ポテンツァとポテンツァプライムの違いは?3つの進化を医師が解説

ポテンツァ(POTENZA)は、マイクロニードルとRF(高周波)を組み合わせた治療機器です。その新しいモデルがポテンツァプライム(POTENZA PRIME)です。
ポテンツァプライムは、マイクロニードルRFという基本的な仕組みを受け継ぎながら、チップの種類、RFの照射方法、ドラッグデリバリー機能が拡張されています。
主な進化は3つです。
- ドラッグデリバリーに使用できるチップの選択肢が増えた
- モノポーラRFとバイポーラRFを1ショット内で連続照射できるようになった
- ドラッグデリバリーにBoost Mode(ブーストモード)が追加された
つまり、単純に出力が強くなったのではなく、どの範囲に熱を加えるか、RFをどう組み合わせるか、薬剤をどう導入するかを、より細かく設計できるようになったことがポテンツァプライムの大きな特徴です。
※ポテンツァの仕組み・適応・症例・ダウンタイム・料金についてはポテンツァ・ポテンツァプライム総合ページで詳しく解説しています。
ポテンツァプライムの進化①
チップの種類が増えた

従来のポテンツァでドラッグデリバリーに使用していたCP-25は、絶縁針タイプのチップでした。
ポテンツァプライムでは、ドラッグデリバリー治療でも絶縁針だけでなく非絶縁針など、RFの作用範囲が異なるチップを選択できるようになっています。
絶縁針と非絶縁針では熱の入り方が違う
絶縁針では、針の一部が絶縁されているため、RFを放出する範囲を限定して熱を加えることができます。
一方、非絶縁針では針のより広い範囲からRFを作用させることができ、真皮の広い範囲へ熱刺激を加えることが可能です。
この違いは、特に毛穴やニキビ跡・クレーター治療で重要と考えています。真皮の広い範囲へ熱刺激を加えることで、コラーゲン産生をより広く促せる可能性があるためです。
そのためポテンツァプライムでは、薬剤導入だけでなく、真皮のどの範囲へRFによる熱を加えるかまで選択しやすくなったことが大きな進化です。
ただし、非絶縁針を使用すれば必ず効果が高くなるわけではなく、ニキビ跡の深さや形、皮膚の厚み、毛穴の状態に応じてチップを選択することが重要です。
ポテンツァプライムの進化②
モノポーラRFとバイポーラRFを連続照射

ポテンツァプライムでは、対応するチップを使用することで、1ショットの中でモノポーラRFを照射した後に、バイポーラRFを連続して照射することができます。
モノポーラRFとバイポーラRFの違い
モノポーラRFとバイポーラRFでは、皮膚の中での高周波の流れ方が異なります。
一般的にモノポーラRFはより深く広い範囲へ熱を加えやすく、バイポーラRFは電極間のより限局した範囲へ熱を加えることができます。
従来のポテンツァでは、治療目的に応じてモノポーラRFまたはバイポーラRFを選択していました。
ポテンツァプライムでは、この2種類のRFを1ショットの中で連続して照射できるため、異なる深さや範囲へ熱刺激を加える治療設計が可能になっています。
モノポーラRF+バイポーラRFでコラーゲン産生が高まる可能性
モノポーラRFとバイポーラRFを組み合わせた研究では、RFを単独で照射した場合と比較して、コラーゲンやエラスチンの増加が高まる可能性が報告されています。
これは、異なる熱分布を持つRFを組み合わせることで、皮膚のより広い範囲へ熱刺激を加えられることが関係していると考えられます。
この点から、ポテンツァプライムのモノポーラRF・バイポーラRF連続照射は、ニキビ跡・クレーター、毛穴、肌質改善などで特に注目している機能です。
そのため当院では、RFの特性を利用しながら、肌状態に応じて設定を調整しています。
ポテンツァプライムの進化③
ドラッグデリバリーにBoost Modeを追加

3つ目の進化が、Boost Mode(ブーストモード)です。
ポテンツァは従来から、マイクロニードルで形成した微細な経路を利用して薬剤を皮膚へ導入するドラッグデリバリーシステムを備えています。
ニキビ跡・クレーターや毛穴治療では、マックームやジュベルックなどの薬剤を組み合わせることがあります。
ポテンツァプライムでは、このドラッグデリバリーにBoost Modeが追加され、薬剤をより効率的に皮膚へ導入できるようになっています。
Boost Modeとは?
Boost Modeでは、同じ部位でマイクロニードルを連続して抜き差しする動作を行います。
この連続したニードリングによって、皮膚に形成された微細な経路を利用しながら、薬剤をより皮膚内へ押し込むように導入することを目的としたモードです。
従来のドラッグデリバリーでも、ニードルの刺入・抜去に伴う動きを利用して薬剤を導入しますが、Boost Modeではこの動作を同一部位で繰り返すことで、薬剤導入をさらに高めることを目的としています。
ポテンツァプライムでは治療目的に応じた新しいチップも追加

ポテンツァプライムでは、ドラッグデリバリー用チップだけでなく、毛穴・赤ら顔・肝斑・たるみ・育毛など、治療目的に応じた新しいチップも追加されています。
チップの選択肢が増えたことで、「ポテンツァを照射する」という一つの治療ではなく、症状や治療目的に応じて、より細かくチップやRF設定を選択できるようになっています。
ポテンツァプライムは従来のポテンツァより効果が高い?
「ポテンツァプライムは、従来のポテンツァより効果が高いのですか?」と聞かれることがあります。
ポテンツァプライムでは、従来のポテンツァよりもチップの選択肢、RFの熱の入れ方、モノポーラRFとバイポーラRFの組み合わせ、ドラッグデリバリーの方法など、治療設計の自由度が高くなっています。
そのため、症状に合ったチップを選び、適切な深さ・RF設定・ドラッグデリバリーを組み合わせることで、従来のポテンツァよりも治療効果を高められる可能性があります。
特に、ニキビ跡・クレーターや毛穴など、真皮への熱の入れ方や薬剤導入が治療結果に関わる症状では、ポテンツァプライムの高い治療設計の自由度を活かせる可能性があります。
つまり、ポテンツァプライムは単純に「出力が強くなった機器」ではなく、患者さんの肌状態に合わせて治療をより細かく設計できるようになったことが大きな進化です。
当院がポテンツァプライムで特に注目している治療
当院では、ポテンツァプライムの新しい機能の中でも、特にニキビ跡・クレーター、毛穴、赤ら顔・酒さへの応用に注目しています。
ポテンツァプライムによるニキビ跡・クレーター治療
ポテンツァプライムのニキビ跡治療では、ニキビ跡の深さや形に合わせて、針の深さ・RFの熱の広がり・ドラッグデリバリー・使用する薬剤を細かく調整できます。
マイクロニードルRFは、真皮への熱刺激によってコラーゲンの再構築を促し、ニキビ跡の凹凸や肌表面を滑らかにする効果が報告されています。また、ポリ乳酸製剤を組み合わせることで、RF単独より瘢痕の滑らかさや大きさが改善した報告もあります。
そのため、RFによる熱刺激と薬剤導入を組み合わせやすくなったことは、ニキビ跡・クレーター治療におけるポテンツァプライムの大きな特徴です。
ニキビ跡・クレーターの種類や原因、治療方法・症例については、ニキビ跡治療のページをご参照ください。
ポテンツァプライムによる毛穴治療
ポテンツァプライムの毛穴治療では、毛穴の状態に合わせて、RFの深さや熱を加える範囲を細かく調整できます。
マイクロニードルRFは、真皮のコラーゲンの再構築を促すことで毛穴を目立ちにくくする効果が報告されており、毛穴の大きさや評価スコアの改善を示した臨床研究もあります。
ポテンツァプライムでは、新しいチップやRF照射方法によって、毛穴周囲の真皮へ加える熱の深さや範囲をより細かく設計できることが特徴です。
毛穴の開きの原因や種類、治療方法・症例については、毛穴治療のページをご参照ください。
ポテンツァプライムによる赤ら顔・酒さ治療
ポテンツァプライムは、赤ら顔・酒さの治療にも使用できます。
酒さでは、炎症や血管反応などが赤みの原因となります。マイクロニードルRFは、臨床研究で酒さの赤み改善が報告されており、炎症反応や血管新生への作用も研究されています。
ポテンツァプライムでは、赤ら顔・酒さ向けのチップ(RSC-N25)やRF設定を肌状態に合わせて選択できることが特徴です。赤みの程度や血管の目立ち方によっては、Vビームなどの血管レーザーと使い分けたり、組み合わせたりします。
赤ら顔・酒さの原因や症状、治療方法・症例については、酒さ(赤ら顔)の原因と治療法のページをご参照ください。
ポテンツァとポテンツァプライムの違いについてよくある質問
- ポテンツァとポテンツァプライムの一番大きな違いは何ですか?
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マイクロニードルRFという基本的な仕組みは共通しています。
ポテンツァプライムでは、新しいチップ、モノポーラRFとバイポーラRFの連続照射、Boost Modeによるドラッグデリバリーなどが追加され、治療設計の選択肢が増えたことが大きな違いです。
- ポテンツァプライムの方がニキビ跡に効果がありますか?
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ポテンツァプライムでは、非絶縁針による広い範囲へのRF照射、モノポーラRF・バイポーラRFの連続照射、Boost Modeによるドラッグデリバリーなど、ニキビ跡の深さや形に合わせた治療設計がしやすくなっています。
そのため、適切なチップとRF設定、薬剤導入を組み合わせることで、従来のポテンツァより治療効果を高められる可能性があります。
- ポテンツァプライムの毛穴治療は何が変わりましたか?
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ポテンツァプライムでは、新しいチップやモノポーラRF・バイポーラRFの連続照射によって、毛穴周囲の真皮へ加える熱の深さや範囲をより細かく調整できるようになりました。
これにより、コラーゲン産生を促し、毛穴を目立ちにくくする治療を肌状態に合わせて設計しやすくなっています。
- ポテンツァプライムは酒さ・赤ら顔にも効果がありますか?
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POTENZA PRIMEには、酒さ・赤ら顔向けのRSC-N25チップがあります。
