ニキビダニ(顔ダニ)
ニキビダニ(顔ダニ)について
ニキビダニは顔ダニとも呼ばれ、多くの方の顔に住んでいます。
普段は悪さをしませんが、間違ったスキンケアや塗り薬などなんらかの状況により異常に増えてしまうとニキビや赤ら顔などの皮膚症状を起こしてしまいます。
関連するニキビページ
ニキビダニは、通常のニキビやニキビに似た別の皮膚疾患と見分けが必要になることがあります。
正しい診断と早期の回復には受診が大切ですが、治りにくいニキビやニキビ跡が気になる方は、以下のページもあわせてご覧ください。
ニキビダニの特徴
ニキビダニは、顔や頭皮の毛穴に住んでおり、ヒトの皮膚によくみられます。ヒトの場合、Demodex(D.)folliculorum(和名:ニキビダニ)と D. brevis(和名:コニキビダニ)の2種類がみられます。体長は0.1~0.4mmほどで小さく、尻尾がやや尖っており4対の脚があります。毛穴の角質や皮脂を食べて生きています(1)。
ニキビダニは、頬ずりなどの皮膚接触でもらってしまい、肌に住むようになります。
50 歳前後の成人で約 40~50% にニキビダニが検出されたという論文(2)や18歳以上の全員に検出されたという論文(3)もあり、検査方法によって差があるものの多くの方にニキビダニがみられることがわかります。
ニキビダニによる症状
ニキビダニ自体は、普段は肌をお掃除してくれています。余分な皮脂を食べて減らし、細菌や真菌などの菌を食べて肌を綺麗にしています。
しかし、間違ったスキンケアやステロイドやタクロリムス軟膏の塗り薬などでニキビダニが過剰に増えてしまうと肌に炎症を起こすようになり、ニキビや酒さ・赤ら顔、脂漏性皮膚炎、口囲皮膚炎、眼瞼炎など症状を起こしてしまいます。
ニキビダニが過剰に増えて起こす皮膚症状をニキビダニ症と呼びます。
ニキビダニ症の診断

ニキビダニは顕微鏡検査でいるかどうかがすぐにわかります。
赤いポツポツや膿をもったポツポツをピンセットでつまんだり、こすったりして採取し、顕微鏡でみるとニキビダニが確認できます。
また拡大鏡であるダーモスコピーにより肌を観察するとニキビダニの尻尾が見えることがあります。
ニキビダニ症の治療
イベルメクチンクリーム

ニキビダニ症の治療としては、塗り薬や飲み薬を使用します。
最も効果も高く副作用が少ない治療が、イベルメクチンクリームになります(4)。1日1回肌に塗ることでニキビダニを減らす作用と、肌の炎症を減らす抗炎症効果もあるためニキビダニ症の治療として最適です。
保険適用外のお薬になり、当院では4,400円(税込)で処方しております。
4週間ほどで効果が実感できることが多くなります。
他の塗り薬としては、イオウ・カンフルローションがニキビダニを減らす効果を持っています。
アゼライン酸やメトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル)も酒さ・赤ら顔の炎症を抑える効果があるため使用することがあります。
飲み薬としては、ビブラマイシン(ドキシサイクリン)やミノマイシン(ミノサイクリン)、ルリッド(ロキシスロマイシン)を使用します。
これらのお薬はニキビダニを殺菌することができませんが、抗炎症効果をもっていることとニキビダニの中の細菌に効くことでニキビダニ症に効果があります。
塗り薬や飲み薬で、赤いぶつぶつや膿をもったぶつぶつが落ち着いた後も、赤ら顔や毛細血管拡張による赤みが残ることがあります。そのような場合には、Vビームレーザーを併用することで、残った赤みの改善を目指します。
Vビームの治療効果、治療症例、よくある質問についてはVビームのページをご参照ください。
ニキビダニ症の予防
スキンケアの見直し
間違ったスキンケアをしているとニキビダニが増えてしまうのでスキンケアの見直しが大切です。
洗顔はしっかり泡立て、余分な皮脂を優しく洗い流しましょう。化粧品やパフなどスキンケア用品を清潔にすることも大切です。
ステロイドの塗り薬を中止する
ステロイドの塗り薬によってニキビダニが増えてしまうこともありますので、ニキビダニが増えてきたら中止することもあります。
ただ中止することにより元の皮膚炎が悪化してしまうことがあるため慎重に塗り薬の調節をします。
当院での症例
症例1 【40歳代女性】ニキビダニ症

いろいろな皮膚科を受診され、ロゼックスゲルやニキビ薬による治療をされるも改善なく当院を受診されました。
ニキビダニ症を疑い、検査を行ったところニキビダニが増えていました。
イベルメクチンクリーム外用を開始し、赤いポツポツがなくなったところでVビームレーザーによる治療を2回行いました。ポツポツや赤みが減っています。
| 施術 | Vビームレーザー治療2回 | |
|---|---|---|
| 費用 | イベルメクチンクリーム 30g 4,400円(税込) Vビームレーザー 両頬 21,780円(自費の場合・税込) (本症例では、総額47,960円(税込)) | |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血・痛みなど | |
症例2 【40歳代女性】ニキビダニ症

複数の皮膚科を受診され、ロゼックスゲルや抗アレルギー薬による治療をされるも改善なく当院を受診されました。
ニキビダニ症を疑い、検査を行ったところニキビダニが増えていました。
イベルメクチンクリーム外用を開始し、3ヶ月でポツポツや赤みが減り、さらにVビームによる赤み治療を行い赤みもよくなりました。
| 施術 | Vビームレーザー治療2回 | |
|---|---|---|
| 費用 | イベルメクチンクリーム 30g 4,400円(税込) Vビームレーザー 両頬 21,780円(自費の場合・税込) (本症例では、総額47,960円(税込)) | |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血・痛みなど | |
料金
Vビーム(赤ら顔・血管腫・ニキビ赤み)
| 保険診療の場合 | 約8,000円〜33,000円(照射面積で変わります) |
|---|---|
| 自費診療の場合 | 全顔 32,780円 両頬 21,780円 鼻または顎 10,780円 |
イベルメクチンクリーム
| イベルメクチンクリーム | 30g 4,400円 |
|---|
※料金はすべて税込みです
よくある質問
- ニキビダニ・顔ダニは誰にでもいますか?
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ニキビダニは顔ダニとも呼ばれ、多くの成人の顔にみられる常在微生物の一つです。いること自体が病気というわけではなく、通常は症状を起こしません。
ただし、皮膚のバリア機能の低下、皮脂の増加、間違ったスキンケア、ステロイド外用薬の使用などをきっかけに過剰に増えると、赤いぶつぶつ、膿をもったぶつぶつ、赤ら顔、かゆみ、ヒリつきなどの原因になることがあります。
- 顔ダニは人にうつりますか?
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ニキビダニは、皮膚と皮膚の接触などで移ることがあります。ただし、多くの方の皮膚にもともと存在しているため、「うつったから必ず病気になる」というものではありません。
問題になるのは、ニキビダニが皮膚で過剰に増えて炎症を起こした場合です。過度に心配して顔を洗いすぎたり、刺激の強いスキンケアを続けたりすると、かえって皮膚の状態が悪化することがあります。
- ニキビダニが増えるとどのような症状が出ますか?
-
ニキビダニが過剰に増えると、赤いぶつぶつ、膿をもったぶつぶつ、赤ら顔、かゆみ、ヒリつき、乾燥感、肌荒れなどが出ることがあります。
特に、頬・鼻・あご・口まわりなどに症状が出やすく、酒さやニキビのように見えることもあります。まぶたに関係すると、まぶたの赤み、かゆみ、違和感などの眼瞼炎の原因になることもあります。
- 皮膚科ではニキビダニをどのように検査しますか?
-
皮膚科では、赤いぶつぶつや膿をもった部分、毛穴の内容物などをこすって採取し、顕微鏡でニキビダニが増えていないか確認します。検査は短時間で行えることが多く、その場で確認できます。
また、ダーモスコピーという拡大鏡を使って毛穴の状態を観察することもあります。ニキビダニ症は見た目だけでは判断が難しいため、治りにくいニキビや赤ら顔が続く場合は、検査で確認することが重要です。
- ニキビダニ症はどのように治療しますか?
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ニキビダニ症では、ニキビダニを減らす外用薬や、皮膚の炎症を抑える治療を行います。当院では、症状に応じてイベルメクチンクリーム、ロゼックスゲル、アゼライン酸、抗菌薬の内服、Vビームレーザーなどを組み合わせて治療します。
イベルメクチンクリームは、ニキビダニを減らす作用と炎症を抑える作用が期待できる外用薬です。赤いぶつぶつや膿をもったぶつぶつが落ち着いた後に赤みが残る場合は、Vビームレーザーで赤みを改善していくこともあります。
- ニキビダニは完全に駆除した方がよいですか?
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ニキビダニは多くの方の皮膚に存在しているため、完全にゼロにすることを目指す必要はありません。大切なのは、ニキビダニが過剰に増えて炎症を起こしているかどうかです。
症状がない場合は、治療が不要なこともあります。一方で、治りにくい赤いぶつぶつ、膿をもったぶつぶつ、赤ら顔、ヒリつきが続く場合は、ニキビダニ症や酒さが関係している可能性があります。自己判断で強い洗顔や市販薬を続けるよりも、皮膚科で原因を確認することをおすすめします。
まとめ
なかなか治らない赤ら顔・酒さやニキビの原因がニキビダニのこともあります。
ニキビダニが気になりましたら、早めに当院にご相談ください。顕微鏡検査を行い診断することが可能です。
<参考資料>
- 日本皮膚科学会雑誌:131(12),2563-2572,2021
- Chang YS, Huang YC. Role of Demodex mite infestation in rosacea: A systematic review and meta-analysis. J Am Acad Dermatol. 2017;77:441-447.e6.
- Lacey N, Russell-Hallinan A, Powell FC. Study of Demodex mites: Challenges and Solutions. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2016;30:764-75.
- Abokwidir M, Fleischer AB. An emerging treatment: Topical ivermectin for papulopustular rosacea. J Dermatolog Treat. 2015;26:379-80.
- 日本皮膚科学会尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン策定委員会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. 日本皮膚科学会雑誌. 2023;133(3):407-450. ※PDFファイルが開きます。
記事制作監修
院長 上條 広章(かみじょう ひろあき)
資格
- 東京大学医学部卒業
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)など
所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容皮膚科学会 など
※詳しくは医師紹介のページをご覧ください。



