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2026.05.18

盛り上がるニキビ跡とは?しこり・ケロイド・肥厚性瘢痕の違いと皮膚科での治療法

コラム 盛り上がるニキビ跡とは?しこり・ケロイド・肥厚性瘢痕の違いと皮膚科での治療法のサムネイル画像

ニキビ跡というと、クレーターのようにへこむタイプや赤み・色素沈着をイメージする方が多いかもしれません。しかし、炎症が強かったニキビの部位や、あご・フェイスライン・胸・背中などでは、皮膚が硬く盛り上がるタイプのニキビ跡が残ることがあります。

盛り上がるニキビ跡には、肥厚性瘢痕・ケロイド・炎症後のしこり・粉瘤などが含まれることがあり、見た目だけでは判断が難しい場合もあります。治療法もへこむタイプとは異なり、注射・外用薬・テープ剤・レーザーなどを状態に合わせて組み合わせて検討します。

クレーターを含めたニキビ跡全体の治療については、ニキビ跡治療ページもご覧ください。

盛り上がるニキビ跡とは

鏡をみてできものをきにする女性

盛り上がるニキビ跡とは、ニキビの炎症が治ったあとに皮膚が平らに戻らず、肌色〜白色の盛り上がりや赤く硬い盛り上がりとして残る状態です。

ニキビの炎症が強く起こると、皮膚が修復される過程でコラーゲンが過剰に作られることがあります。その結果、硬さ・赤み・かゆみ・痛みを伴う盛り上がりとして残ることがあります。

特にあご・フェイスライン・胸・背中・肩・うなじなどでは、肥厚性瘢痕やケロイドのような盛り上がった瘢痕ができやすい傾向があります。

盛り上がるニキビ跡の主なタイプ|肥厚性瘢痕・ケロイド・しこり・粉瘤の違い

盛り上がるニキビ跡に見えても、実際にはいくつかの状態が含まれます。

タイプ特徴治療の考え方
肥厚性瘢痕ニキビがあった範囲に肌色や白色の硬い盛り上がりが残る注射、外用薬、テープ剤、レーザーなど
ケロイド元の炎症範囲を超えて広がる、赤い硬い盛り上がり注射、外用薬、テープ剤、レーザーなど
炎症後のしこりまだ炎症が残って硬く触れる状態まずニキビの炎症を抑える
粉瘤・炎症性粉瘤ニキビ跡ではなく袋状のできものの場合がある必要に応じて手術
凹みと盛り上がりが混在する瘢痕クレーター、硬さ、赤みが混ざる状態に応じてニキビ跡治療を組み合わせる

肥厚性瘢痕

ニキビや傷があった範囲内で、肌色〜白色に盛り上がる状態です。時間とともに少しずつ落ち着くこともありますが、硬さや盛り上がり・つるつるとした質感が長く残ることがあります。

ケロイド

元のニキビや傷の範囲を超えて赤く硬く広がる状態です。胸・肩・背中・フェイスラインにできやすく、かゆみや痛みを伴うこともあります。

肥厚性瘢痕やケロイドについての詳細や治療については、肥厚性瘢痕のページでも解説しています。

炎症後のしこり

まだ炎症が残っているニキビでは、しこりニキビのように硬く触れることがあります。この場合は、ニキビ跡治療よりも先に炎症性ニキビとして治療することが重要です。

粉瘤との見分け方

「ニキビ跡のしこり」と思っていたものが、実際には粉瘤のことがあります。以下に当てはまる場合は粉瘤の可能性があります。

  • 中心に黒い点がある
  • 何度も繰り返し腫れる
  • 押すとにおいのある内容物が出る

粉瘤の特徴や手術治療について詳しく知りたい方は、粉瘤のページもご覧ください。

盛り上がるニキビ跡ができやすい部位

盛り上がるニキビ跡は、以下の部位にできやすい傾向があります。

  • あご・フェイスライン
  • 背中
  • うなじ・首まわり

特に胸・背中・肩はケロイドや肥厚性瘢痕ができやすい部位です。顔のニキビ跡では、凹み・赤み・硬さが混在していることもあります。

盛り上がるニキビ跡は自然に治る?

炎症が残っているしこりは、時間とともに改善することがあります。一方で、肥厚性瘢痕やケロイドとして硬く盛り上がったものは、自然に完全に平らになるとは限りません

赤み・硬さ・かゆみ・痛みが続く場合や、盛り上がりが広がっている場合は、早めに皮膚科で診断を受けることをおすすめします。

盛り上がるニキビ跡の治療法

盛り上がるニキビの治療法一覧

盛り上がりや硬さを抑える治療、炎症や赤みを抑える治療、質感や凹凸を整える治療を組み合わせて考えます。

保険適用と自費の目安

治療法保険適用備考
ステロイド局所注射保険適用診断・状態により適用
外用薬・テープ剤保険適用診断・状態により適用
内服薬(リザベン)保険適用診断・状態により適用
レーザー治療(Vビーム自費の場合あり疾患・目的により異なるため要確認
ポテンツァトライフィルプロブレッシング自費要相談
手術(粉瘤など)保険適用診断・状態により適用

※保険適用の可否は、病名・状態・治療内容によって異なります。詳しくは診察時にご確認ください。

ステロイド局所注射【保険適用】

赤く硬く盛り上がるケロイドや厚みのある肥厚性瘢痕では、ステロイド局所注射を行うことがあります。炎症や過剰なコラーゲン産生を抑え、盛り上がり・硬さ・かゆみ・痛みの改善を目指す治療です。

通院の目安

月1回程度、3〜5回

注射部位のへこみ・毛細血管拡張・色素変化などが起こることもあるため、盛り上がりの厚み・部位・赤み・硬さを確認しながら慎重に調整します。

外用薬・テープ剤【保険適用】

肥厚性瘢痕やケロイドには、ステロイドのテープ剤や外用薬を使用することがあります。赤み・かゆみ・硬さを抑える目的で、継続的に使い続けることが大切です。胸・肩・背中など、ケロイドができやすい部位では長期的に使用することもあります。

治療期間の目安

数か月〜1年以上の継続が必要なこともあります

内服薬(リザベン)【保険適用】

ケロイドや肥厚性瘢痕には、リザベン(トラニラスト)を使用することがあります。炎症や線維化に関わる反応を抑え、赤み・硬さ・かゆみの改善を目的に使用します。

まれに膀胱炎のような症状(排尿時の違和感・血尿など)が副作用として出ることがあるため、気になる症状があればすぐにご相談ください。

レーザー治療(Vビーム)

赤みが強い場合には、血管に反応するVビーム治療を検討することがあります。盛り上がりそのものだけでなく、赤みに関わる血管に反応し赤みを改善します。赤みが目立つニキビ跡と硬く盛り上がった瘢痕では治療の考え方が異なるため、皮膚の状態に応じた判断が必要です。

Vビームによる肌の赤みの治療、治療の仕組み、治療症例、料金については、Vビームのページをご参照ください。

ニキビ治療

まだ炎症性ニキビが残っている場合は、ニキビ跡治療よりも先に炎症を抑えることが大切です。新しい炎症を繰り返すと、肥厚性瘢痕やケロイドのような盛り上がるニキビ跡が増える可能性があります。

そのため、しこりニキビや赤く腫れるニキビを繰り返している場合は、まずニキビ治療で炎症をコントロールすることをおすすめします。

ニキビ治療に使用する薬の解説や治療のポイントについては、ニキビの治療ページをご参照ください。

質感・凹凸を整える治療

盛り上がりだけでなく、凹み・癒着・硬さ・毛穴感などが混在している場合には、ニキビ跡全体の質感を整える治療を組み合わせることがあります。状態によってはポテンツァトライフィルプロブレッシングなどを検討します。

ただし、これらは盛り上がったケロイドを直接平らにする主治療ではなく、凹みや癒着・質感の不整が混在している場合に検討する治療です。赤く活動性の強いケロイドや盛り上がりが広がっている状態では、まず注射や外用薬で炎症・増殖性を抑えることを優先します。

手術治療

粉瘤・炎症性粉瘤が疑われる場合は、ニキビ跡治療ではなく手術が必要になることがあります。ケロイドの手術は再発しやすいため、単独では行わず、注射・圧迫・放射線治療などを組み合わせて慎重に検討します。

治療法の選び方

盛り上がるニキビ跡は、見た目が似ていても治療法が異なります。

状態主な治療方針
肌色〜白色に盛り上がる肥厚性瘢痕を考え、外用薬・テープ剤・注射・レーザーなどを検討
赤く硬く、元の範囲を超えて広がるケロイドを考え、ステロイド注射・テープ剤・内服薬などを検討
かゆみや痛みがある炎症や増殖性を抑える治療を優先
しこりニキビが残っているまずニキビの炎症を抑える
粉瘤が疑われる必要に応じて手術治療
凹みや癒着、硬さが混在しているポテンツァ、トライフィルプロ、ブレッシングなどを検討
赤みが目立つVビームなど血管に反応するレーザーを検討

皮膚科で診察を受けた方がよいケース

次のような場合は、皮膚科での診察をおすすめします。

  • ニキビ跡が硬く盛り上がっている
  • 赤み、かゆみ、痛みが続く
  • 胸や背中の盛り上がりが増えている
  • しこりが何か月も残っている
  • 粉瘤かニキビ跡かわからない
  • 凹みと盛り上がりが混在している
  • 自分に合う治療法がわからない

盛り上がるニキビ跡は、クレータータイプとは治療法が異なります。自己判断で強い刺激を加えたり、無理に潰したりせず、まずは診察で状態を確認することが大切です。

よくある質問

盛り上がるニキビ跡は自然に治りますか?

炎症後のしこりは自然に改善することがありますが、肥厚性瘢痕やケロイドは残ることがあります。赤み、硬さ、かゆみ、痛みが続く場合は皮膚科で相談しましょう。

ニキビ跡が硬く盛り上がる原因は何ですか?

ニキビの炎症が強く起こると、皮膚が修復される過程でコラーゲンが過剰に作られることがあります。その結果、皮膚が平らに戻らず、硬い盛り上がりとして残ることがあります。肥厚性瘢痕やケロイド、炎症後のしこりなどが原因になることがあります。

肥厚性瘢痕とケロイドの違いは何ですか?

肥厚性瘢痕は、ニキビや傷があった範囲内で、肌色〜白色に盛り上がる状態です。一方、ケロイドは元のニキビや傷の範囲を超えて、赤く硬く広がることがあります。見た目が似ていることもあるため、診察で状態を確認することが大切です。

肥厚性瘢痕とケロイドの違い、治療症例についてはケロイド・肥厚性瘢痕のページをご参照ください。

ニキビ跡のしこりと粉瘤は違いますか?

違います。ニキビ跡のしこりは、炎症や瘢痕によって硬く触れる状態です。一方、粉瘤は皮膚の下に袋状のできものができる病気です。何度も腫れる、中心に黒い点がある、押すとにおいのある内容物が出る場合は、粉瘤の可能性があります。

胸や背中のニキビ跡が盛り上がるのはケロイドですか?

胸や背中、肩は、肥厚性瘢痕やケロイドができやすい部位です。特に、元のニキビの範囲を超えて赤く硬く広がる場合は、ケロイドの可能性があります。ただし、炎症性ニキビ、粉瘤、毛包炎などが混ざっていることもあるため、自己判断せず診察を受けることをおすすめします。

盛り上がるニキビ跡の治療は保険が使えますか?

肥厚性瘢痕やケロイドに対するステロイド注射・外用薬・テープ剤・リザベン内服は、診断・状態によって保険適用となることがあります。一方、Vビームポテンツァトライフィルプロなどの機器を使った治療は自費となります。詳しくは診察時にご確認ください。

治療はどのくらいの期間・回数がかかりますか?

 治療法や状態によって異なります。ステロイド注射は月1回程度・3〜5回が目安です。外用薬・テープ剤は数か月〜1年以上の継続が必要なこともあります。いずれも効果を確認しながら継続していくことが大切です。

盛り上がるニキビ跡にポテンツァやトライフィルプロを使うことはありますか?

状態によっては使うことがあります。ただし、盛り上がったケロイドを直接平らにする主治療というより、凹み、癒着、硬さ、質感の不整が混在している場合に検討する治療です。まずは、肥厚性瘢痕、ケロイド、炎症性ニキビ、粉瘤などを見極めることが大切です。

まとめ

盛り上がるニキビ跡には、肥厚性瘢痕・ケロイド・炎症後のしこり・粉瘤などが含まれることがあります。見た目が似ていても治療法はそれぞれ異なるため、まずは状態を正しく見極めることが大切です。

  • 肌色〜白色に盛り上がる肥厚性瘢痕 → ステロイド注射・外用薬・テープ剤・レーザーなど(注射・外用薬・内服薬は保険適用)
  • 赤く硬く広がるケロイド → ステロイド注射・外用薬・テープ剤・内服薬など(保険適用)
  • 凹みや硬さ・質感が混在 → 状態に応じてニキビ跡治療を組み合わせ

当院では、皮膚科専門医が状態を確認し、保険診療で対応できる治療と、自費診療で質感改善を目指す治療の両方から、お一人おひとりに合った方法をご提案します。次のようなお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

  • ニキビ跡が硬く盛り上がっている
  • 胸・背中・あごのしこりが気になる
  • ケロイドか肥厚性瘢痕かわからない
  • 赤み・かゆみ・痛みが続いている
  • 保険で治療できるか知りたい

診察のご予約・お問い合わせは[こちら]

参考文献

  1. 日本創傷外科学会.ケロイド・肥厚性瘢痕診療ガイドライン.形成外科診療ガイドライン2 急性創傷/瘢痕ケロイド.金原出版.2015. ※PDFファイルが開きます。
  2. Ogawa R. Keloid and Hypertrophic Scars Are the Result of Chronic Inflammation in the Reticular Dermis. Int J Mol Sci. 2017;18(3):606. PMID: 28287424.
  3. Walsh LA, Wu E, Pontes D, Kwan KR, Poondru S, Miller CH, Kundu RV. Keloid treatments: an evidence-based systematic review of recent advances. Syst Rev. 2023;12(1):42. PMID: 36918908.
  4. Juhasz MLW, Cohen JL. Microneedling for the Treatment of Scars: An Update for Clinicians. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2020;13:997-1003. PMID: 33376377.

この記事を書いた人

上條 広章

上野御徒町ファラド皮膚科 院長

上條 広章(かみじょう ひろあき)

  • 資格
    • 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
    • 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
    • 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
    • 日本レーザー医学会専門医
  • 所属学会
    • 日本皮膚科学会
    • 日本美容外科学会(JSAS)
    • 日本美容皮膚科学会
    • 日本レーザー医学会
  • 受賞歴
    • 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
    • 第20回マルホ研究賞
    • Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research

略歴

2012年 東京大学医学部医学科 卒業
2014年 藤枝市立総合病院 初期研修 修了
2014年 東京警察病院 皮膚科
2016年 東京大学医学部附属病院 皮膚科
2019年 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教
アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当
2021年 都内大手美容外科 入職
2022年 都内大手美容外科 本院 部長
美容皮膚科治療監修を担当
2022年 上野御徒町ファラド皮膚科 開院
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