ポテンツァは赤ら顔・酒さに効果がある?Vビームとの違いや治療回数を解説

- 「顔全体の赤みがなかなか引かない」
- 「頬や鼻がいつも赤い」
- 「ほてりやヒリヒリ感も気になる」
このようなお悩みの背景に、酒さ(しゅさ)が隠れていることがあります。
酒さは、頬や鼻などに赤みやほてり、毛細血管の目立ち、赤いブツブツなどを繰り返す慢性的な皮膚疾患です。
酒さの詳しい原因や症状、基本的な治療については「酒さ(赤ら顔)の原因と治療法」で詳しく解説しています。
赤ら顔というと「血管が広がっているだけ」と思われがちですが、実際には、
- 皮膚の炎症
- 血管の広がりや増加
- 刺激に対する神経の過敏さ
など、さまざまな要素が関係しています。
そのため酒さの治療では、目立つ血管だけを治療するのではなく、赤みが続きやすい皮膚の状態そのものにアプローチすることも大切です。
この記事では、酒さ・赤ら顔治療の中でもポテンツァに焦点を当て、効果の仕組み、向いている症状、Vビームとの違いをわかりやすく解説します。
当院では、酒さ・赤ら顔に対してVビームや外用薬に加えてポテンツァを使用しており、特に近年の研究で有効性が報告されている低出力・短パルスで炎症を刺激しすぎない治療を重視しています。
なぜポテンツァは酒さ・赤ら顔に効果が期待できる?
酒さでは大きく分けると、
①炎症
②血管
③ほてり・神経の過敏さ
の3つが関係しています。
ポテンツァは、この3つにそれぞれ働きかける可能性があります。
1.酒さの炎症を抑える
酒さの肌では、皮膚の中で炎症が起こりやすい状態が続いています。
そのため、
- 赤みがなかなか引かない
- 赤いブツブツが繰り返す
- 少しの刺激でもヒリヒリする
といった症状が起こります。
マイクロニードルRFには、こうした炎症に関係する反応を抑える作用が報告されています。
2026年の研究では、酒さに似た炎症を起こしたモデルに低出力・短パルスのマイクロニードルRFを行うことで、赤みや炎症が抑えられました。
そのため、ポテンツァは「血管だけ」を治療するのではなく、赤みの土台となっている炎症にもアプローチできる可能性があります。
2.赤みをつくる血管の増加を抑える
酒さでは、血管が広がるだけでなく、慢性的な炎症によって新しい血管が増えやすくなることがあります。
この血管の増加には、VEGFという物質が関係しています。
専門的には「血管新生」と呼ばれますが、簡単にいうと、
炎症が続く
↓
血管が増えやすくなる
↓
赤みがさらに目立つ
という状態です。
RF治療には、こうした血管が増える反応を抑える可能性が報告されています。
そのためポテンツァは、すでに見えている血管だけではなく、赤みが続きやすい背景にも働きかける治療と考えられています。
3.ほてりやヒリヒリ感にもアプローチ
酒さでは、見た目の赤み以上に「顔が熱い」「ヒリヒリする」といった症状がつらい方もいます。
これは、皮膚の神経が刺激に対して敏感になっていることが関係しています。
その一つがTRPV1という、熱や刺激を感じるセンサーです。
酒さではこのセンサーが過敏になり、
刺激
↓
神経が反応
↓
血管が広がる・炎症が起こる
↓
ほてりや赤みが強くなる
という反応が起こりやすくなります。
RF治療では、こうした神経の過敏な反応を抑える可能性も報告されています。
そのため、ポテンツァは見た目の赤みだけでなく、ほてりやヒリヒリ感が強い酒さにも向いている場合があります。
酒さのポテンツァ治療は「強く当てれば効く」わけではありません
ここは非常に重要です。
ポテンツァは高周波によって皮膚に熱を加える治療ですが、酒さの場合は強い熱を加えれば効果が高くなるわけではありません。
酒さはもともと、熱や紫外線、摩擦、刺激によって悪化しやすい病気です。
そのため、ニキビ跡治療と同じように強くRFを加えると、かえって赤みやほてりが強くなる場合があります。
2026年に報告された研究では、低出力・短パルスのマイクロニードルRFによって、赤みや炎症、血管新生が抑えられました。
この結果から、酒さでは、
「強く加熱する」より
「炎症を刺激しすぎないように治療する」
という考え方が重要と考えられます。
当院でも、赤ら顔・酒さにポテンツァを行う場合は、ニキビ跡や毛穴治療とは設定を変え、低出力・短パルスを中心に肌の状態に合わせて調整しています。
どんな赤ら顔・酒さにポテンツァが向いている?
赤ら顔であれば、すべてポテンツァが適しているわけではありません。
赤みのタイプによっては、Vビームの方が向いている場合や、まず外用薬で炎症を抑えた方がよい場合もあります。
特に、1本1本の血管が見えるというより、頬や鼻に面として赤みが広がっているタイプでは、ポテンツァを検討することがあります。
一方で、毛細血管がはっきり見えるタイプではVビームが向いていることがあります。
また、赤いブツブツや膿疱が多い場合には、ポテンツァだけでなくイベルメクチンやロゼックス、アゼライン酸などの外用治療も重要です。
ポテンツァとVビームはどちらが赤ら顔に向いている?

赤ら顔治療でよくいただく質問が、「ポテンツァとVビームはどちらがいいですか?」というものです。
どちらか一方が常に優れているわけではなく、赤みの原因によって使い分けます。
※横スクロールで表示できます。
わかりやすく言うと、
Vビームは、今目立っている血管を直接狙う治療です。
一方でポテンツァは、炎症や血管新生、ほてりなど、赤みが続く背景にもアプローチする治療です。
Vビームによる赤ら顔・毛細血管拡張の治療についてはVビームのページで詳しく解説しています。
酒さはポテンツァ・Vビーム・外用薬を使い分けて治療します
酒さでは、「血管だけ」「炎症だけ」と原因が一つに決まっていることは多くありません。
毛細血管の拡張、皮膚の炎症、ほてりや神経の過敏さ、ニキビダニ、皮脂などが組み合わさって症状が出るため、赤みのタイプに合わせて治療を使い分けることが大切です。
当院では、主な症状に応じて次のように治療を選択しています。
たとえば、Vビームで目立つ毛細血管を減らしながら、ポテンツァで炎症や赤みが続きやすい肌状態にもアプローチすることがあります。
酒さは「ポテンツァだけで治療する」「Vビームだけで治療する」と考えるのではなく、その方の赤みの原因や症状に合わせて治療を組み合わせることが重要です。
当院の赤ら顔・酒さに対するポテンツァ治療の特徴
当院では、マイクロニードルRFについて医師向け講演も行っており、作用機序や出力・パルス・深さなどを踏まえて治療しています。
酒さでは、強い刺激が赤みやほてりを悪化させることがあるため、炎症の状態に合わせて低出力・短パルスを中心に設定を調整します。
また、赤みのタイプを診察し、ポテンツァだけでなくVビームや外用薬も含めて治療を選択します。施術を行うこと自体ではなく、その方の酒さに適した治療を組み立てることを重視しています。
ポテンツァによる酒さ治療は何回必要?目安は4回前後
ポテンツァによる酒さ治療は、1回でも赤みやほてりの改善がみられることがありますが、基本的には4回前後を目安に複数回行うことをおすすめしています。
実際に、酒さに対するマイクロニードルRF治療では、1回の治療後に赤みの改善が確認された研究がある一方、3回程度の治療を重ねることで赤みや酒さの重症度が有意に改善した報告もあります。
酒さは慢性的に症状が変動する疾患であり、赤みの程度やほてり、丘疹・膿疱の有無、毛細血管の目立ち方によって必要な回数は異なります。
そのため当院では、まず4回前後を一つの目安としながら、肌の状態や治療反応を確認して回数を調整しています。Vビームや外用薬を併用する場合には、それらを含めて治療計画を立てます。
ポテンツァによる酒さ・赤ら顔治療の症例
症例1 【30歳代女性】頬の赤み改善(1回実施)

頬の赤みが気になり当院を受診されました。ぼんやりした赤みが頬にみられ、炎症が強いことがわかります。ポテンツァ赤みモードで治療を1回行い、赤みが良くなってきています。赤みの改善効果を1回で実感できる患者さんもいらっしゃいます。
| 費用 | ポテンツァ 赤み・赤ら顔モード 頬・鼻 1回 44,000円(税込) (本症例では、総額44,000円(税込)) | |
|---|---|---|
| 副作用・リスク | 痛み・腫れなど | |
症例2 【50歳代男性】頬の赤み改善(2回実施)

長年の酒さで受診された患者さんです。塗り薬のイベルメクチンクリームとビブラマイシン内服にて治療を行うもポツポツや赤みの改善が乏しく、ポテンツァ赤み・赤ら顔モードで治療を行いました。2回の治療で赤みがかなり改善しています。
| 費用 | ポテンツァ 赤み・赤ら顔モード 頬・鼻 1回 44,000円(税込) イベルメクチンクリーム 30g 4,400円(税込) ビブラマイシン内服 (本症例では、総額92,400円(税込)) | |
|---|---|---|
| 副作用・リスク | 痛み・腫れなど | |
ポテンツァによる酒さ治療のダウンタイム
治療後には、赤み、ほてり、軽い腫れ、ヒリヒリ感、点状の出血などがみられることがあります。
酒さの肌はもともと刺激に敏感なため、施術直後に一時的に赤みが強く見えることもあります。
そのため、炎症がかなり強い場合にはすぐに施術を行わず、まず外用薬などで炎症を落ち着かせることもあります。
酒さでは、強い治療を一度行うことより、肌の状態に合わせて無理なく治療することが重要です。
ポテンツァと酒さについてよくある質問
- ポテンツァは酒さ・赤ら顔に効果がありますか?
