を持ちます。
ケロイドができやすい体質の方やフェイスラインにニキビができやすい方によくみられます。
市販品でニキビ跡はケアできる?
ニキビ跡の赤みや色素沈着は、市販されている医薬品などで予防や改善ができる可能性があります。
しかし、クレーターやケロイドになった場合はセルフケアで治すことは難しいため、ニキビ跡をしっかりと治したい場合は皮膚科や美容皮膚科に行くことをおすすめします。
セルフでできるニキビ跡ケアとは
ニキビ跡は、主に以下のようなセルフケアで予防や改善ができる場合があります。
スキンケア
朝晩2回の洗顔を基本とし、しっかり泡立てた泡で顔を包み込むように洗ってください。
肌への刺激や摩擦は肌のダメージにつながるため、化粧水や乳液をつける際も、肌をこすらずに優しく肌に浸透させることが大切です。
紫外線対策
紫外線は肌へダメージを与え、ニキビ跡を悪化させる原因になると考えられます。
日焼け止めを塗る、日傘や帽子を活用するなど、十分な紫外線対策をしましょう。
バランスのよい食事
健やかな肌を保つためには、内側からのケアも大切です。
皮脂分泌を抑制するビタミンB2・B6、ビタミンが豊富に含まれる緑黄色野菜などを中心にバランスのよい食生活を心がけましょう。
美白アイテムの使用
色素沈着が原因とされるニキビ跡には、ハイドロキノンやアゼライン酸、ビタミンC誘導体などが成分に含まれる美白アイテムの使用が効果的とされます。
クリニックでのニキビ跡治療
ニキビ跡の赤みには、血管をターゲットとした治療を行います。
Vビームや光治療は、拡張して増えている血管を破壊・変性することで赤みを改善します。
ポテンツァの赤ら顔モードも血管が新しく増えていくはたらきを抑えることでニキビの赤みに有効と考えられます。
クレーター状の凹み跡には、ダーマペンやポテンツァ、ジュベルックが効果的とされています。
特にポテンツァは、針先からラジオ波を照射することで真皮のコラーゲン産生を促すことやドラッグデリバリーシステムで有効成分を肌内部に均一に導入することができます。
深めなクレーターについては、ニキビ跡の下にある固い線維を取り除くサブシジョンや、皮膚を酸の作用で傷害し皮膚が再生するときにコラーゲンなどを作らせ凹みを浅くするTCAクロスも行います。
ニキビ跡の固い繊維をしっかり取り除き、ジュベルックなどの薬剤導入も可能なトライフィルプロもなかなか治らないニキビ跡におすすめです。
ニキビ跡の色素沈着や赤みに対してアゼライン酸外用も有効とされています。
アゼライン酸は天然由来成分で、皮脂分泌の抑制や抗炎症作用などもあります。
Vビーム
Vビームは、血管の中を流れる赤血球を利用し血管を破壊するヘモグロビンに反応するレーザーです。
血管腫やニキビ跡の赤みなどに効果が期待できます。
また、線維芽細胞と呼ばれる肌のハリやツヤに関係する細胞のはたらきを活性化させ、コラーゲンなどの生成を促進します。
Vビームの照射時には肌を保護する冷却ガスを同時に噴射するため、肌へのダメージが少なくなると考えられています。
個人差はありますが、施術中の痛みはそれほど強くありません。
当院の症例 【30歳代女性】左こめかみのニキビ跡の赤み(3回実施)
ニキビ跡の赤みに対して3回Vビーム照射を行いました。1回で少し赤みがとれ、3回後に赤みがかなり目立たなくなっています。
施術 | Vビームレーザー治療3回 | |
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費用 |
ニキビ跡に対するVビームレーザー狭い範囲 10,780円(税込) (本施術では総額32,340円(税込)) |
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副作用・リスク | 腫れ・内出血など |
Vビームについてはこちらもご参照ください。
フォトシルクプラスLUXEA
当院で使用しているフォトシルクプラスLUXEAは、フォトシルクプラスが進化した新しい美容医療機器です。
フォトシルクプラスで使用しているUPL(U-Shape Pulse Light)は500~950nmの波長帯で、従来のIPLよりも短く、よりメラニン分解作用に優れているといわれています。
さらに水分を吸収する950nm以上の波長をカットし、熱傷のリスクが低くなっていることが特徴です。
ダーマペン
ダーマペンは極細の針で一時的に肌に目に見えないほどの穴を開け、自然治癒力によって肌を活性化させる治療法です。
肌のターンオーバーの促進により、毛穴の開きやニキビ跡、肌のハリ、小じわなどに効果が期待できます。
ご希望に応じて有効成分を含んだ薬剤を塗布することで、肌に直接有効成分を肌内部に届けることが可能です。
ヴェルベットスキンはダーマペンとマッサージピールを併用した治療法で、ダーマペンで微細な穴を開けた部分にマッサージピールを塗布し、肌トラブルを改善する治療法です。
マッサージピールのみの治療と比較し、よりマッサージピールが浸透しやすくなると考えられています。
ポテンツァ
ポテンツァは極細の針の先端から高周波を照射し、目的に応じたチップを使いわけることで、ニキビ、ニキビ跡、赤ら顔、肝斑、小じわ改善など幅広い悩みを改善する医療機器です。
ダーマペンの進化版ともいわれ、針の先端から高周波を照射することで、表皮を傷つけることなく真皮層に直接作用します。
また、高周波には出血を抑えるはたらきがあり、ダウンタイムが短いことも特徴です。
さらにドラッグデリバリーというチップはダーマペンと同様に薬剤を使用し、真皮層に無駄なく均一に導入することが可能と考えられます。
当院の症例 【30歳代女性】頬のニキビ跡(ポテンツァ(ニキビ跡モード)2回実施、サブシジョン1回)
両頬のニキビ跡に対してポテンツァを2回行い、その後サブシジョンを1回行った方です。
ニキビ跡がかなりよくなっています。
施術 | サブシジョン、ポテンツァ(使用薬剤 マックーム) | |
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費用 | サブシジョン(2x2cm) 22,000円(税込) ポテンツァ(ニキビ跡 マックーム使用) 頬+こめかみ 88,000円(税込) 本施術では、総額242,000円(税込) |
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副作用・リスク | 内出血、腫れなど |
ポテンツァについてはこちらもご参照ください。
ジュベルック
ジュベルックはポリ乳酸(PDLLA)製剤で、肌に注入することでゆっくりコラーゲンを増やすことができ、ニキビ跡を浅くすることができます。
ドクターによる手打ちで気になるところを重点的に注射していくことも可能ですし、トライフィルプロによりクレーターの固い皮膚をほぐしながら注入することや、ポテンツァの薬剤導入モードによって導入することも可能です。
ジュベルックついてはこちらもご参照ください。
サブシジョン
サブシジョンは、クレーター状のニキビ跡を改善する治療法です。
クレーターのニキビ跡の皮膚下に固くなった組織があるため、皮膚表面から専用の針で物理的に組織を切断し、凹んだ部分を上に持ち上げます。
最近ではカニューレと呼ばれる先端が鈍く長い針で施術をすることで、内出血のリスクが軽減されています。
またヒアルロン酸注射を併用する施術では、サブシジョンで開けた部分にヒアルロン酸を注入することで凹み部分を盛り上がらせ、組織が再び癒着することを防ぎます。
サブシジョンのみの治療でもクレーターのニキビ跡に効果は期待できますが、ヒアルロン酸を注入することで1回のサブシジョンによる効果を高めることができると考えられています。
当院の症例【30代女性】左頬のニキビ跡(サブシジョン1回実施)
左頬のニキビ跡をお悩みで受診されました。
ローリングタイプのニキビ跡にサブシジョンを1回行いました。
施術 | サブシジョン | |
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費用 | サブシジョン(2x2cm) 22,000円(税込) サブシジョンにヒアルロン酸追加(2x2cmあたり)22,000円(税込) 本施術では総額44,000円(税込) |
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副作用・リスク | 内出血、腫れなど |
サブシジョンについてはこちらもご参照ください。
トライフィルプロ
トライフィルプロは、「機械によるマイクロサブシジョン」と「肌に薬剤を均一に導入」することができる施術になります。
クレーターのへこみの原因となっている、固い線維をなくすことができ、またジュベルックなどの薬剤を導入することでニキビ跡を浅くしていきます。
TCAクロス
TCAクロスとは、ケミカルピーリングで使用されるトリクロロ酢酸(TCA)を気になる部分に塗布し、クレーター状のニキビ跡を改善します。
高濃度のトリクロロ酢酸を使用することで組織にダメージを与え、組織が再生するときにコラーゲンなどが生成されることを利用してニキビ跡を目立たなくする治療法です。
特にアイスピック状と呼ばれる深く狭いクレーターに適しています。
治療の経過とリスク
ニキビ跡の治療における経過やリスクには、主に以下のようなことが考えられます。
治療の経過やリスクには個人差があります。
気になる症状がみられた場合には、医師へご相談ください。
Vビーム
- 施術後、肌の赤みや痛み、腫れ、炎症後色素沈着などを生じることがあります。
- 内出血は、通常1~2週間程度で軽快します。
- 当日の洗顔やメイク、入浴はお控えください。
- 施術後は日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、紫外線対策を十分に行ってください。
フォトシルクプラスLUXEA
- 施術中は、輪ゴムで弾かれたような痛みを感じる場合があります。
- 一時的に肌の赤みやかゆみが生じることがあります。
- 洗顔やメイクは当日から可能です。
- 施術後3日程度は入浴、サウナ等はお控えください。
- 治療から2~3日後に、マイクロトラストといわれるシミが濃くなる黒浮きと呼ばれる現象が起きる場合があります。
- マイクロクラストは通常1週間程度で剥がれ落ちるため、無理に剥がさないでください。無理に剥がした場合、色素沈着になる場合があります。
- フォトフェイシャルよりも肝斑が悪化する危険性は低いとされますが、UPLによって肝斑が濃くなる可能性があります。
- 施術後は日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、紫外線対策を十分に行ってください。
ダーマペン
- 極細の針を刺したときにチクチクとした痛みが生じることがあります。
- 施術後に、肌の赤みや腫れ、内出血、かゆみなどを生じることがあります。
- 施術後は肌の乾燥を防ぐため、しっかりと保湿をしましょう。
- メイクは翌日から可能です。
ポテンツァ、トライフィルプロ
- 極細の針を刺したときにチクチクとした痛みが生じることがあります。
- 施術後に肌の赤みや腫れ、熱感、かさぶたなどが生じることがあります。
- まれに炎症後色素沈着を生じることがあります。
- 肌の赤みは通常1~2日程度、ヒリヒリしたような熱感や痛みは1週間程度で落ち着きます。
- 施術後は日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、紫外線対策を十分に行ってください。
- 洗顔やシャワーは当日から、メイクは翌日から可能です。
ジュベルック
- 注射により、内出血や赤み、むくみがでることがあります。
- まれに感染や硬結となることがあります。
サブシジョン
- 皮下組織に針を刺すことで、内出血を起こすことがあります。
- 施術後1~2週間後に、肌の赤みや腫れが生じる場合があります。
TCAクロス
- トリクロロ酢酸の作用により、皮膚表面がヒリヒリすることがあります。
- 施術後にできるかさぶたは、通常1週間程度で自然に剥がれます。無理に剥がさないようにしましょう。
- 色素沈着が生じる場合がありますが、通常2~3ヵ月で軽快します。
- 施術前後は日焼け止めを塗る、日傘や帽子を活用するなど、十分な紫外線対策をしましょう。
- 一時的に治療部位の色が薄くなる、または白くなることがあります。
- 傷跡が広がる場合があります。
- 施術当日はメイクをお控えください。
アゼライン酸外用
- 一時的にかゆみや熱感が生じることがあります。
以下に該当する方は、各種の施術を受けられない可能性があります。
事前に必ず医師へご相談ください。
- 妊娠中、または授乳中の方
- 極端に日焼けをしている方
- 糖尿病の方
- 金属アレルギーがある方
- ペースメーカーを使用している方
- 金の糸を挿入している方
- ケロイド体質、光アレルギーがある方
- 皮膚に炎症、疾患がある部位
※フォトシルクプラスLUXEA、ダーマペン、ポテンツァ、トライフィルプロ、ジュベルックについて
- 当院で使用しているフォトシルクプラスLUXEA、ダーマペン、ポテンツァ、トライフィルプロ、ジュベルックは、国内では医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
- 当院では医師の判断の下、個人輸入正規ルートで購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。
- 国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認医療機器はありません。
- 個人輸入における厚生労働省からの案内は、以下のリンクからご覧ください。
個人輸入において注意すべき医薬品等について
クリニックでのニキビ跡治療の流れ
1.カウンセリング・診察
医師によるカウンセリングを行います。
お肌の状態を診察し、患者様に適した治療法をご提案いたします。
気になることや不安な点は、お気軽にご相談ください。
2.施術
メイクを落としていただき、施術します。
施術内容によっては、施術中に痛みを感じる場合があります。
3.アフターケア
施術後の肌の状態に応じて、保湿のアフターケアを行い、終了となります。
施術料金
当院における治療の料金は、以下の通りです。
Vビーム(ニキビ赤み)自費診療
全顔 | 32,780円 |
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両頬 | 21,780円 |
鼻 | 10,780円 |
鼻と顎 | 16,280円 |
ポテンツァ(マイクロニードル高周波治療)
※表面麻酔代込み
赤ら顔・毛穴の開き・肌質改善治療
全顔 | 1回 55,000円 |
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両頬+鼻or両頬+こめかみ | 1回 44,000円 |
首 | 1回 55,000円 |
全顔+首 | 1回 88,000円 |
光治療(DEKA社の次世代フォトシルクプラスLUXEA)
全顔 | 1回 | 27,280円 |
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ダーマペン
顔全体 麻酔代、顔全体成長因子入りマスクパック付き
使用薬液 | BENEV | 27,280円 |
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ジュベルック | 37,500円 |
ヴェルベットスキン(ダーマペン4 マッサージピール)
顔全体 麻酔代、顔全体成長因子入りマスクパック付き | 32,780円 |
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サブシジョン(2x2cm) | 22,000円 |
サブシジョンにヒアルロン酸追加(2x2cmあたり) | 22,000円 |
トリクロロ酢酸 TCAクロス(ニキビ跡の凹みのピンポイント治療)20箇所まで | 22,000円 |
AZAクリア(アゼライン酸) | 1,980円 |
ジュベルック(局所注射)※お悩みに合わせたドクター手打ちとなります
全顔 | 77,000円 |
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両頬 | 55,000円 |
目回り、首、おでこ それぞれ1箇所 | 38,500円 |
鼻 | 22,000円 |
ニキビ跡や傷跡の凹み(1箇所) | 11,000円 |
ニキビ跡や傷跡の凹み(5箇所まで) | 22,000円 |
トライフィルプロ
看護師施術 (薬剤料・麻酔代込み)
オートインジェクションを使用
ジュベルック・プルリアル デンシファイ・リジュランのいずれかを使用
100ショット | 88,000円 |
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200ショット | 110,000円 |
ドクター施術(薬剤料・麻酔代込み)
マニュアルインジェクションとオートインジェクションを症状に合わせ使用
ニキビ跡一つ一つをピンポイントでマイクロサブシジョン+薬剤導入で治療
ジュベルック・レニスナ・プルリアル デンシファイ・リジュランのいずれかを使用
100ショット | 121,000円 |
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150ショット | 143,000円 |
200ショット | 165,000円 |
ニキビ跡でお悩みの方は上野御徒町ファラド皮膚科へ
ニキビ跡は普段のスキンケアや紫外線対策などのセルフケアで改善できる可能性があります。
セルフケアで改善がみられない場合や早く確実にニキビ跡を消したいとお悩みの方は、皮膚科や美容皮膚科の治療をおすすめします。
まずはお気軽に当院へご相談ください。