傷跡の赤みはいつまで続く?消えない原因と対処法・Vビーム治療を皮膚科専門医が解説
傷跡の赤みはいつまで続く?消えない原因と対処法・Vビーム治療を皮膚科専門医が解説
ニキビ跡やケガの跡、手術跡、美容整形後の傷跡など、「傷は治ったのに赤みだけがなかなか消えない」とお悩みの方は少なくありません。
傷跡の赤みは、傷が治る過程でみられる自然な変化のひとつですが、長く続く場合や盛り上がりを伴う場合には、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性もあります。
この記事では、傷跡が赤くなる原因や赤みがいつまで続くのか、自宅でできる対処法、Vビームによる治療について皮膚科専門医が解説します。
傷跡の赤みはいつまで続く?自然に消える?
一般的な傷跡の赤みは、時間の経過とともに徐々に薄くなっていくことが多いです。
数か月程度で改善することもありますが、傷の状態によっては1年以上かけてゆっくり目立たなくなることもあります。
赤みが続く期間には、
- 傷の深さや大きさ
- 傷が治るまでにかかった期間
- 炎症の強さ
- 傷ができた場所
- 傷にかかる張力
- 紫外線の影響
- 傷跡が盛り上がりやすい体質
などが関係します。
そのため、「手術から数か月経っているのに傷跡がまだ赤い」という場合でも、必ずしも異常とは限りません。
ただし、赤みが強くなる、傷跡が盛り上がる、硬くなる、痛みやかゆみを伴う場合には注意が必要です。
赤い傷跡は「平らな赤み」「肥厚性瘢痕」「ケロイド」に分けて考える

傷跡の赤みを治療するときは、「赤い」という見た目だけでなく、傷跡が平らなのか、盛り上がっているのかを確認することが重要です。
肥厚性瘢痕は、傷が治る過程でコラーゲンなどが過剰に作られ、主にもとの傷の範囲内で盛り上がった状態です。活動性が高い時期には赤みや硬さ、かゆみなどを伴うことがあります。
一方、ケロイドは、もとの傷の範囲を超えて周囲に広がることが特徴で、赤みや盛り上がり、かゆみ、痛みを伴うことがあります。
肥厚性瘢痕やケロイドでは、赤みだけでなく炎症や盛り上がり自体を治療する必要があります。状態に応じて、ステロイドテープ、ステロイド注射(ケナコルト注射)、トラニラスト(リザベン)などの内服薬を組み合わせ、症例によってはボトックス(ボツリヌストキシン)注射を行うこともあります。
赤く盛り上がる傷跡になる原因や体質、治療法については、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療ページもご参照ください。
手術跡の赤みが消えないのは大丈夫?
手術後の傷跡も、治癒の過程で一時的に赤くなることがあります。
手術後、数週間から数か月の経過で傷跡の赤みが目立つこともありますが、その後、傷跡が成熟するにつれて徐々に落ち着いていくことが一般的です。
一方、傷跡が徐々に盛り上がる、硬くなる、かゆみや痛みがある、もとの傷の範囲を超えて広がる場合には、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。
平らな傷跡に赤みだけが長く残っている場合には、Vビーム治療が選択肢となることがあります。
脂肪吸引や美容整形後の傷跡の赤みも治療できる?
脂肪吸引や二重整形、フェイスリフト、豊胸手術など、美容整形後の傷跡にも赤みが長く残ることがあります。
多くは時間とともに薄くなりますが、「脂肪吸引の傷跡が赤い」「美容整形後の切開跡が目立つ」「数か月経っても傷跡の赤みが消えない」といった場合には、Vビーム治療が選択肢となります。
特に、傷跡が平らで赤みが目立つ場合には、Vビームで赤みの原因となる血管をターゲットにすることで改善が期待できます。
美容整形を受けたクリニックには傷跡について相談しにくいという場合でも、傷そのものが治癒したあとに赤みが残っている場合には、皮膚科で治療が可能か判断することができます。
ただし、術後間もない時期に赤みや腫れ、痛みが急に強くなった場合や、膿が出る場合などは、まず手術を受けた医療機関へ相談しましょう。
傷跡の赤みを消したいときに自分でできる対処法
1.紫外線対策をする
紫外線の影響によって傷跡に色素沈着が加わると、赤みだけでなく茶色い色素も残り、傷跡がさらに目立ちやすくなることがあります。
日焼け止めや衣服などで紫外線を避け、Vビームなどのレーザー治療中もUVケアを継続しましょう。
2.傷跡をこすらない・刺激しない
傷跡を強くこすったり、繰り返し掻いたりすると、炎症が長引く原因になることがあります。
必要以上に触らず、摩擦や刺激を避けることが大切です。
3.盛り上がりや痛みがある場合は早めに受診する
傷跡が平らで赤みだけが残っている状態と、肥厚性瘢痕やケロイドでは治療方法が異なります。
盛り上がりや硬さ、かゆみ、痛みが出てきた場合には、早めに皮膚科を受診しましょう。
ニキビ跡の赤みが消えない原因と対処法
ニキビが治ったあとに赤みだけが長く残ることがあり、「炎症後紅斑(PIE:Post-inflammatory erythema)」と呼ばれる状態のことがあります。
ニキビによる炎症で毛細血管が拡張したり増えたりすることで、ニキビ自体が治ったあとも赤みが残ります。
ニキビ跡の赤みを改善するためには、残っている赤みを治療するだけでなく、新しいニキビを繰り返さないことも重要です。
当院では、ニキビの状態に応じた治療を行いながら、アゼライン酸やトラネキサム酸などの外用治療を組み合わせ、赤みが強く残る場合にはVビーム治療を併用することがあります。
ニキビ跡には赤みだけでなく、色素沈着やクレーターなどさまざまなタイプがあります。ニキビ跡の種類と治療方法については、ニキビ跡の治療ページで詳しく解説しています。
傷跡の赤みを早く改善したい場合はVビーム治療という選択肢

