トライフィルプロは効果ない?効果を実感しにくい原因|回数・薬剤・注入方法まで解説

- 「トライフィルプロを受けたけれど、思ったほど変化がわからない」
- 「1~2回受けても効果を感じないけれど、このまま続けてよいの?」
このような疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
トライフィルプロは、炭酸ガスによるマイクロサブシジョンと薬剤導入を組み合わせ、ニキビ跡(クレーター)や毛穴、シワなどにアプローチする治療です。
一方で、トライフィルプロは「同じ機械で施術すれば、誰でも同じ効果が出る」治療ではありません。
効果の感じ方は治療回数だけでなく、薬剤、注入方法、ショット数、炭酸ガス量や深さなど、治療内容によっても変わります。
また、ニキビ跡の種類や癒着の深さによっては、トライフィルプロ単独よりも、カニューレによるサブシジョンやTCAクロスなどを組み合わせた方がよい場合もあります。
今回は、トライフィルプロで効果を実感しにくい理由と、より効果を引き出すために大切なポイントについて、皮膚科専門医・トライフィルプロKOLの立場から詳しく解説します。
トライフィルプロは「効果がない」治療なのか?

トライフィルプロを1回受けても大きな変化がなかったからといって、「トライフィルプロは効果がない」と判断するのは早い場合があります。
トライフィルプロの治療効果には、大きく分けて、
- 炭酸ガスによるマイクロサブシジョン
- 炭酸ガスや針刺激などによる組織のリモデリング
- ジュベルックなどの薬剤によるコラーゲン産生などの作用
が関係しています。
さらに重要なのが、どの深さに、どれくらいの炭酸ガスを注入し、どの薬剤を、どのくらい届けるかという治療設計です。
そのため、トライフィルプロでは、
適応の診断 × 回数 × 薬剤 × 注入方法 × ショット数 × 炭酸ガス量・注入する深さ
など、複数の要素によって最終的な治療効果が変わります。
トライフィルプロの詳しい仕組みや適応、施術方法については「トライフィルプロ」のページで解説しています。
トライフィルプロの効果を実感しにくい8つの理由
1.治療回数がまだ少ない
トライフィルプロは、1~2回の施術でもニキビ跡や毛穴の変化を実感される方がいます。
一方で、ニキビ跡や毛穴は1回ですべて改善するものではなく、当院では症状に応じて基本的に1か月程度の間隔で3~4回程度を一つの目安として治療しています。
特に、
- ニキビ跡が深い
- 硬いクレーターが多い
- ニキビ跡の範囲が広い
- 複数の種類のニキビ跡が混在している
といった場合には、さらに治療回数が必要になることがあります。
そのため、1回で効果を感じないからといって、トライフィルプロが効いていないとは限りません。
トライフィルプロの治療回数や、効果を実感するまでの時期については、コラム「トライフィルプロの痛み、効果出るまでに必要な回数、ダウンタイム」の記事でも詳しく解説しています。
2.効果を判断する時期が早すぎる
トライフィルプロは、施術直後だけを見て効果を判断する治療ではありません。
マイクロサブシジョンによって癒着が剥離されることで比較的早く変化を感じる方もいますが、炭酸ガスや薬剤、針による刺激をきっかけとしたコラーゲン産生や真皮のリモデリングには数ヶ月単位の時間がかかります。
そのため、施術後1か月程度で変化を感じ始める方もいれば、数か月かけて徐々に変化を実感する方もいます。
また、施術直後は炭酸ガスや薬剤による一時的な膨らみやむくみが生じることがあります。
その膨らみが落ち着いた際に、
「元に戻った」
「効果がなくなった」
と感じる場合がありますが、これは最終的な治療効果を評価する時期とは異なります。
施術直後の見た目と、数か月後の組織リモデリングによる変化は分けて考える必要があります。
3.症状に合った薬剤や十分な薬剤量が選択されていない
トライフィルプロの大きな特徴のひとつが、炭酸ガスによって作られた空間へ薬剤を注入できることです。
しかし、どの薬剤を使っても同じ効果が得られるわけではありません。
例えば当院では、ニキビ跡や毛穴に対しては、コラーゲン産生を促す目的でジュベルックを使用することが多くあります。
一方で、ニキビ跡の形や肌質、毛穴の状態、それまで受けてきた治療などによって、適した薬剤は異なります。
そのため当院では、ジュベルックだけでなく、レニスナ、リジュラン、プルリアル、ジャルプロなど複数の薬剤の中から、肌状態や治療目的に合わせて選択しています。
また、薬剤の種類だけでなく、必要な場所に十分な量を届けることも重要です。
同じ薬剤を使用していても、必要な部位に十分な薬剤量が注入されていなければ、期待した変化を感じにくいことがあります。
つまりトライフィルプロでは、
「どの薬剤を使ったか」だけでなく、「どこに、どれくらい入れたか」も重要
と考えています。
4.ニキビ跡に適した注入方法が選択されていない

トライフィルプロには、
- オートインジェクション
- マニュアルインジェクション
という2つの主な注入方法があります。
オートインジェクション
オートインジェクションでは、皮膚を吸引しながら針を刺入し、炭酸ガスや薬剤を注入します。
広い範囲を均一に治療しやすいため、毛穴、肌質改善、小ジワ、比較的浅いニキビ跡などに適しています。
一方、オートインジェクションでは針の深さが1.8mmと一定であるため、一つ一つ深さや硬さが異なるクレーターを細かく狙うことには限界があります。
マニュアルインジェクション
マニュアルインジェクションでは、医師がニキビ跡を一つずつ確認しながら、針を刺す位置や深さ、炭酸ガス量、薬剤量を調整します。
そのため、
- 深いニキビ跡
- 硬いボックスカー型
- 癒着を伴うニキビ跡
- 局所的に深いクレーター
などでは、マニュアルインジェクションが適することがあります。
同じ「トライフィルプロを受けた」という場合でも、オートインジェクションとマニュアルインジェクションでは治療内容が大きく異なります。
特に深く硬いニキビ跡に対しては、オートインジェクションだけでは十分な改善を得にくい場合があります。
5.硬いニキビ跡のマイクロサブシジョンが十分でない

ボックスカー型など、底の部分が硬く、線維性の瘢痕組織が発達しているニキビ跡では、薬剤を注入するだけでは十分にへこみが改善しないことがあります。
このような場合には、へこみを下方向へ引っ張っている硬い瘢痕組織をしっかりとリリースすることが重要です。
当院では、必要に応じてマイクロサブシジョンに特化した「アルファペン」を使用しています。
アルファペンは、炭酸ガスをピンポイントで注入することができるため、硬い瘢痕組織に対して繊細なマイクロサブシジョンを行うことができます。
特に硬いクレーターでは、
アルファペンによるマイクロサブシジョン
↓
マニュアルインジェクションによるマイクロサブシジョン+薬剤導入
と組み合わせることで、瘢痕をほぐした上で必要な薬剤を届けることができます。
深く硬いニキビ跡では、単純に薬剤を入れるだけではなく、まず硬い瘢痕をどのようにリリースするかが治療効果を左右することがあります。
6.ニキビ跡の深さ・範囲・硬さに対してショット数が足りない
トライフィルプロで必要となるショット数は、単純にニキビ跡の「数」だけで決まるわけではありません。
ニキビ跡の深さ・治療範囲・瘢痕の硬さによって、1つのニキビ跡に必要なアプローチや全体のショット数は変わります。
特に、深く硬いニキビ跡では、一つの瘢痕に対して複数ショットでアプローチすることもあり、広範囲に多数みられる場合には多くのショット数が必要になります。
例えば、両頬に深く硬いニキビ跡が広範囲にある場合には、150~200ショット程度使用することもあります。
もちろん、ショット数が多ければ多いほど効果が高くなるという意味ではありません。
重要なのは、
「何ショット打ったか」ではなく、ニキビ跡の深さ・範囲・硬さに合わせて、必要な部位に十分な治療が行われたか
という点です。
同じ「トライフィルプロ1回」でも、ニキビ跡の状態や治療範囲、ショット数、一つ一つの瘢痕へのアプローチ方法によって、実際の施術内容には大きな違いがあります。
7.炭酸ガス量や注入する深さが症状に合っていない
トライフィルプロでは、皮膚内に炭酸ガスを注入することで、ごく小さな空間を作ります。
この作用を利用して瘢痕組織をマイクロサブシジョンし、さらに組織のリモデリングを促します。
そのため、炭酸ガスを「どれくらい」「どの深さ」に注入するかも重要です。
例えば、炭酸ガス量が少なすぎれば、硬い瘢痕に対して十分な剥離が得られない場合があります。
一方で、炭酸ガスが多すぎるとむくみなどのダウンタイムが長くなってしまいます。
また、ニキビ跡の原因となっている瘢痕より浅い層にガスを入れても十分なリリースができず、逆に深すぎても目的とする瘢痕層に十分な作用を与えられない可能性があります。
「炭酸ガス量を増やせば効果が高くなる」のではなく、目的とする層に必要な量を届けることが重要です。
8.そもそもトライフィルプロ単独では治療しにくいニキビ跡である
トライフィルプロはさまざまなニキビ跡に使用できる治療ですが、すべてのニキビ跡をトライフィルプロだけで改善できるわけではありません。
ニキビ跡は見た目が似ていても、へこみを作っている原因の深さや構造が異なります。
深い癒着を伴うローリング型ニキビ跡
皮下組織から浅筋膜付近など、より深いところに強い癒着があるローリング型ニキビ跡では、トライフィルプロによる浅~中間層のマイクロサブシジョンだけでは、十分に癒着を解除できない場合があります。
そのような場合には、カニューレによるサブシジョンを組み合わせ、より深い層の癒着を剥離することがあります。
トライフィルプロとサブシジョンの違いや使い分けについてはコラム「トライフィルプロ vs サブシジョン、どっちが自分に合う?」で詳しく解説しています。
深いアイスピック型ニキビ跡
細く深く入り込んだアイスピック型のニキビ跡では、トライフィルプロ単独よりも、TCAクロスなどの治療が適している場合があります。
アイスピック型ニキビ跡に対するTCAクロスの効果や治療方法は「TCAクロス」のページをご覧ください。
トライフィルプロの効果を高めるためには、すべてをトライフィルプロだけで治療しようとするのではなく、ニキビ跡の構造に合った治療を選択することが大切です。
「トライフィルプロを受けたけれど効果がない」と感じたときに確認したいこと
トライフィルプロを受けても思ったほど変化がわからない場合には、次の点を確認してみましょう。
特にニキビ跡では、鏡を毎日見ていると少しずつ起こる変化には気づきにくいことがあります。
可能であれば、同じ照明・角度で撮影した治療前後の写真を比較することも効果判定には重要です。
当院のトライフィルプロ治療の特徴

当院では、ニキビ跡の深さ・硬さ・癒着を確認し、オート/マニュアルインジェクション、アルファペン、薬剤、炭酸ガス量、深さ、ショット数を症状に合わせて調整しています。
また、深い癒着にはサブシジョン、アイスピック型にはTCAクロスなどを組み合わせ、ニキビ跡の構造に合わせた治療を行います。
当院ではトライフィルプロKOLとして、医師向け講演やハンズオンセミナーなども行っています。
ニキビ跡の種類と治療法について詳しく知りたい方は「ニキビ跡治療」のページもご覧ください。
トライフィルプロについてよくある質問
- Q. トライフィルプロは1回では効果がありませんか?
-
1回でも変化を実感する方はいらっしゃいますが、ニキビ跡や毛穴は複数回の治療が必要になることが多くあります。当院では、症状に応じて1か月程度の間隔で3~4回程度をひとつの目安としています。
- Q. トライフィルプロは何回で効果を実感しますか?
-
個人差がありますが、1~2回で変化を感じる方もいれば、3~4回程度治療を重ねて効果を実感する方もいます。ニキビ跡の深さや硬さ、範囲などによっても必要な回数は異なります。
- Q. トライフィルプロの効果はいつからわかりますか?
-
施術後1か月程度で変化を感じる方もいますが、コラーゲン産生や真皮のリモデリングには時間がかかります。そのため、数か月かけて徐々に変化を実感する場合もあります。
- Q. ニキビ跡にはジュベルックを入れた方がよいですか?
-
当院ではニキビ跡や毛穴に対してジュベルックを選択することが多くあります。ただし、へこみの程度や肌質、それまでの治療歴などによって適した薬剤は異なるため、診察した上で薬剤を選択します。
- Q. オートインジェクションとマニュアルインジェクションでは効果が違いますか?
-
目的が異なります。オートインジェクションは毛穴や肌質など広い範囲を均一に治療することに向いています。一方、深く硬いニキビ跡を一つずつ狙う場合には、注入位置や深さを細かく調整できるマニュアルインジェクションが適することがあります。
- Q. ショット数が多いほど効果がありますか?
-
単純にショット数が多いほど効果が高くなるわけではありません。必要なショット数は、ニキビ跡の深さ・範囲・硬さによって異なります。重要なのは、ニキビ跡の状態に合わせて必要な部位へ十分な治療を行うことです。
- Q. トライフィルプロで治りにくいニキビ跡はありますか?
-
あります。例えば、より深い層に強い癒着があるローリング型ニキビ跡ではカニューレによるサブシジョン、細く深いアイスピック型ではTCAクロスなどが適する場合があります。
- Q. トライフィルプロとサブシジョンはどちらが効果的ですか?
-
どちらが優れているというより、作用する層や得意なニキビ跡が異なります。深い癒着にはカニューレによるサブシジョン、浅~中間層の瘢痕や細かなクレーターにはトライフィルプロが適することがあります。複数の深さに原因がある場合は、両方を組み合わせることもあります。
まとめ|トライフィルプロは「何回受けたか」だけでなく治療内容が重要
トライフィルプロの効果は、治療回数だけでなく、薬剤、注入方法、ショット数、炭酸ガス量・注入深度、ニキビ跡のタイプによっても変わります。
特にニキビ跡では、深さや硬さ、癒着を見極め、必要に応じてサブシジョンやTCAクロスなどを組み合わせることが大切です。
当院では、一人ひとりのニキビ跡に合わせてトライフィルプロの治療内容を調整しています。
「トライフィルプロの効果を感じにくかった」「自分のニキビ跡に合う治療を知りたい」という方は、上野御徒町ファラド皮膚科へご相談ください。
当院のトライフィルプロ施術については「トライフィルプロ」のページもご覧ください。
参考文献
- Yi KH, Rosellini I, Lee S, et al. Gas subcision with PDLLA (Juvelook): Evaluating a hybrid mechanical-biologic approach for atrophic acne scars. JPRAS Open. 2026;51:129-133. PMID: 42389218.
- Abdel Kareem IM, Fouad MA, Ibrahim MK. Effectiveness of subcision using carboxytherapy plus fractional carbon dioxide laser resurfacing in the treatment of atrophic acne scars: comparative split face study. J Dermatolog Treat. 2020;31(3):296-299. PMID: 30889369.
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- Stratman S, He H. The Use of Chemical Reconstruction of Skin Scars (CROSS) Method With Trichloroacetic Acid (TCA) for Atrophic Scars: A Comprehensive Review on Application Techniques, Adjunct Therapies, and Complications. J Clin Aesthet Dermatol. 2026;19(6):52-67. PMID: 42482854.
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |



