体のしこり・できものは何?危険なサインと見分け方・何科を受診?|粉瘤・脂肪腫・ホクロを皮膚科専門医が解説

「体にしこりができた」「このできものは何?」と不安に感じていませんか。
皮膚にできるできものの多くは良性ですが、見た目だけで正確に判断することは難しく、中には治療が必要なものや注意すべき疾患も含まれます。
特に、粉瘤(アテローム)・脂肪腫・ホクロ・イボは見た目が似ており、自己判断が難しい代表的な皮膚疾患です。
本記事では、体にできる代表的なできものの種類と見分け方、受診の目安について、皮膚科専門医の視点からわかりやすく解説します。
結論|このようなできものは注意が必要です
体のできものの多くは良性ですが、以下に当てはまる場合は注意が必要です。
- 急に大きくなってきた
- 出血や痛みがある
- 色や形が変化している
- 硬くて動かない
- 何の病気かわからず不安
まずはご自身の症状が当てはまるかを確認してみてください。
体にしこり・できものができる原因
体のしこりやできものは、以下のような原因で発生します。
- 皮脂や角質の詰まり(粉瘤)
- 脂肪細胞の増殖(脂肪腫)
- 加齢や紫外線の影響(イボ・ホクロ)
- 炎症や虫刺され後の反応(皮膚線維腫)
- 体質・遺伝的要因
これらは見た目が似ていても発生メカニズムが全く異なるため、治療方法も大きく異なります。
体のしこり・できものは大きく3つに分けられる
体にできるしこり・できものは、大きく分けて以下の3つのタイプに分類できます。
① しこりタイプ(皮膚の下にできる)
皮膚の内部にできるしこりで、触るとふくらみや塊を感じるタイプです。
- 粉瘤(アテローム)
- 脂肪腫
- 石灰化上皮腫
- 皮膚線維腫
② 盛り上がりタイプ(皮膚の表面)
皮膚の表面にできる、イボのように盛り上がるタイプです。
- 老人性イボ(脂漏性角化症)
- 軟性線維腫(アクロコルドン)
- ホクロ(色素性母斑)
③ 色のあるタイプ
色素を伴い、茶色や黒色を帯びるタイプです。
- ホクロ(色素性母斑)
- 老人性イボ(脂漏性角化症)
- 皮膚線維腫
代表的なできものの特徴と見分け方
■ 粉瘤(アテローム)|最も多く手術につながるできもの

皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂がたまる良性腫瘍です。
- 中央に黒い点(開口部)があることが多い
- 押すと臭いのある内容物が出ることがある
- 炎症を起こすと赤く腫れて痛みが出る
- 炎症を繰り返すことで周囲組織との癒着が強くなる
自然に消失することは基本的にないため、根本的な治療は袋ごと摘出する手術となります。
粉瘤と他のしこりとの違いについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
また、粉瘤の原因や治療法、よくある質問について詳しく知りたい方は、粉瘤のページもご覧ください。
■ 脂肪腫|柔らかくゆっくり大きくなる良性腫瘍

脂肪細胞が増殖してできる柔らかいしこりです。
- 触ると柔らかく、よく動く
- 痛みはほとんどない
- ゆっくり大きくなる
見た目の変化が少ないため長期間放置されることもありますが、大きくなると違和感や圧迫感が出ることがあります。また、まれに脂肪肉腫などの悪性腫瘍との鑑別が必要になるため、急速な増大や硬さの変化がある場合は注意が必要です。
脂肪腫の原因や治療について詳しく知りたい方は、脂肪腫のページもご覧ください。
■ 老人性イボ(脂漏性角化症)|加齢とともに増える良性腫瘍

加齢に伴ってできる良性の皮膚腫瘍です。
- 茶色〜黒色
- 表面がザラザラしている
- シミ(老人性色素斑)が盛り上がってできる
- 20代にもみられるが中高年に多い
見た目が気になる場合はサージトロンで除去可能です。
老人性イボの原因や治療について詳しく知りたい方は、老人性イボのページもご覧ください。
■ 軟性線維腫(アクロコルドン・スキンタッグ)|首や脇にできる柔らかいイボ

首や脇にできやすい小さな突起状の良性腫瘍です。
- 柔らかくぶら下がるような形
- 首や脇、股、まぶたなど摩擦部位にできやすい
- 痛みはない
アクセサリーにひっかかるなど日常生活に差し障る場合や、見た目が気になる場合は医療用はさみやサージトロンで除去可能です。
軟性線維腫の原因や治療について詳しく知りたい方は、軟性繊維腫のページもご覧ください。
■ ホクロ(色素性母斑)|変化がある場合は要注意

メラニン細胞が増えることでできる色素性病変です。
- 均一な色
- 形が整っている
- ゆっくり盛り上がってくることがある
- 急激な変化はしない
特に、悪性黒色腫(メラノーマ)との鑑別は重要であり、「色がまだら」「境界が不明瞭」「急激な変化がある」といった場合には早期受診が推奨されます。
ホクロの原因や治療について詳しく知りたい方は、ホクロのページもご覧ください。
■ 石灰化上皮腫(毛母腫)|石のように硬いしこり

皮膚の中に石灰の塊ができる腫瘍です。
- 触ると石のように硬い
- 小児や若年層に多い
- ゴツゴツした触感
自然消失は期待できず、基本的には外科的切除が治療となります。粉瘤と誤診されることもあるため、専門的な診察が重要です。
■ 皮膚線維腫|押すとへこむ特徴的な良性腫瘍

皮膚に線維(コラーゲン)が増えた良性の腫瘍です。
- 茶色〜赤褐色
- 触るとやや硬く、押すとへこむ(ディンプルサイン)
- 虫刺され後にできることがある
基本的には治療を必要としないことが多く、経過観察となりますが、見た目が気になる場合には切除を検討することもあります。
似ているできものの見分け方(重要ポイント)
見た目が似ているできものでも、触り心地や特徴からある程度の見分けが可能です。
- 中央に黒い点がある、中身にニオイがある → 粉瘤の可能性
- 柔らかくてよく動く → 脂肪腫の可能性
- 表面がザラザラしている → 老人性イボの可能性
- 押すとへこむ → 皮膚線維腫の可能性
また、以下のような間違いも非常に多く見られます。
- 粉瘤だと思っていたら脂肪腫だった
- イボだと思っていたらホクロだった
- ニキビだと思っていたら粉瘤だった
このように、見た目だけでは判断が難しいケースも多いため、自己判断には注意が必要です。
見分けのポイント(簡単チェック)
以下のポイントを確認すると、ある程度の見分けが可能です。
- 硬い or 柔らかい
- 動く or 固定されている
- 痛みがあるか
- 色があるか
- 急に大きくなったか
ただし、自己判断には限界があるため注意が必要です。
※見分けはあくまで目安であり、正確な診断は皮膚科専門医による診察が必要です。
放置するとどうなる?|体のできもののリスクと注意すべきサイン
体のできものの多くは良性ですが、種類によっては放置することで症状が悪化することがあります。
例えば粉瘤は炎症を繰り返すことで線維化が起こり、周囲の皮膚が硬くなります。その結果、手術が難しくなり、傷跡や治療負担が大きくなる可能性があります。
また、頻度は高くありませんが、見た目が似ているだけで悪性腫瘍が含まれているケースもあります。
特に、急に大きくなる、出血する、色がまだらになる、形がいびつになる、強い痛みや赤み・腫れを伴うといった変化は、通常の良性病変とは異なる経過を示している可能性があります。
「問題ないと思っていたできものでも、注意が必要な状態に変化している可能性がある」点には注意が必要です。
受診の目安と治療が必要なケース|何科を受診すべき?
体にしこりやできものがある場合は、まず皮膚科での診察が基本です。
特に、症状の変化がある場合や、同じ部位で繰り返す場合、痛みや赤みを伴う場合、また診断がつかず不安がある場合には、専門的な診察を受けることが重要です。
また、見た目が気になる場合や、炎症を繰り返す粉瘤のような病変、大きくなるしこり、悪性の可能性が否定できないケース、日常生活に支障がある場合には、治療を検討する必要があります。
早期に診断・治療を行うことで、より負担の少ない処置で対応できる可能性が高くなります。
当院では皮膚科専門医が、ダーモスコピー(拡大鏡)や触診を用いて診断を行い、症状に応じた最適な治療をご提案しています。
受診から治療までの流れ
- 診察・ダーモスコピー検査
ダーモスコピー検査の方法、費用、対象の症状についてはダーモスコピー検査のページをご覧ください。 - 診断説明
- 治療方針決定
- 当日または後日処置
- アフターケア
当院では可能な限り当日治療にも対応しています
当院の詳しい受診方法、必要なもの、事前問診票などについては、初診の方へのページをご参照ください。
皮膚科での治療方法
できものの種類に応じて、以下のような治療が行われます。
- 手術(粉瘤・脂肪腫・石灰化上皮腫など)
- サージトロン(イボ・ホクロ)
- 経過観察
正確な診断に基づいた治療選択が重要です。
当院で行っている手術法、対象の症状、治療症例については日帰り手術のページをご覧ください。
よくある質問
- 体のしこりは何科を受診すればいいですか?
-
体のしこりやできものは、まず皮膚科で診断可能です。当院ではイボから粉瘤まで幅広く対応でき、必要に応じて外科的治療も行います。
- 押すと動くしこりは大丈夫ですか?
-
押すと動くしこりは粉瘤や脂肪腫の可能性があり、多くは良性です。ただし、見た目だけでの判断は難しいため、正確な診断には医師の診察が必要です。
- 硬いしこりは危険ですか?
-
硬いしこりは石灰化上皮腫や皮膚線維腫などの可能性がありますが、一部には注意が必要な病変も含まれます。硬さだけで安全とは言い切れないため、診察を受けることが重要です。
- しこりは放置しても大丈夫ですか?
-
種類によっては問題ない場合もありますが、粉瘤のように炎症を繰り返すものや、徐々に大きくなるものもあります。また、まれに悪性腫瘍が含まれることもあるため、自己判断での放置はおすすめできません。
- 急に大きくなるできものは何が考えられますか?
-
炎症を起こした粉瘤や感染、悪性腫瘍などが考えられます。急激な変化は通常の経過ではないため、早めの診察が必要です。
- 痛くないしこりでも受診したほうがいいですか?
-
はい、痛みがなくても脂肪腫や粉瘤など治療が必要な場合があります。無症状でも大きくなることがあるため、一度診断を受けることが安心です。
- 子供のしこりは大丈夫ですか?
-
子供のしこりの多くは良性ですが、自己判断は避けることが重要です。
代表的なものに石灰化上皮腫があり、触ると硬いしこりとして感じられます。多くは緊急性はありませんが、自然に消えることは少なく、徐々に大きくなることもあります。見た目だけでは判断が難しいため、一度皮膚科での診察をおすすめします。
- 粉瘤は自分で潰していいですか?
-
粉瘤は自分で潰すことはおすすめできません。
一時的に中身が出ても袋が残るため再発しやすく、感染を起こして腫れや痛みが悪化することがあります。粉瘤は袋ごと取り除くことで治るため、皮膚科での治療が必要です。
まとめ|しこり・できものは早期診断が重要
体のできものは多くが良性ですが、見た目だけで正確に判断することは難しい場合があります。
「これは大丈夫?」「取った方がいい?」と迷った場合は、早めに皮膚科での診察を受けることが安心です。
当院では、皮膚科専門医ができものの診断から治療まで対応しております。日帰りでの手術にも対応していますのでお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |



