液体窒素療法(冷凍凝固療法)|ウイルス性イボ・老人性イボの治療
冷凍凝固療法(液体窒素)とは

液体窒素療法(冷凍凝固療法、liquid nitrogen cryotherapy)は、-196℃の超低温の液体窒素を用いて、イボなどのできものを凍結・破壊する治療です。
患部に液体窒素を当てることで瞬間的に凍結させ、凍傷の反応を利用して病変を壊します。
通常は1回の治療で、冷凍と解凍を3~4回繰り返すことで、組織を壊れやすくします。
治療後は時間の経過とともにかさぶたとなり、自然に剥がれて改善していきます。
液体窒素療法で治療できるイボ・できもの

液体窒素療法は、さまざまな「イボ治療」に広く用いられています。
保険適用となる主な疾患
- ウイルス性イボ(尋常性疣贅)
- 扁平疣贅
- 伝染性軟属腫(水いぼ)
- 尖圭コンジローマ
- 首イボ(アクロコルドン・スキンタグ・軟性線維腫)
- 老人性イボ(脂漏性角化症)
- さくらんぼ血管腫
※疾患や状態により最適な治療方法は異なります。
首イボ・老人性イボの治療について
首イボや老人性イボも液体窒素で除去が可能ですが、
治療後に色素沈着が生じることがあり、かえって目立つ場合があります。
そのため、状態によってはサージトロン(ラジオ波)による除去など、他の治療方法をご提案することもあります。
液体窒素療法の方法

液体窒素の当て方には以下の方法があります。
- スプレー式
- 綿棒による塗布
- ピンセットによる圧着
当院では、部位や大きさに応じてこれらを使い分け、できるだけ効果と安全性のバランスを考えた治療を行っています。
また、強く当てるほど治療効果は高まる傾向がありますが、痛みや副作用も出やすくなるため、反応をみながら調整しています。
治療後の経過とダウンタイム
液体窒素治療後は凍傷に近い反応が起こり、以下の症状がみられることがあります。
- 痛み
- 赤み
- 水ぶくれ
- 血豆
これらは治療による正常な反応で、徐々にかさぶたとなり自然に剥がれます。
液体窒素療法の必要回数
- ウイルス性イボ:複数回(数回〜十数回以上)
- 大人の足裏イボ:長期治療になることもあります
- 老人性イボ:1~3回程度で改善する場合もあります
※回数には個人差があります
ウイルス性イボは1、2回の治療でなくなることは多くなく、複数回の治療が必要になることが多い疾患です。
特に足裏のイボは治療に時間がかかることがあり、継続的な通院が重要です。
お子さんのウイルス性イボは大人に比べて少ない回数で治りやすい特徴があります。
大きさや場所にもよりますが、老人性イボでは1回から3回ほどで取れる場合もあります。
冷凍窒素療法の治療間隔(通院頻度)
液体窒素療法は、週1回の保険診療が可能です。
治療間隔が空きすぎるとイボが再増殖する可能性があるため、
1~2週間ごとの継続的な治療をおすすめしています。
液体窒素療法(保険適用)の費用
液体窒素によるイボ治療は「いぼ等冷凍凝固法」として保険適用されます。
- 3か所以下:1回 約630円(3割負担)
- 4か所以上:1回 約710円(3割負担)
※診察料などは別途必要です
液体窒素療法後の注意点
治療後は以下の症状が出ることがあります。
- 水ぶくれ・血豆
- 痛み(通常2〜3日程度で軽快)
- 色素沈着
水ぶくれや血豆は、治療が適切に反応しているサインでもあります。
大きい場合は処置が必要となるため、ご来院ください。
液体窒素療法以外のイボ治療
状態に応じて以下の治療も選択されます。
- モノクロロ酢酸(MCA) 痛くないイボ治療
- サリチル酸ワセリン外用
- 活性型ビタミンD外用(オキサロールなど)
- ヨクイニン内服
- サージトロン(老人性イボ・首イボ)
- 医療用はさみ(剪刀)での除去
よくある質問
- 液体窒素療法とは何ですか?
-
液体窒素療法(凍結療法)は、-196℃の液体窒素で皮膚病変を凍結・壊死させて除去する治療です。主にイボ(尋常性疣贅)や老人性イボ(脂漏性角化症)などに行われます。
- 液体窒素療法はどのような症状に適応がありますか?
-
ウイルス性イボ(尋常性疣贅)、足底疣贅、脂漏性角化症(老人性イボ)などに適応があります。症状によっては他の治療が適する場合もあります。
- 液体窒素療法は痛いですか?
-
個人差はありますが、「チクッとした痛み」や「ジンジンする痛み」を感じることがあります。特に足裏や爪周囲は痛みを感じやすい部位です。痛みが心配な方は強さを調節できますので診察時にご相談ください。
- 液体窒素療法は何回くらい必要ですか?
-
病変の大きさや深さによりますが、ウイルス性イボの場合、複数回(数回〜10回以上)必要になることもあります。1,2回で改善し消えることもまれにあります。
- 液体窒素療法の通院頻度はどれくらいですか?
-
通常は1〜2週間ごとに繰り返し治療を行います。継続的な通院が治療効果に重要です。
- 液体窒素療法後に水ぶくれができるのは正常ですか?
-
はい、正常な反応です。凍結による組織反応で水ぶくれや血豆ができることがあります。大きいものができた場合は診察にいらしてください。
- 液体窒素療法後のケアはどうすればいいですか?
-
洗顔やシャワーなど通常通りの生活で問題ありません。水ぶくれができた場合は必要に応じてガーゼ保護を行います。またかさぶたができた場合は、無理にかさぶたを剥がさないようにしてください。
- 液体窒素療法は跡が残りますか?
-
通常は大きな跡は残りにくいですが、強く行うと炎症後色素沈着や軽い瘢痕が生じる可能性があります。適切な強さで行うことが大切です。
- 液体窒素療法は保険適用ですか?
-
多くのイボ(ウイルス性イボや老人性イボなど)は保険適用で治療可能です。
- 液体窒素療法は子どもでも受けられますか?
-
はい、可能です。小児のイボ治療として一般的に行われています。痛みが心配な方は調節することや、モノクロロ酢酸による痛くないイボ治療もありますのでご相談ください。
- 液体窒素療法は1回でイボは取れますか?
-
小さいイボであれば1回で取れることもありますが、多くの場合は複数回の治療が必要です。
- 液体窒素療法後に入浴はできますか?
-
当日から入浴可能な場合が多いですが、患部を強くこすらないよう注意してください。
- 液体窒素療法は顔にもできますか?
-
可能ですが、部位や病変の種類によっては他の治療法が推奨されることもあります。
- 液体窒素療法の副作用はありますか?
-
赤み、水ぶくれ、痛み、炎症後色素沈着などが起こることがあります。
- 液体窒素療法とレーザー治療の違いは何ですか?
-
液体窒素療法は保険適用で広く行われる治療ですが、レーザーは自費診療となる場合が多く、症状に応じて選択されます。レーザー治療も保険適用で行える場合がありますので診察でご相談ください。
- 液体窒素療法はどれくらいの時間がかかりますか
-
1か所あたり数秒〜数十秒程度で終了する短時間の処置です。
- 液体窒素療法はどんな人に向いていますか?
-
イボなどの良性病変を保険で治療したい方に適しています。
- 液体窒素療法でやってはいけないことはありますか?
-
患部を無理に触る、かさぶたを剥がす、強い摩擦を与えることは避けてください。
- 液体窒素療法の効果が出ない場合はどうなりますか?
-
効果が不十分な場合は、レーザー治療や外用薬など他の治療法を検討します。
まとめ|液体窒素によるイボ治療について
液体窒素療法は、ウイルス性イボや老人性イボに広く行われている基本的な治療法です。
一方で、痛みや色素沈着などのリスクもあるため、
適切な診断と治療方法の選択が重要になります。
ウイルス性イボや加齢によるイボでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
【参考文献】
- 日本皮膚科学会 尋常性疣贅診療ガイドライン 2019 ※PDFファイルが開きます
- Muhaidat JM, Al-Qarqaz FA, Alshiyab DM, Alkofahi HS, Khader Y, Ababneh MY. Comparison of the Efficacy and Safety of Two Cryotherapy Protocols in the Treatment of Common Viral Warts: A Prospective Observational Study. Dermatol Res Pract. 2020 Jul 13;2020:2309309. PMID: 32765598.