傷跡の赤みには、赤みの原因となる血管をターゲットとするVビームレーザー治療が選択肢となります。
Vビームは、595nmの波長を用いるパルス色素レーザーです。
血液中のヘモグロビンに反応し、傷跡の赤みの原因となっている血管を選択的にターゲットとします。
Vビームは、次のような傷跡の赤みに使用されることがあります。
- ニキビ跡の赤み
- ケガの傷跡の赤み
- 手術跡の赤み
- 脂肪吸引や美容整形後の傷跡の赤み
- ホクロやイボ除去後の傷跡の赤み
- 赤みを伴う肥厚性瘢痕やケロイド
特に、傷跡は平らでも赤みだけが長く残っている場合には、Vビームが適している可能性があります。
一方、赤く盛り上がっている、硬くなっている、かゆみや痛みがある場合には、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があり、ステロイド治療などを併用することがあります。
そのため、「傷跡が赤い」という同じ症状でも、傷跡の状態を診察したうえで適した治療を選ぶことが重要です。
傷跡の赤みにVビームは何回くらい必要?
傷跡の赤みは、Vビームを1回照射しただけですべてなくなるわけではありません。
当院では、赤みの強さや傷跡の状態に応じて3~10回程度を目安に治療をご提案することがあります。
必要な回数には個人差があるため、赤みの程度や治療への反応を確認しながら調整します。
手術後の傷跡にVビームはいつからできる?
Vビームを開始できる時期は、手術の内容や傷の治り方によって異なります。
当院では、創傷治癒反応がある程度落ち着く手術後3か月頃を目安にVビーム治療を開始しています。
傷がしっかり閉じているか、感染や強い炎症がないかを確認したうえで、適切な治療開始時期を判断します。
傷跡のVビーム治療にダウンタイムはある?
Vビーム治療後には、一時的な赤みや腫れが生じることがあります。また、照射条件によっては内出血のような紫斑が1週間ほど出ることもあります。
治療後は患部を強くこすらず、保湿と紫外線対策を行いましょう。
当院の症例
症例1 【20歳代女性】目の下の傷跡(肥厚性瘢痕)

傷跡(肥厚性瘢痕)の赤みに3回Vビーム照射を行いました。赤みがかなり減っています。
| 施術 | Vビームレーザー治療 3回 |
|---|---|
| 費用 | 傷跡に対するVビームレーザー 狭い範囲 10,780円(税込)(本施術では総額32,340円(税込)) |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血など |
症例2 【30歳代女性】右腕の傷跡(ケロイド)

右腕の傷跡(ケロイド)の赤みに5回Vビーム照射を行いました。赤みがかなり減っています。
| 施術 | Vビームレーザー治療 5回 |
|---|---|
| 費用 | 傷跡に対するVビームレーザー 狭い範囲 10,780円(税込)(本施術では総額53,900円(税込)) |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血など |
症例3 【30歳代女性】上口唇の傷あと(ケロイド)

ケガの跡が盛り上がりケロイドになっています。9回Vビーム照射を行いました。赤みがかなり減っています。
| 施術 | Vビームレーザー治療 9回 |
|---|---|
| 費用 | 傷跡に対するVビームレーザー 狭い範囲 10,780円(税込)(本施術では総額97,020円(税込)) |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血など |
症例4 【20歳代男性】ニキビ跡の赤み

ニキビ跡の赤みにVビーム治療を5回行いました。赤みが目立たなくなっています。
| 施術 | Vビームレーザー治療 5回 |
|---|---|
| 費用 | 傷跡に対するVビームレーザー 狭い範囲 10,780円(税込)(本施術では総額53,900円(税込)) |
| 副作用・リスク | 腫れ・内出血など |
よくある質問
- 傷跡の赤みはどのくらいで消えますか?
-
傷跡の赤みは、一般的に時間の経過とともに徐々に薄くなります。
数か月で改善することもありますが、傷の状態によっては1年以上かかることもあります。
赤みが強くなる、盛り上がる、痛みやかゆみがある場合は皮膚科を受診しましょう。
- ニキビ跡の赤みにVビームは効果がありますか?
-
ニキビが治ったあとに残る赤みには、Vビームが治療の選択肢となります。
赤みの原因となる血管をターゲットとして治療します。
新しいニキビが続いている場合は、ニキビ自体の治療も同時に行うことが大切です。
- 傷跡の赤みにVビームは何回くらい必要ですか?
-
Vビームは1回ではなく、複数回の治療が必要になることが一般的です。
当院では、赤みの強さや傷跡の状態に応じて3~10回程度を目安にご提案することがあります。
必要な回数には個人差があるため、治療への反応を確認しながら調整します。
- 傷跡の赤みに市販薬や塗り薬は効果がありますか?
-
血管の増加や拡張による傷跡の赤みは、市販の塗り薬だけでは改善が難しいことがあります。
傷跡の種類によって必要な治療は異なります。
赤みが長く続く場合は、Vビームなどが適しているか皮膚科で相談しましょう。
- 脂肪吸引や美容整形後の傷跡にもVビーム治療はできますか?
-
脂肪吸引や美容整形後に傷は治っているものの赤みが残る場合、Vビームが治療の選択肢となります。
赤く盛り上がっている場合には、肥厚性瘢痕やケロイドに対する治療が必要なことがあります。
傷跡の状態を診察したうえで、適した治療を判断します。
- 手術後の傷跡にVビームはいつからできますか?
-
治療を開始できる時期は、手術内容や傷の治り方によって異なります。
当院では、創傷治癒反応がある程度落ち着く手術後3か月頃を目安にVビーム治療を開始しています。
傷がしっかり閉じているか、感染や強い炎症がないかを確認したうえで判断します。
- ホクロやイボ除去後の赤みにVビームは効果がありますか?
-
ホクロやイボ除去後に傷は治っているものの赤みが長く残る場合、Vビームが治療の選択肢となることがあります。
一方、茶色い色素沈着や盛り上がった傷跡では適した治療が異なります。
傷跡の状態を確認したうえで、Vビームが適しているか判断します。
まとめ|傷跡の赤みが消えない場合は上野御徒町ファラド皮膚科へご相談ください
ニキビ跡やケガの跡、手術跡、脂肪吸引・美容整形後、ホクロ・イボ除去後などの傷跡の赤みは、多くの場合、傷が治る過程でみられる自然な変化です。
時間とともに徐々に目立たなくなることが多い一方、平らな傷跡に赤みが長く残る場合にはVビーム治療が選択肢となります。
また、傷跡が赤く盛り上がっている場合には、肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があり、別の治療を組み合わせる必要があります。
「傷は治ったのに赤みだけが消えない」「手術跡や美容整形後の傷跡が目立つ」「ニキビ跡の赤みを改善したい」といったお悩みがある方は、お気軽に当院へご相談ください。
参考文献
- 日本形成外科学会ほか編.形成外科診療ガイドライン2021年版 第3巻 創傷疾患.
- 瘢痕・ケロイド治療研究会編.ケロイド・肥厚性瘢痕 診断・治療指針 2018.
- Cai Y, et al. Lasers Med Sci. 2022;37:1273-1282. PMID: 34351564.
- Yoon HJ, et al. J Dermatolog Treat. 2008;19:38-44. PMID: 18273723.
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |



