顔の皮脂・テカリの原因と治し方

- 「昼になると顔がテカる」
- 「鼻や額の皮脂が多い」
- 「毛穴やニキビも気になる」
このような顔のテカリには、皮脂の過剰分泌が関係しています。
皮脂は肌を守るためにも必要ですが、多すぎるとテカリだけでなく、毛穴の目立ちやニキビにつながることがあります。
この記事では、皮脂が増える原因から、毎日のスキンケア・食事・おすすめ成分、さらにイソトレチノインやマイクロボトックス、ポテンツァ・ブレッシングなどの治療まで皮膚科専門医が解説します。
顔の皮脂・テカリが増える原因
顔のテカリは、皮脂腺から分泌された皮脂が皮膚表面に広がることで目立ちます。
特に額・鼻・眉間・あごなどのTゾーンは皮脂腺が多く、テカリやすい部位です。
皮脂分泌には主に以下のような要因が関係しています。
ホルモンの影響
皮脂腺はアンドロゲンなどのホルモンの影響を受けます。特に思春期以降は皮脂分泌が増えやすく、ニキビの発症にも関係します。
遺伝・肌質
皮脂腺の大きさや皮脂分泌量には個人差があります。もともと皮脂量が多い脂性肌の方もいます。
気温・湿度
気温が高い時期は皮脂分泌が増えやすく、汗も加わることでテカリやベタつきを強く感じることがあります。
ストレス・生活習慣
睡眠不足やストレスなども、ホルモンや皮膚の炎症を介して肌状態に影響する可能性があります。
スキンケア・化粧品
油分の多いスキンケアや化粧品を重ねることで、皮脂そのものが増えていなくてもテカリが強く見えることがあります。
関連する毛穴・ニキビのページ
顔の皮脂やテカリは、毛穴の目立ちやニキビと重なって気になることが多い症状です。
それぞれの治療については、こちらのページで詳しく解説しています。
皮脂・テカリ対策でまず見直したいスキンケア
洗顔は「落としすぎない」
テカリが気になるからといって、何度も洗顔したり強くこすったりする必要はありません。
基本的には朝・夜を中心に、肌に合った洗顔料でやさしく洗いましょう。
過度な洗浄やスクラブは、乾燥や刺激につながることがあります。
脂性肌でも適度に保湿する
皮脂量と皮膚の水分量は別のものです。
脂性肌でも、ジェルやローションなど油分が多すぎない保湿剤を使用することで、皮膚のバリア機能を保つことが大切です。
ニキビができやすい方は、ノンコメドジェニックテスト済みの製品も選択肢になります。
あぶらとり紙は使っても大丈夫?
皮膚表面の余分な皮脂を軽く取る程度であれば問題ありません。
ただし、皮脂をすべて取り除こうとして頻繁に擦る必要はありません。
皮脂が気になる人は食事も見直す

現時点では、「これを食べれば皮脂が減る」と明確に証明された食品はほとんどありません。
一方で、皮脂やニキビとの関連で比較的よく研究されているのが、高GI・高GLに偏った食生活です。
GI(Glycemic Index:グリセミック・インデックス)は、食後の血糖値が上がりやすいかを示す指標です。
GL(Glycemic Load:グリセミック・ロード)は、GIに実際に食べる炭水化物量を加味した指標です。
高GI・高GLの食事は血糖値やインスリンを上昇させやすく、インスリンやIGF-1などを介して皮脂腺の働きに影響する可能性があります。
実際に、低GL食によってニキビが改善し、皮脂腺のサイズも小さくなったという研究があります。
控えめにしたいもの
- お菓子
- 菓子パン
- ケーキ
- 砂糖入り飲料
- 精製された炭水化物に偏った食事
白米や小麦粉を完全に避ける必要はありません。
また、「揚げ物を食べると、その油がそのまま顔の皮脂になる」という単純な関係でもありません。
取り入れやすいもの
- 玄米
- 全粒穀物・全粒粉製品
- 野菜
- 大豆・納豆・豆腐・枝豆
- レンズ豆・ひよこ豆など
特定の食品だけを食べるのではなく、高GI・高GLに偏らない食生活を意識することがポイントです。
皮脂・テカリにおすすめのスキンケア成分

皮脂が多い場合は、
①皮脂分泌そのものを抑えるのか毛穴詰まりやニキビを改善するのか
によって選ぶ成分が変わります。
アゼライン酸|ニキビ・赤みも気になる方に
アゼライン酸には、
- 毛穴の角化を整える
- 抗炎症作用
- ニキビに関係する細菌への作用
などがあります。
そのため、テカリだけでなくニキビや赤みも気になる方に取り入れやすい成分です。
ただし、皮脂そのものを強く抑える成分というより、皮脂の多い肌に伴うニキビや毛穴詰まりをケアする成分と考えるのが適切です。
サリチル酸|毛穴詰まり・角栓も気になる方に
サリチル酸は脂溶性で、毛穴周囲の角質を整えます。
- 毛穴詰まり
- 角栓
- 黒ずみ毛穴
- ニキビ
などを伴う脂性肌に向いています。
濃度や使用頻度によっては刺激・乾燥が出ることもあるため、使いすぎには注意しましょう。
ナイアシンアミド|毎日の皮脂ケアに
ナイアシンアミドには皮脂分泌を抑える可能性があります。
2%ナイアシンアミドを4週間使用し、皮脂分泌の低下がみられた研究もあります。
刺激が比較的少なく、毎日の皮脂ケアとして取り入れやすい成分です。
ライスパワーNo.6|皮脂分泌そのものにアプローチ
ライスパワーNo.6は、医薬部外品の有効成分として「皮脂分泌の抑制」という効能が認められている成分です。
皮膚表面に出た皮脂を取り除くだけではなく、過剰な皮脂分泌そのものにアプローチするのが特徴です。
スキンケアで改善しない皮脂・テカリには医療という選択肢
スキンケアや食生活を見直しても、
- 数時間ですぐに顔がテカる
- 鼻や額の皮脂が非常に多い
- 毛穴が目立つ
- ニキビを繰り返す
- メイクがすぐに崩れる
という場合には、医療によって皮脂分泌を抑える方法があります。
当院では症状に応じて、イソトレチノイン、マイクロボトックス、ポテンツァ・ブレッシングなどを使い分けています。
イソトレチノイン|皮脂が非常に多くニキビを繰り返す方に

イソトレチノインはビタミンA誘導体の内服薬で、主に重症・難治性ニキビに用いられます。
皮脂腺に強く作用し、
- 皮脂腺を縮小する
- 皮脂分泌を大きく抑える
- 毛穴の角化異常を改善する
- ニキビの炎症を抑える
といった複数の作用を持ちます。
特に皮脂分泌を抑える作用が非常に強いことが特徴で、過去の研究では治療条件によって皮脂産生が80〜90%程度減少した報告もあります。
そのため、
「皮脂が非常に多く、ニキビを繰り返している」
という方では有力な選択肢になります。
一方で、口唇・皮膚の乾燥、肝機能・脂質への影響などの副作用があり、妊娠中・妊娠の可能性がある方には使用できません。
そのため、医師の診察と管理のもとで使用する必要があります。
イソトレチノインの効果・飲み方・副作用などについては、イソトレチノインによるニキビ治療をご覧ください。
マイクロボトックス|テカリ+毛穴+ニキビが気になる方に

マイクロボトックスは、ボツリヌストキシン製剤を皮膚の浅い層に少量ずつ細かく注入する治療です。
通常のボトックスとは注入方法が異なり、
- 皮脂分泌の抑制
- 顔のテカリ改善
- 毛穴を目立ちにくくする
などを目的として行います。
皮内ボツリヌストキシン治療では、皮脂分泌や毛穴の改善を示した臨床研究があります。
また、近年では軽症〜中等症ニキビが改善したという研究も報告されています。
そのため、
「テカリ・皮脂・毛穴に加えて、ニキビも気になる」
という方では治療選択肢のひとつになります。
効果には個人差がありますが、皮脂や毛穴への改善は数か月程度持続することがあり、肌状態や希望に応じて繰り返し治療します。
ポテンツァ・ブレッシング|皮脂+毛穴+ニキビをまとめて治療

ポテンツァやブレッシングは、細い針を皮膚に挿入し、針先からRF(高周波)の熱エネルギーを届けるマイクロニードルRF治療です。
皮脂だけでなく、
- 毛穴
- ニキビ
- ニキビ跡
- 肌の凹凸や質感
などを一緒に改善したい場合に使用されます。
マイクロニードルRFでは皮脂分泌の減少も報告されています
マイクロニードルRFについては、治療後に皮脂分泌量が低下し、ニキビやニキビ跡も改善したという臨床研究があります。
また、別の研究では、治療後に皮脂腺の大きさや密度が低下したことも確認されています。
そのため、
「皮脂だけでなく毛穴・ニキビ・ニキビ跡も気になる」
という方では、ポテンツァやブレッシングといったマイクロニードルRFが選択肢になります。
ポテンツァによる毛穴・ニキビ・皮脂治療については、ポテンツァのページをご参照ください。
ブレッシングによる毛穴・ニキビ・肌質治療については、ブレッシングのページをご参照ください。
皮脂・テカリ対策は悩みに合わせて選ぶ
同じ「顔がテカる」というお悩みでも、皮脂だけなのか、ニキビ・毛穴・ニキビ跡まで伴うのかによって適した治療は異なります。
よくある質問
- 顔の皮脂やテカリを減らすにはどうすればいいですか?
-
まずは洗顔・保湿・食生活・スキンケア成分を見直します。皮脂を取りすぎるのではなく、過剰な皮脂分泌を適切にコントロールすることが大切です。
それでも改善しない場合は、肌状態に応じてイソトレチノイン、マイクロボトックス、ポテンツァ・ブレッシングなどの治療を検討することがあります。
- 顔の皮脂が多い原因は何ですか?
-
皮脂分泌には、ホルモン、遺伝や肌質、気温・湿度、ストレス、生活習慣などが関係します。
特に皮脂腺はアンドロゲンの影響を受けるため、思春期以降に皮脂分泌が増え、ニキビもできやすくなることがあります。
- テカリが気になるときは洗顔を増やした方がいいですか?
-
洗顔回数を増やしたり、強く洗ったりすることはおすすめしません。
過度な洗浄は乾燥や刺激につながるため、基本的には朝・夜を中心に、やさしく洗顔することが大切です。脂性肌でも適度な保湿を行いましょう。
- 皮脂を減らす食べ物はありますか?
-
現時点では、特定の食品を食べるだけで皮脂が減るとは明確に証明されていません。
一方で、高GI・高GLに偏った食生活とニキビや皮脂腺との関連は研究されています。
お菓子・菓子パン・砂糖入り飲料などを摂りすぎず、玄米、全粒穀物、野菜、豆類などをバランスよく取り入れることがおすすめです。
- 皮脂・テカリにおすすめのスキンケア成分は何ですか?
-
悩みによって選ぶ成分が異なります。
ニキビ・赤みも気になる方にはアゼライン酸、毛穴詰まり・角栓にはサリチル酸、皮脂分泌そのものが気になる場合にはナイアシンアミドやライスパワーNo.6などが選択肢になります。
- イソトレチノインは皮脂やテカリにも効果がありますか?
-
イソトレチノインは皮脂腺を縮小させ、皮脂分泌を強く抑える作用があります。
特に、皮脂分泌が非常に多く、ニキビを繰り返している方では有力な治療選択肢になります。
ただし、副作用や妊娠に関する重要な注意点があるため、医師の診察・管理のもとで使用する必要があります。
- ポテンツァ・ブレッシングやマイクロボトックスは顔のテカリに効果がありますか?
-
どちらも皮脂・テカリへの治療選択肢になりますが、適した症状が少し異なります。
マイクロボトックスは、テカリ・皮脂・毛穴が主なお悩みの方に向いています。
ポテンツァ・ブレッシングなどのマイクロニードルRFは、皮脂に加えて毛穴・ニキビ・ニキビ跡・肌質もまとめて改善したい方に向いています。
肌状態によって適した治療は異なるため、診察のうえで治療を選ぶことが大切です。
まとめ|上野・御徒町で皮脂・テカリ、毛穴・ニキビにお悩みの方へ
顔の皮脂やテカリは、ニキビ・毛穴・赤みなど、ほかの肌トラブルを伴っていることもあります。
当院では皮膚科・美容皮膚科の診察を行い、肌状態に合わせて、
- スキンケア・外用治療
- イソトレチノイン
- マイクロボトックス
- ポテンツァ
- ブレッシング
などから治療をご提案しています。
特に、
- 「スキンケアを変えても顔のテカリが改善しない」
- 「皮脂と毛穴を一緒に改善したい」
- 「皮脂が多く、ニキビを繰り返している」
という方は、一度肌状態を診察したうえで治療を選ぶことをおすすめします。
上野・御徒町で顔の皮脂・テカリ、毛穴、ニキビの治療をお探しの方は、お気軽にご相談ください。
それぞれの治療にかかる費用は、当院の料金表のページでご確認いただけます。
【参考文献】
- Kwon HH, Yoon JY, Hong JS, et al. Clinical and histological effect of a low glycaemic load diet in treatment of acne vulgaris in Korean patients: a randomized, controlled trial. Acta Derm Venereol. 2012;92(3):241-246. PMID: 22678562
- Draelos ZD, Matsubara A, Smiles K. The effect of 2% niacinamide on facial sebum production. J Cosmet Laser Ther. 2006;8(2):96-101. PMID: 16766489
- Sayed KS, Hegazy R, Gawdat HI, et al. The efficacy of intradermal injections of botulinum toxin in the management of enlarged facial pores and seborrhea: a split face-controlled study. J Dermatolog Treat. 2021;32(7):771-777. PMID: 31865815
- Elshabory O, Elgamal EAA, Abd El Hai ER, Elsaie ML. Efficacy of diluted botulinum toxin type A (Microbotox) in treatment of mild to moderate acne vulgaris. Arch Dermatol Res. 2025;317(1):283. PMID: 39825998
- Min S, Park SY, Yoon JY, Suh DH. Comparison of fractional microneedling radiofrequency and bipolar radiofrequency on acne and acne scar and investigation of mechanism: comparative randomized controlled clinical trial. Arch Dermatol Res. 2015;307(10):897-904. PMID: 26472097
- Lee KR, Lee EG, Lee HJ, Yoon MS. Assessment of treatment efficacy and sebosuppressive effect of fractional radiofrequency microneedle on acne vulgaris. Lasers Surg Med. 2013;45(10):639-647. PMID: 24249246
- Sirithanabadeekul P, Leetrakulwanna V, Suwanchinda A. A novel technique in reducing sebum production and improving atrophic acne scars. J Cosmet Dermatol. 2022;21(11):5872-5879. PMID: 35642576
- King K, Jones DH, Daltrey DC, Cunliffe WJ. A double-blind study of the effects of 13-cis-retinoic acid on acne, sebum excretion rate and microbial population. Br J Dermatol. 1982;107(5):583-590. PMID: 6215056
- 日本皮膚科学会. 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023. 日本皮膚科学会雑誌. 2023;133(3):407-450. ※PDFファイルが開きます
記事制作監修
院長 上條 広章(かみじょう ひろあき)
資格
- 東京大学医学部卒業
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)など
所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容皮膚科学会 など
※詳しくは医師紹介のページをご覧ください。