マイクロニードルRFは、酒さの赤み改善や炎症・血管新生への作用が報告されており、RSC-N25を使うことで赤みや炎症の状態に合わせたRF治療がしやすくなっています。
当院では、赤みの程度に応じてRSC-N25とVビームを使い分けたり、組み合わせたりして治療します。
- ポテンツァプライムでは肝斑治療もできますか?
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ポテンツァプライムには、肝斑の状態や治療する深さに応じてRFを届けるための新しいチップがあります。
表皮から上部真皮までを層別に考えて治療するMLSシリーズや、長さの異なるニードルによって複数の深さへRFを届けるVMLS-X36などが登場しています。特にVMLS-X36は、表面的な色素だけでなく、赤みや血管性の要素を伴う肝斑に使用されます。肝斑のタイプや赤み、炎症、治療歴を確認して適応を判断することが重要です。
- ポテンツァプライムにはたるみ治療用のチップもありますか?
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ポテンツァには、針を使用せず皮膚表面からRFを照射するDiamond Tip(ダイヤモンドチップ)があり、たるみ・タイトニング治療に使用されます。
RFによる熱刺激によってコラーゲンの収縮や、その後のコラーゲン・エラスチン産生を促すことで、肌のハリや引き締め、たるみ改善を目指す治療です。
- 育毛治療にもポテンツァプライムを使用できますか?
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POTENZA PRIMEでは、育毛・発毛を目的とした頭皮専用チップ「HGW-X16」も登場しています。
HGW-X16は、頭皮の構造に合わせて異なる深さへRF刺激を加えることを目的とした育毛専用チップです。マイクロニードルによる刺激とRFによる熱刺激によって、頭皮や毛包周囲の環境に働きかけることを目的とした治療となります。
まとめ|ポテンツァプライムは「より細かな治療設計」が可能に
ポテンツァプライムの主な進化は、
- チップの種類が増え、真皮への熱の入れ方を選択しやすくなった
- モノポーラRFとバイポーラRFを1ショット内で連続照射できるようになった
- Boost Modeによってドラッグデリバリー機能が拡張された
という3点です。
さらに、毛穴・赤ら顔・肝斑・たるみ・育毛など、治療目的に応じたチップの選択肢も広がっています。
ポテンツァプライムの最大の進化は、「どの範囲にRFを届けるか」「どのRFを組み合わせるか」「どのように薬剤を導入するか」を、肌状態に合わせてより細かく設計できるようになったことです。
適切なチップと設定を選択することで、従来のポテンツァより高い治療効果が期待できる可能性があります。
ポテンツァプライムをご検討の方、従来のポテンツァとの違いやご自身の肌にどの治療が適しているか知りたい方は、上野御徒町ファラド皮膚科へご相談ください。
ポテンツァプライムの症例・料金・ダウンタイムなどについては、ポテンツァ・ポテンツァプライム総合ページをご覧ください。
参考文献
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未承認医療機器について
<ポテンツァプライムについて>
- 医薬品医療機器等法上の承認:未承認
- 入手経路:当院では医師の判断の下、Jeisys社より正規の輸入経路を通じて入手
- 国内の承認医薬品等の有無:同じ性能をもつ承認医療機器は存在していません。
- 諸外国における安全性などに係る情報:諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
- 承認医療機器を用いた治療は、医薬品副作用被害救済制度等の対象とならない場合があります。
この記事を書いた人
上野御徒町ファラド皮膚科 院長
上條 広章(かみじょう ひろあき)
- 資格
- 医学博士(東京大学大学院医学系研究科)
- 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
- 日本美容外科学会(JSAS)認定 美容外科専門医
- 日本レーザー医学会専門医
- 所属学会
- 日本皮膚科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容皮膚科学会
- 日本レーザー医学会
- 受賞歴
- 第7回日本皮膚悪性腫瘍学会賞(石原・池田賞)
- 第20回マルホ研究賞
- Poster Prize, 47th Annual Meeting of European Society for Dermatological Research
略歴
| 2012年 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
|---|---|
| 2014年 | 藤枝市立総合病院 初期研修 修了 |
| 2014年 | 東京警察病院 皮膚科 |
| 2016年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 |
| 2019年 | 東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教 アトピー性皮膚炎専門外来、皮膚悪性腫瘍専門外来、レーザー専門外来担当 |
| 2021年 | 都内大手美容外科 入職 |
| 2022年 | 都内大手美容外科 本院 部長 美容皮膚科治療監修を担当 |
| 2022年 | 上野御徒町ファラド皮膚科 開院 |



