粉瘤

2022.11.24 粉瘤

粉瘤かと思ったらチェック|粉瘤とニキビ、脂肪腫、おできなど他の病気との違いを解説

皮膚にしこりみたいなものがあるけれど「これは粉瘤だろう」と自己判断していませんか?

粉瘤はその形状からニキビやおできなどと間違いやすく、自然に治るのを放っている方も少なくありません。

今回は粉瘤の特徴やニキビやおできなど他の病気との違いなどについてご紹介します。

 

粉瘤とは?

粉瘤は、アテロームとも呼ばれる皮膚腫瘍です。

粉瘤は、皮膚の内側に袋状の構造物ができ、そこに本来であれば皮膚から剥がれ落ちる角質や皮脂がたまってしまう腫瘍の総称を言います。

 

袋状の中にたまった角質や皮脂は外に排出されることがないため、放っておくと徐々に大きくなってしまいます。

身体のどこにでもできる腫瘍ですが、とくに顔や首、背中などにできやすい傾向があります。

 

粉瘤の原因

粉瘤ができる原因ははっきりとわかっていませんが、皮膚がこすれる刺激で表皮の一部が真皮に入ってしまいできると言われています。

粉瘤は、1箇所だけにできることもありますが、いくつかあちこちにできることもあります。

 

イボのウイルスによりできる足の裏の粉瘤など特殊なタイプもあります。

粉瘤は垢や皮脂などがたまることでできることから「不潔にしている人がなる」と誤解する方もいますが関係ありません。

 

粉瘤と間違われやすい他の疾患との見分け方

粉瘤は、おできやニキビ、脂肪腫、石灰化上皮腫(毛母腫)などと間違われることも少なくありません。

粉瘤は自然と治るものではありませんので、自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめします。

 

粉瘤の特徴

皮膚の表面や皮膚の浅い層にできます。

数mmから数cmのやや盛り上がったしこりで、中央にへそと呼ばれる黒点状の開口部が見られることがあります。

 

強く圧迫すると臭いドロッとした物質が表面に押し出されることがあります。

化膿し炎症が起こることもあり、放置していると徐々に大きくなっていきます。

 

粉瘤の治療法


粉瘤は、老廃物がたまっている袋状の中身を取り除くだけでは再発を繰り返すため、根治のためには外科的な切除が必要です。

粉瘤のサイズより一回り大きく切って縫合する治療法や、炎症を起こしていない粉瘤の場合は、くりぬき法という直径4mmほどの円筒状のメスを使用して治療する傷あとが小さく目立ちにくい治療法もあります。

 

ニキビの特徴

にきびは毛穴が詰まりや皮脂の過剰分泌などによる毛穴の炎症です。

初期は白く突起状に見えることが多く、症状がすすむと、炎症や皮脂の酸化により赤ニキビや黒ニキビになります。

 

ニキビの治療法

ニキビの治療は炎症を抑えながら毛穴の詰まりを改善します。

外用薬や内服薬を併用したり、生活習慣指導をおこなったりしながら改善をめざします。

 

脂肪腫の特徴

脂肪腫は皮膚の深い層にできます。

脂肪腫は皮膚の内側に脂肪細胞が増殖してできるため「脂肪の塊」と呼ばれています。

皮膚の色は変わらずゴムのような柔らかさがありますが、見た目はほぼ粉瘤と同じです。

 

脂肪腫の治療法

根治的な治療方法は手術になります。

もみだし法と言って、脂肪腫の摘出の際に、より傷を小さくするために用いられる方法もあります。

小さく切開し、そこから脂肪腫をもみだします。

 

おできの特徴

一般的におできと呼ばれるものは、「癤(せつ)」と呼ばれる皮膚の感染症です。

おでき(癤)は皮膚に常在している黄色ブドウ球菌の感染によって発症します。

 

汗をかいたまま放置したり、免疫が低下していたりすると感染が起こり、おでき(癤)ができてしまいます。

お風呂のナイロンタオル内に菌が増えてしまい原因となることもあります。

早い段階で痛みを感じることが多いです。

腫れている状態は、粉瘤と見分けがつきにくいことがあります。

 

おできの治療法

症状が軽いものであれば、外用薬や抗生剤の内服などで治すことができます。

悪化したおできの場合は切開して膿を出す外科的な処置が必要になるケースもあります。

 

石灰化上皮腫(毛母腫)の特徴

石灰化上皮腫は、皮膚の一部分が石灰のようにゴツゴツと硬いしこりとして触れる良性腫瘍の一つです。

毛母腫(もうぼしゅ)とも呼ばれます。はっきりとした原因は分かっていませんが、若年者に発生することが多いと言われています。

皮膚の色は変わらないか、皮膚が薄い場合は腫瘍が透けて、黄白色や青黒い色に見える場合があります。

 

石灰化上皮腫(毛母腫)の治療法

石灰化上皮腫はゆっくりと成長していき、自然と治ることはありませんので、外科的な処置が必要となります。

 

粉瘤は自己判断が難しい。医療機関の受診を

粉瘤は誰でもなる可能性がある疾患です。

粉瘤と他の疾患は見分けがつきにくいため、痛みや腫れが特になくても「粉瘤かな?」と思う症状がある場合は自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

 

粉瘤は多くが良性の腫瘍ですが、ごくまれに悪性化(がん化)したという報告があります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

 

粉瘤はファラド皮膚科へ

当院では粉瘤の日帰り手術を行っています。

粉瘤はニキビやおできなどと並んでよくある皮膚疾患です。

初期の段階では見た目に気付きにくいですが、触ってしこりを感じるなど自覚症状がある場合は早めに受診することをおすすめします。

 

当院では「日本皮膚科学会 皮膚科専門医」が、正確に診断の上、お一人おひとりに合った治療法を提案させていただきますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院

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