2024.12.16 粉瘤
粉瘤の原因・症状・治療法|できやすい人の特徴と予防法を徹底解説

「小さなしこりができた」「赤みや腫れがあるが原因がわからない」といった症状でお悩みではありませんか?
粉瘤は、体のどこにでもみられる良性のしこりで、中央部に黒点がみられます。時間の経過とともに大きくなることが特徴です。
この記事では、粉瘤の原因や症状、治療法をわかりやすく解説し、できやすい人の特徴や予防法についても詳しくお伝えします。
症状が気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
粉瘤とは
粉瘤は良性腫瘍の一種で、アテローム、表皮嚢腫とも呼ばれています。
粉瘤は脂肪の塊といわれることもありますが、中にあるものは脂肪ではありません。
皮膚の内側に「嚢胞(のうほう)」と呼ばれる袋状の組織ができ、その中に本来剥がれ落ちるはずの垢や皮脂などの老廃物が溜まってしまうことでしこりとして盛り上がります。
身体のどこにでも生じますが、特に顔や耳の後ろ、首、背中などにできやすい傾向があります。

また外毛根鞘性嚢腫や多発性毛包嚢腫も粉瘤の一種で、外毛根鞘性嚢腫は頭部にできやすいタイプ、多発性毛包嚢腫は単発のこともありますが、首、腕、わきの下などに20~30個ほど多発することもあります。
粉瘤の特徴として、主に以下の点があげられます。
外観
粉瘤は、中央部に黒点があることが多く、表面は正常な皮膚色~淡青色で触れると弾力があることも、硬いこともあります。
大きさは直径1~2cm大、大きいものは10cm以上にもなります。
時間の経過とともに老廃物が蓄積していくため、粉瘤が大きくなっていくことがあります。
臭い
粉瘤を強く圧迫すると、ドロドロとした粥状の白い物質が出てきます。
中に溜まったものは垢や皮脂などの老廃物です。
炎症
粉瘤は、赤みや腫れなどの炎症を伴う場合があります。
強い炎症がある場合には、手術で取り除くことが難しいことがありますので、炎症が収まったところで手術するようおすすめしています。
粉瘤については次のコラム「粉瘤かと思ったらチェック|粉瘤とニキビ、脂肪腫、おできなど他の病気との違いを解説」もご参照ください。
粉瘤ができる原因やできやすい人の特徴
粉瘤の原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
皮膚への刺激
表皮の一部が真皮に入り込むことで粉瘤が形成される可能性があります。背中や耳裏などこすれやすい場所に粉瘤は多く見られます。
イボを作るウイルス
手のひらや足の裏にできる粉瘤は、特定のウイルスが原因とされることがあります。
特にウイルス性イボの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)が粉瘤発症に関係していることがわかっています。
体質的な要因
粉瘤はできやすい体質があります。
これらの要因を抑えるためには、日常生活の中で肌を清潔に保つことや、ホルモンバランスを整える生活習慣を心がけることが大切です。
代表的な粉瘤の治療法
粉瘤は、通常であれば痛みはありませんが、炎症を伴う場合や菌が感染した場合には赤みや腫れなどを生じることがあります。
また、再発を繰り返しやすいため、基本的には自然治癒することはありません。
自己判断で粉瘤を潰すと細菌感染や炎症を引き起こす場合があります。気になる症状がある場合は、皮膚科を受診しましょう。
粉瘤の基本的な治療法は、手術となります。袋状の組織をすべて取り除かない場合は再発することがあるため、袋そのものを取り除く必要があります。
手術は、くり抜き法と紡錘形に切除する方法の2通りあります。
当院では、患者さまの粉瘤の状態や症状に合わせて、適切な手術を選択しています。
どちらも日帰り手術が可能です。
くり抜き法

くり抜き法は、トレパンなど特殊な器具で皮膚をくり抜き、中身を出してから袋をはがして取り除く方法です。
メスを使用して切除するよりも、傷が小さく、短時間で手術できます。
炎症を起こしている粉瘤や大きい粉瘤の治療法としては、適さない場合があります。
紡錘形に切除する方法

切除する方法では、袋のまま取り除きます。
中身を出す必要がないため、再発しにくく、どのようなタイプの粉瘤も切除して取り除くことができます。
また、傷跡がきれいに治りやすいことが特徴です。
縫合するため、手術から1週間程度で抜糸が必要です。
当院の詳しい治療法は、「粉瘤のページ」もご参照ください。
治療の注意点
治療の経過には個人差があります。
気になる症状がみられた場合には、医師へ相談しましょう。
くり抜き法
- 再発することがあります。
- 場所によっては傷跡が目立つ場合があります。
紡錘形に切除する方法
- くり抜き法よりも手術に時間がかかります。
その他、主に以下の点に注意してください。
粉瘤治療のそのほかの注意点
- 手術当日は、過度な運動や飲酒、入浴はお控えください。
- 一時的に、肌の赤み、腫れ、違和感、盛り上がりなどが出ることがありますが、時間の経過とともに落ち着きます。
- 体質によっては、ケロイドや肥厚性瘢痕ができる場合があります。
粉瘤の予防法
粉瘤の原因は完全には解明されていないため、明確な予防法はありません。ただし、以下のような方法で発症リスクを低減できる可能性があります。
皮膚を清潔に保つ
洗顔や入浴で毛穴を詰まらせないことが大切です。
栄養バランスの取れた食事
肌のターンオーバーを促進するビタミンAやビタミンEを多く含む食品を摂取するのがおすすめです。
十分な睡眠
睡眠不足はホルモンバランスの乱れにつながります。
適度な運動
血行を良くすることで、皮膚の健康を保つ手助けになります。
また外毛根鞘性嚢腫など頭部に生じやすいタイプの粉瘤は毛穴のつまりによって発生することがあるため、皮膚を清潔に保つことが大切です。
治療の料金
できものの手術(粉瘤は保険適応で手術が可能です)
約7,000円~13,000円(税込)
※3割負担の場合の料金です。
※都内在住で中学生までの子どもは公費負担となり実費は0円です。
粉瘤でお悩みの方は、上野御徒町ファラド皮膚科へ
粉瘤は、皮膚の内側に袋状の組織ができ、その中に垢や皮脂が蓄積することで形成されます。
時間とともに大きくなるため、放置せず早めの診察と治療が大切です。当院では患者さま一人ひとりの症状に合わせた治療をご提案しています。
自然治癒することはなく、少しずつ大きくなることがあるため、早めに手術で取り除くことが望ましいでしょう。
粉瘤のようなしこりがある方、粉瘤を取り除きたい方は当院へお気軽にご相談ください。