-
ポテンツァは、酒さ・赤ら顔に対して治療選択肢の一つになります。特に、顔全体に広がるぼんやりした赤みや、炎症、ほてり・ヒリヒリ感を伴う場合に検討します。
マイクロニードルRFには、炎症を抑えたり、血管新生や神経の過敏な反応に働きかけたりする可能性が報告されています。
- 酒さのポテンツァ治療は何回くらい必要ですか?
-
1回でも赤みやほてりの改善がみられることがありますが、当院では4回前後を一つの目安として治療をご案内しています。
酒さに対するマイクロニードルRFでは、1回治療後の改善を示した研究に加え、複数回治療によって赤みや重症度が改善した報告もあります。
実際の回数は、赤みや炎症の程度、Vビームや外用薬を併用するかによって調整します。
- ポテンツァで酒さが悪化することはありますか?
-
一時的に赤みやほてりが強くなることはあります。酒さは熱や刺激で悪化しやすいため、ニキビ跡治療と同じように強い設定で照射することが適しているとは限りません。
当院では、酒さに対しては低出力・短パルスを中心に、炎症を刺激しすぎないよう設定を調整しています。炎症が強い場合には、先に外用薬などで症状を落ち着かせることもあります。
- 赤ら顔にはポテンツァとVビームのどちらが向いていますか?
-
赤みのタイプによって異なります。毛細血管が1本ずつはっきり見える場合は、血管を直接ターゲットにするVビームが向いています。一方、顔全体に広がる赤みや、ほてり、ヒリヒリ感、炎症を伴う場合にはポテンツァを検討します。
両方の特徴がある場合には、ポテンツァとVビームを組み合わせて治療することもあります。
- ポテンツァは酒さのほてりやヒリヒリ感にも効果がありますか?
-
改善が期待できる症状の一つです。酒さのほてりやヒリヒリ感には、皮膚の神経が刺激に対して過敏になっていることが関係しています。ポテンツァを使用した研究でも、ほてりや灼熱感に関係する神経反応への作用が報告されています。
そのため、赤みだけでなく、顔の熱感やヒリヒリ感が強い方にもポテンツァを検討することがあります。
- ポテンツァとイベルメクチン・ロゼックスは併用できますか?
-
併用することがあります。特に、赤いブツブツや膿疱など炎症性の症状が強い場合には、イベルメクチンやロゼックスなどの外用薬が重要です。
外用薬で炎症を抑えながらポテンツァを組み合わせたり、先に外用治療を行ってからポテンツァを始めたりするなど、症状に応じて治療の順番を調整します。
- 酒さがあっても毛穴やニキビ跡をポテンツァで同時に治療できますか?
-
治療できる場合があります。ポテンツァは酒さ・赤ら顔だけでなく、毛穴やニキビ跡、皮脂、肌質改善にも使用される治療です。
ただし、酒さがある場合は、ニキビ跡治療と同じ強い設定が適しているとは限りません。赤みや炎症の状態を確認しながら、酒さを悪化させない範囲で設定や治療内容を調整します。
赤ら顔・酒さでお悩みの方へ
赤ら顔や酒さは、見た目が似ていても原因や症状はさまざまです。
毛細血管が目立つのか、炎症が強いのか、ほてりやヒリヒリ感を伴うのかによって、適した治療は異なります。
当院では、ポテンツァ、Vビーム、外用薬を症状に合わせて使い分け、必要に応じて組み合わせて治療しています。
赤みだけでなく、ほてり、皮脂、毛穴なども含めて診察し、一人ひとりに合った治療をご提案します。
赤ら顔や酒さでお悩みの方は、上野御徒町ファラド皮膚科にお気軽にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会ガイドライン ※PDFファイルが開きます 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン 2023
- Xu Z, Shen S, Zhao J, et al. Low-Power Short-Pulse-Width Fractional Microneedle Radiofrequency Relieves LL37-Induced Rosacea-Like Skin Inflammation. J Cosmet Dermatol. 2026;25(2). PMID: 41664378.
- Son M, Park J, Oh S, et al. Radiofrequency irradiation attenuates angiogenesis and inflammation in UVB-induced rosacea in mouse skin. Exp Dermatol. 2020;29(7):659-666. PMID: 32434270.
- Oh S, Son M, Park J, et al. Radiofrequency Irradiation Modulates TRPV1-Related Burning Sensation in Rosacea. Molecules. 2021;26(5):1424. PMID: 33800730.
- Wang B, Deng YX, Li PY, et al. Efficacy and safety of non-insulated fractional microneedle radiofrequency for treating difficult-to-treat rosacea: a 48-week, prospective, observational study. Arch Dermatol Res. 2022;314(7):643-650. PMID: 34196817.
- Kim SJ, Lee Y, Seo YJ, Lee JH, Im M. Comparative Efficacy of Radiofrequency and Pulsed Dye Laser in the Treatment of Rosacea. Dermatol Surg. 2017;43(2):204-209. PMID: 27893539.
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |



