ロゼックスゲルとは?使い方・効果から「効かないときの次の治療」まで皮膚科医が解説

「皮膚科でロゼックスゲルをもらったけれど、いつ、どの順番で塗ればいいの?」
「1か月使っているけれど、あまり良くならない」
「ブツブツは減ったけれど、赤ら顔が治らない。次はどうすればいい?」
酒さ・赤ら顔の診療では、このようなご相談をよく受けます。
ロゼックスゲル0.75%は、メトロニダゾールを配合した酒さに保険適用の塗り薬です。
特に、酒さの中でも赤いブツブツ(丘疹)や膿をもったブツブツ(膿疱)に効果が期待できます。
一方で、酒さのすべての症状にロゼックスゲルが効くわけではありません。
この記事では、ロゼックスゲルの使い方・効果・副作用から、効かない場合の次の治療まで皮膚科専門医が解説します。
ロゼックスゲルとは?
ロゼックスゲル0.75%は、メトロニダゾールを0.75%配合したゲル状の塗り薬です。
日本では酒さに対して保険適用があり、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」でも、丘疹膿疱型酒さに対する0.75%メトロニダゾールゲルは推奨度Aとされています。
ロゼックスゲルは抗生物質?なぜ酒さに効く?
メトロニダゾールは細菌や原虫に作用する抗菌薬・抗原虫薬です。
ただし、酒さに効く理由は単純に「菌を殺しているから」だけではありません。
メトロニダゾールには、抗炎症作用や抗酸化作用、活性酸素を抑える作用などがあり、これらが酒さの炎症を抑えることに関係すると考えられています。
酒さとは?

酒さは、主に顔の中央部に赤み・ほてり・毛細血管の拡張・赤いブツブツや膿疱などがみられる慢性の皮膚疾患です。
ヒリヒリ感や刺激感を伴うこともあり、症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すことがあります。
酒さには、赤いブツブツや膿疱が目立つタイプと、赤みや毛細血管拡張が目立つタイプがあり、症状によって適した治療が異なります。
酒さ(赤ら顔)の原因・症状のタイプ・ニキビとの見分け方・治療法や症例については、酒さ(赤ら顔)のページをご参照ください。
ロゼックスゲルの使い方・塗る順番
酒さでは、基本的に1日2回、朝と夜に使用します。
肌の状態にもよりますが、当院では、
洗顔
↓
低刺激の化粧水・乳液・クリーム
↓
ロゼックスゲル
↓
日焼け止め
↓
メイク
という順番をご案内することがあります。
酒さの肌は刺激に弱くなっていることが多いため、ロゼックスを直接塗るとヒリヒリする方では、先に保湿することで使用しやすくなる場合があります。
ただし、併用している薬や肌の状態によって塗り方が変わることがあるため、処方した医師から指示がある場合はそちらを優先してください。
ロゼックスゲルはどこに塗る?
赤いブツブツ1個ずつに点々と塗るというより、医師から指示された酒さの症状が出ている範囲に薄く塗ることが一般的です。
厚く塗れば効果が高くなるわけではありません。
ロゼックスゲルの上から日焼け止め・メイクはできる?
通常は可能です。
ロゼックスゲルを塗って乾いてから、日焼け止めやメイクを行います。
紫外線は酒さを悪化させる代表的な要因の一つなので、低刺激の日焼け止めによる紫外線対策も重要です。
ロゼックスゲルはいつから効く?
「何日塗れば効くの?」というのもよくある質問です。
ロゼックスゲルは、数日で酒さを治す薬ではありません。
日本人を対象とした臨床試験では、治療開始2週目から改善が認められ、その後12週まで効果が高まっています。
実際の診療では、
2~4週間ほどで変化を感じ始め、8~12週間かけて治療効果を評価する
ことが多いです。
そのため、
「1~2週間塗ったけれど変わらない」
という段階では、まだ効果を判断するには早いことがあります。
ロゼックスゲルはいつまで使う?
添付文書では、酒さに対する使用期間は通常12週間までとされています。
一方で、酒さは再発を繰り返しやすい慢性疾患のため、症状や副作用を確認しながら、医師の判断で12週間を超えて継続することもあります。
当院でも、症状が安定しているか、副作用がないかを確認しながら継続して使用することがあります。
そのため、12週間を超えたからといって必ず中止するわけではなく、肌の状態に合わせて継続・減量・中止などを判断していくことが大切です。
ロゼックスゲルは何に効く?どんな酒さに向いている?
ロゼックスゲルが特に得意とするのが、丘疹膿疱型酒さです。
つまり、
- 赤いブツブツ
- ニキビのような丘疹
- 膿をもったブツブツ
が目立つ酒さです。
日本人の酒さ患者130人を対象とした臨床試験では、12週間後に、
「炎症性皮疹が50%を超えて減少」かつ「赤みが1段階以上改善」
した患者さんは、
ロゼックスゲル:72.3%
基剤のみ:36.9%
でした。
そのため、ロゼックスゲルは特に赤いブツブツや膿疱を伴う酒さの治療で重要な薬です。
ロゼックスゲルは赤ら顔にも効く?
ロゼックスゲルを使用すると、炎症に伴う赤みは改善することがあります。
しかし、酒さの赤ら顔には、
①炎症による赤み
②毛細血管が広がったことによる赤み
などが混在しています。
ロゼックスゲルは炎症を抑える薬なので①には効果が期待できますが、拡張した毛細血管そのものを消す薬ではありません。
そのため、
「赤いブツブツは治ったけれど、頬の赤みは残っている」
という場合には、外用薬だけでは十分に改善しにくいことがあり、Vビームなど別の治療を検討することがあります。
ロゼックスゲルを使っても良くならない|次はどうすればいい?
ロゼックスゲルを使っても十分に改善しない場合は、単純に
「ロゼックスが効かなかった」
と考えるのではなく、今どの症状が残っているのか、そもそもその症状が酒さによるものなのかを確認することが大切です。
① 赤いブツブツ・膿疱が残っている
イベルメクチンクリーム、アゼライン酸、ビブラマイシンなどの内服治療を検討
特にニキビダニの関与が疑われる場合には、イベルメクチンクリームが選択肢になります。
② ブツブツは改善したが赤みが残っている
③ 赤み・炎症など複数の症状が残っている
症状に応じて、外用薬・内服薬・機器治療などを組み合わせることもあります
④ 赤みだけでなく、かゆみ・皮むけ・ヒリヒリ感などが強い
酒さだけではなく、花粉皮膚炎や接触皮膚炎などの湿疹・皮膚炎が重なっている可能性もあります
特に、季節によって悪化する、特定の化粧品やスキンケアを使ってから悪化した、かゆみや皮むけが目立つ場合には、酒さ以外の皮膚炎も考える必要があります。
大切なのは、「ロゼックスが効かなかった」と一括りにせず、残っている症状とその原因をあらためて見極めることです。
ロゼックスゲルとイベルメクチンクリームの違い

「ロゼックスで良くならなかった」という方で、次に候補になりやすい塗り薬の一つが、イベルメクチンクリーム1%です。
海外で962人を対象に行われた比較試験では、16週間後の炎症性皮疹の減少率は、
イベルメクチン:83.0%
メトロニダゾール:73.7%
で、イベルメクチンの方が高い改善率を示しました。
ただし、日本ではロゼックスゲルは酒さに対して承認された保険診療の薬である一方、イベルメクチンクリームは酒さに対して国内未承認です。
酒さとニキビダニ(顔ダニ)は関係する?
ニキビダニは医学的にはDemodex(デモデックス、毛包虫)と呼ばれ、毛穴や皮脂腺周辺に存在する微小なダニです。
健康な人の皮膚にも存在するため、
「ニキビダニがいる=病気」ではありません。
一方、酒さ患者ではニキビダニの密度が高いことが複数の研究で報告されています。
特に、
- 毛穴に一致した赤いブツブツが多い
- 膿疱を繰り返す
- ロゼックスなど通常の治療で改善しにくい
場合には、ニキビダニの関与を考えることがあります。
イベルメクチンには抗炎症作用だけでなく、ニキビダニに対する作用があります。
ニキビダニ(顔ダニ)の症状・検査・治療については、ニキビダニ(顔ダニ)のページをご参照ください。
ロゼックスゲルとアゼライン酸の違い

アゼライン酸も、酒さの赤いブツブツや炎症に使用されることがあります。
海外の比較試験では、15%アゼライン酸ゲルの方が0.75%メトロニダゾールゲルより、炎症性皮疹や紅斑の改善率が高かったという報告があります。
また、アゼライン酸はニキビにも効果が期待できるため、
「酒さもあるけれどニキビも気になる」
という方には選択肢になります。
一方、
- ピリピリ・ヒリヒリする
- かゆい
- 赤くなる
などの刺激を感じることがあり、肌が敏感な酒さでは使用量や頻度を調整する必要があります。
ロゼックス・イベルメクチン・アゼライン酸はどう使い分ける?
一番強い薬を選ぶのではなく、残っている症状に合わせて選ぶことが重要です。
というように使い分けます。
ロゼックスゲルの副作用|塗ったら赤くなることはある?
ロゼックスゲルは比較的使用しやすい薬ですが、
- 乾燥
- 赤み
- かゆみ
- ヒリヒリ感
- 灼熱感
- 刺激感
- かぶれ(接触皮膚炎)
などがみられることがあります。
酒さではもともと肌が敏感なので、薬の刺激で一時的に赤みが強くなる場合もあります。
塗るたびに強くヒリヒリする、明らかに赤みが増える、かゆみや腫れが出る
場合には、無理に使用を続けず医師に相談してください。
ロゼックスゲルとステロイドの違い
ロゼックスゲルとステロイドは、まったく異なる薬です。
ステロイドは湿疹やアトピー性皮膚炎などに非常に有効ですが、酒さの顔に自己判断で長期間使用すると、
- 毛細血管が目立つ
- 赤みが強くなる
- ニキビのようなブツブツが増える
など、酒さ様皮膚炎(いわゆるステロイド酒さ)を起こすことがあります。
顔の赤みが湿疹なのか、酒さなのかによって治療は異なるため、正確な診断が重要です。
ロゼックスゲルの値段は?
2026年8月時点、ロゼックスゲル0.75%の薬価は1gあたり62円です。
15gチューブでは930円で、3割負担の場合、
薬剤費は約280円
です。
実際の窓口負担には、診察料や処方箋料、調剤料などが別途かかります。
ロゼックスで赤みが治らない場合はVビームも選択肢

ロゼックスゲルは炎症を抑える薬ですが、拡張した毛細血管そのものを改善する薬ではありません。
そのため、
「ブツブツは良くなったけれど、頬や鼻の赤みが残っている」
という場合には、Vビームを検討することがあります。
Vビームは、血液中のヘモグロビンに反応する595nmのパルス色素レーザーで、
- 持続する赤み
- 毛細血管拡張
- 頬や鼻の赤み
などの改善を目的に使用します。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、紅斑毛細血管拡張型酒さに対して595nmパルス色素レーザーが治療選択肢の一つとして挙げられています。
ロゼックスを使用しても赤ら顔が残る場合には、残っている赤みが炎症によるものなのか、毛細血管拡張によるものなのかを見極めることが重要です。
Vビームによる酒さ・赤ら顔治療の効果・保険適用・回数・ダウンタイム・症例については、Vビームのページをご参照ください。
酒さ・赤ら顔にポテンツァ・ブレッシングなどのマイクロニードルRF
酒さ・赤ら顔では、症状によってポテンツァ・ブレッシングなどのマイクロニードルRFを選択することもあります。
これまでの研究では、マイクロニードルRFによる酒さの赤みや炎症の改善が報告されています。
当院では、毛細血管拡張が目立つ場合にはVビームを中心に検討し、炎症や皮膚全体の赤みなど複数の要素が関係している場合には、症状に応じてポテンツァ・ブレッシングなどを選択することもあります。
ポテンツァによる赤ら顔・酒さ治療の仕組み・症例・料金については、ポテンツァ・ポテンツァプライムのページをご参照ください。
当院の酒さ・赤ら顔治療|ロゼックスで良くならなかった方へ
酒さは、赤み・毛細血管拡張・丘疹・膿疱などの症状や、ニキビダニ・皮脂などの関与が一人ひとり異なります。
そのため、ロゼックスゲルで十分に改善しない場合には、現在どの症状が残っているのかを改めて評価することが大切です。
当院では症状に応じて、
を使い分けています。
ロゼックスゲルを処方され、
「使い方が合っているのか分からない」
「しばらく使ったけれど良くならない」
「ブツブツは良くなったけれど赤みだけ残った」
という場合には、現在残っている症状をあらためて評価することで、次の治療が見えてくることがあります。
ロゼックスゲルについてよくある質問
- ロゼックスゲルは1日何回塗りますか?
-
酒さでは基本的に1日2回、朝と夜に使用します。
- ロゼックスゲルはどのくらいで効きますか?
-
2~4週間ほどで変化を感じ始め、8~12週間ほどかけて治療効果を評価することが多いです。
- ロゼックスゲルは赤ら顔に効きますか?
-
炎症による赤みには効果が期待できますが、毛細血管拡張による赤みには効果が限定的です。
- ロゼックスゲルを使っても治らないのはなぜですか?
-
炎症が十分に抑えられていない場合だけでなく、毛細血管拡張やニキビダニなど、ロゼックスとは別の治療ターゲットが残っている可能性があります。
- ロゼックスとイベルメクチンはどちらが効きますか?
-
海外の比較試験では、丘疹・膿疱に対してイベルメクチンの方が高い改善率を示した報告があります。ただし、日本ではロゼックスは酒さに保険適用、イベルメクチンは酒さに対して国内未承認です。
- ロゼックスでブツブツは治ったのに赤みが残ったら?
-
毛細血管拡張による赤みが残っている可能性があります。その場合にはVビームなどを検討します。
まとめ|ロゼックスをもらったけれど使い方が分からない・治らない方へ
ロゼックスゲル0.75%は、酒さに保険適用の塗り薬で、特に赤いブツブツ・丘疹・膿疱に効果が期待できます。
一方、炎症に伴う赤みは改善することがありますが、毛細血管拡張による赤みにはVビームなど別の治療が必要になることがあります。
また、赤いブツブツが残る場合には、イベルメクチンクリームやアゼライン酸、内服治療などを検討します。
酒さ治療で大切なのは、「ロゼックスが効いたかどうか」だけでなく、今どの症状が残っているかを見極めることです。
「ロゼックスを使っても良くならない」「ブツブツは治ったのに赤みが残っている」という方もご相談ください。
当院では上野・御徒町で、保険診療からVビーム、ポテンツァ・ブレッシングなどまで、酒さ・赤ら顔の症状に合わせた治療を行っています。
参考文献
- 日本皮膚科学会.尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023.
- ロゼックスゲル0.75% 電子添文.独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA).
- Miyachi Y, Yamasaki K, Fujita T, Fujii C. Metronidazole gel (0.75%) in Japanese patients with rosacea: A randomized, vehicle-controlled, phase 3 study. J Dermatol. 2022;49(3):330-340. PMID: 34854112.
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- Elewski BE, Fleischer AB Jr, Pariser DM. A comparison of 15% azelaic acid gel and 0.75% metronidazole gel in the topical treatment of papulopustular rosacea: Results of a randomized trial. Arch Dermatol. 2003;139(11):1444-1450. PMID: 14623704.
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未承認医薬品・医療機器について
本ページで紹介しているイベルメクチンクリーム、イソトレチノイン、ポテンツァ・ブレッシングなどの一部の治療は、酒さ・赤ら顔に対して国内未承認、または承認された適応とは異なる目的で使用する場合があります。
これらは医師の判断のもと、適法な手続きにより入手・使用しています。国内に同一の性能・適応を有する承認医薬品・医療機器がない場合があります。
未承認医薬品・医療機器を使用した治療では、医薬品副作用被害救済制度等の公的な救済制度の対象とならない場合があります。
治療の適応、効果、副作用・リスクについては診察時にご説明します。
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |

